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パンをふたつください

僕には、パンを買うときの習慣があります。子どもの頃からずっと続けている、決まりのようなもの。自分用を買うとき、ランチなどで食べるときに、思い出す、その決まり。

決まりなんて仰々しく書きましたが、簡単な組み合わせのことです。

甘いパン+惣菜パン

子どもの頃は、惣菜パンではなく、しょっぱいパンと呼んでいました。それぞれひとつずつを選び、食べていました。食べる順番は入れ替わりましたが、どちらかの味だけを2つ食べることは、ありませんでした。

それは、近所のパン屋さんで父親から告げられた、決まりでした。

幼い頃、日曜の朝は、その近所のパン屋さんで買うことが習慣のようになっていたのです。その習慣の始まりの頃、僕は父親に連れられてパン屋に入りました。

「ひとり2個買っていいよー。」

メロンパンとクリームパンを選んだ僕に、父が言ったのは「朝ごはんだから、しょっぱいのも買って」でした。当時、しょっぱいパンのイメージがなく、カレーパンを買ったように記憶しています。

父は迷わず、あんドーナツでした。ドーナツと言っているのに、穴が空いていないのは子ども心に不思議でした。

その店のメロンパンには、カスタードクリームが入っていて、とても美味しかったので、甘いパンはほぼメロンパンを選んでいました。あんなにサクサクでふわふわなメロンパンは滅多にないなと今になって思い出します。

妹や弟も一緒に店で選び、家で待っているお母さんの分は事前に聞いたり、回数をこなして好みを把握したりしていました。

小ぶりなパンだったので、子どもには2つでちょうど良かったのですが、中学生や高校生になると、物足りなくなってきて、いつもの組み合わせに、サンドイッチなどを追加するようになりました。

その店で買っていた組み合わせは、ご飯の時の組み合わせとして、僕に定着したのでした。コンビニでも、パン屋さんでも、パンを2つ買うときは、甘いパンとしょっぱいパン。

ときどき、2つ買いたいのに、お店にパンがない時があります(だいたいしょっぱいパンがない傾向)。そうすると、なんとなく罪悪感を抱きつつ、甘いパンを2つ選びます。


ある日のお昼休み、職場の近所のパン屋さんにランチを買いに行きました。自宅を改装して、お店と厨房が繋がったコンパンクトなスペースで、男性(旦那さん)がお店番をされていて、話を聞くと奥様が焼いているのだとか。

子どもの頃に毎週通ったパン屋さんは、旦那さんが焼いて、奥さんが店番をされていました。厨房の奥に居住スペースがあって、時折娘さんらしき人が座っているのが見えることがありました。

いつの間にか、買うときの決まりのようなった、甘いパンとしょっぱいパンの組み合わせ、大人になっても変わらない僕のパンの買い方です。

#パン #思い出 #パン屋 #決まり #習慣  

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd