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ドーナツの甘い記憶

図書館福袋シリーズ。普段、読まない作家さんが入っていると、福袋感がありますね。(前回の福袋の中身はこちら)前回の羊男に続き、よく選んだなぁと思う作品でした。またもやタイトルには「ドーナツ」が入っていませんでした。

さよならは明日の約束
西澤 保彦

まったく事前情報なしの作品でした。作家さん自体も僕は知らなくて、タイトルからもドーナツが登場しそうなシチュエーションが伺えないなか、読み始めてみました。

学園ミステリーで、なんとなく最近流行っている感じの、推理がすごく入り組んでいく感じというか・・個人的にはそういうのは苦手です。いわゆるどんでん返しみたいなのは面白いのですが、なんとなく読者が置いてかれるような感じがしてしまうのです。

そこは、読み手も謙虚になれってことなので、諦めずに読みましたよ(笑)

話し手が章ごとに変わるように、視点がいくつかあって、一つ一つの話しが独立して読めました。でも全部が繋がっていて、図書館福袋らしい、本好きのための本好きの話しでした。

作中に出てくる、中心的な場所が、本がたくさん置いてあるカフェ。そして、そこの看板スイーツとして、チョコレート・ドーナッツが登場するのでした。

本がたくさん置いてあるカフェというのは憧れですが、本ってなかなかに読むのに時間がかかるので、ずっと入り浸っていられる時間も羨ましいなぁなんて思ってしまったり。

ミステリーということもあって、死とか殺人とかって言葉が出てくるのは、なんとなく設定とは合わない気がしつつも、理路整然と進む物語に、書き手への羨ましさを感じてしまうのでした。

大人になっても、そして老人と呼ばれていくような年齢になったとしても、学生生活ってとても瑞々しい思い出になるのだと実感ができるような、そんな作品でした。

さらに、本が好きな人に向けたような、あえての言葉遣いというのもこの作品の特徴かもしれません。実際の設定からしたら、高校生がこんな言葉遣いを心の中でもしないな・・と思うのです。

何度も出てくる、チョコレート・ドーナッツ・・僕にもお気に入りの店がありまして・・ブックカフェではありませんが、チョコレート専門店と名乗っている「バニラビーンズ」というお店です。

チョコレートドーナツはとても濃厚でしっとりしていました。とても甘いはずですが、しっかりとカカオの苦味も生きていて、あえてコーヒーやミルクを求めたくなるようなくどさがないのを覚えています。

相変わらず、ドーナツと一緒には読めなかったけれど、自分にもおいしいドーナツの思い出があって、嬉しくなってしまいました。


タイトルに合わせた、あまーいドーナツのサムネイル。infocusさんありがとうございます。ふわふわの甘いドーナツが最近は一般的になりました。ドーナツって、僕にとって思い出のおやつでもあり、憧れのおやつでもあります。



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