見出し画像

穴の空いたドーナツを、食べてはいけない #書もつ

毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。

先週、近所の図書館がやっている楽しい企画「福Bookろ」(正しくは”福袋”)の話を書きました。すると、図書館のfacebookやTwitterなどで紹介してもらえるという、大変ありがたいことが起こりました。

これ、普通のように感じている稲城の子どもたちに、教えてあげたい・・こんなに楽しい図書館、とても貴重だよ・・と。

僕が、数ある福袋の中から選んだのは、「ドーナッツ・・!」(大人向け・3冊)と書かれたものでした。福袋と聞けば、9割の人は中身を知りたくなるはずです。

一体、何が入っていたのか。3冊のうち、読み終えた1冊を紹介します。

羊男のクリスマス
村上春樹|佐々木マキ

タイトルにドーナツがない・・あ、でもドーナツ食べてる(笑)この作家は、僕も知っています。毎年、ノーベル賞の受賞者発表の時期になると、そのファンがざわついているイメージがあります。でも僕は、実は彼の作品が苦手なのです。あえて作品名は言いませんが、その世界観を苦しんで味わうなら、別の話を読んだ方がいいなと思ったのです。

そんなこともあって、自分では選ばない作家さんが出てきました。福袋っぽい。

佐々木マキさんは、イラストレーターさん。共著者として表記されていることからも、テキストだけでなく、かなりの数の挿絵が添えられています。まるで、絵本のような多さ。

クリスマスにドーナツを食べて、呪いにかかった羊男が、その呪いを解き、目的を達成するために奮闘する、クリスマスファンタジーなお話でした。穴の空いたドーナツと、穴の空いていないドーナツ、お互いが存在することで、世界が安定している・・とそんな展開のようにも読めました・・深い・・というか、ムズイ。

羊男が主人公ってだけでも、やや不思議な世界観なのですが、その羊男が繰り広げる物語がまたよくわからない(笑)読むのはあっという間でしたが、なんとも落ち着かないエンディング。これが作家の妙なのか・・。

ドーナツを食べながら読みたいなぁなんて思っていましたが、実際に穴の空いたドーナツを食べていたら、ゾッとしていたかもしれません。それは、呪いのドーナツかも知れなかったのです。

ドーナツがいかに身近な存在で、しかも優しさの象徴になっているかが、よくわかる作品でした。びっくりするくらい美味しいおやつ・・ではないけれど、多くの人にとって、ドーナツがいい思い出とともにあることを信じたくなりました。


まさに福袋のようなサムネイル、infocusさんありがとうございます!海外のドーナツって、びっくりするサイズ感のありますね。枕みたいな大きなドーナツ・・食べたいなぁ。

#推薦図書 #ドーナツ #クリスマス


この記事が参加している募集

推薦図書

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd