最中しいたけ

20世紀の置き土産'99年生まれ。 ここに描かれる物語は全てフィクションであ…

最中しいたけ

20世紀の置き土産'99年生まれ。 ここに描かれる物語は全てフィクションであり、登場人物、団体名等は全て架空のものです。 お忘れなきよう

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【遺稿『笑窪』】

呼ばれたような気がしたので窓の方を見た。 鳥が一羽木の枝に停まっていた。 声をかけようとしたが僕と目が合うと首を傾げ直様何処かへ飛んで行ってしまった。 見えなくな…

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【転折】

読み止した本が重なりすぎて部屋の隅で瓦解した。 新しい本棚を買おう買おうと思いながら気づけば半年以上が経っていた。 さして焦りもせずどうにか格好のつく具合に本を積…

最中しいたけ
7か月前
1

【追憶39】
暇そうな店員の手慰みに話しかけられるのが鬱陶しい。
こっちは買い物で忙しいんだ。
お前は仕事しろ。

最中しいたけ
7か月前

【追憶38】
秋の匂いが好きだ。草木の燃えているような切なさを内包した匂い。
紅葉とは、生命の燃えることを云うのだと私は思った。

最中しいたけ
10か月前

【追憶37】
理論を学ぶ。具体例を通して上手いこと当てはめる。
面倒くさくなる。こんなんエモーションじゃ!と開き直る。
新しい何かを生み出す。
それだけじゃだめだと理論を学ぶ。
これを守破離と呼ぶ。

最中しいたけ
10か月前

【追憶36】
サプリメントや野菜ジュースのパッケージに書かれた"○○足りてますか?"の文言を見ないと自分の栄養状態の不足に気づけないような人間たち。

最中しいたけ
10か月前

【簡易的動作論】

毎日同刻、同じ道を同じように歩く。 それは、世界をプログラム通りに動かすのに不可欠な動作であり世界滅亡を防ぐ役割を担っている。 無論それは、私だけに限らずこの世界…

最中しいたけ
10か月前

最中しいたけ座談会♯11

こんちゃ。最中です。 最近度々上がりますが、単純に暇なだけです。 9月になりまして夏の馬鹿熱も少しは安らいだように感じます。 どういう訳か、夏休みもあとわずかとな…

最中しいたけ
10か月前
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【0】

秋と云うには暑すぎる世界で海原のような空が綺麗に映った。 今年はどれほどのひぐらしを聴いただろうか。 花火の音色を聴くことはなくなった。 向日葵を見かけることもな…

最中しいたけ
10か月前

【追憶35】
「辛いこととか自分の無力を感じた時は出来るだけ明るく悔しがった方がいい。」

最中しいたけ
11か月前

【追憶34】
2kgの氷袋を買い込んでコンビニを後にした青年たちの背中にはこの後待ち受けるBBQか海水浴への興奮と期待が詰まっていた。

最中しいたけ
11か月前

【追憶33】
写真は確実な過去を映し出すのに適している。
映像を持たない文には、空想の膨らむ無限の可能性があるが、確かにそこにあった時を刻むことに関しては写真に到底及ばない。

最中しいたけ
11か月前

最中しいたけ座談会♯10

こんちゃ。最中です。 くっそ暑い夏がやって来ましたね。 毎日がエブリデイ暑い。頭悪いな地球。 最近僕が思うことを思いつくままに書いていきます。 24年も生きていると…

最中しいたけ
11か月前
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【夏化の畔】

風鈴の残る駄菓子屋の軒で雨やみを待っていた。 悪鬼のように隆起する黒い入道雲の横腹を見上げながら、リリーは鼻歌を歌っていた。 その歌がなんの歌だったかどうにも思い…

最中しいたけ
11か月前
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【追憶32】
昔ながらの根性論とか縦社会序列を毛嫌いしながら、体壊すまで働くことを美徳としている 支離滅裂なあいつはどうにも救えないと思う。

【追憶31】
吹き替えで見るのは邪道だと云う奴が嫌いだ。

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【遺稿『笑窪』】

呼ばれたような気がしたので窓の方を見た。 鳥が一羽木の枝に停まっていた。 声をかけようとしたが僕と目が合うと首を傾げ直様何処かへ飛んで行ってしまった。 見えなくなった鳥の残像に夜が明けたことを知る。彼ら、鳥や夏に啼く蝉は規則正しい生活を送っており、いつも4:30頃に朝を告げる。これは僕が35年間生きてきて身につけた知恵のひとつだった。 一晩中降っていた雨はいつの間にかあがり、雨樋に吸い付く雨粒の残滓が朝日に照らされていた。窓を開ける。3日ほど前から急に重くなったように感じる。

【転折】

読み止した本が重なりすぎて部屋の隅で瓦解した。 新しい本棚を買おう買おうと思いながら気づけば半年以上が経っていた。 さして焦りもせずどうにか格好のつく具合に本を積み直す。 もはや柱や床、壁といった部屋を部屋として確立させる要素として本が存在している。 節々の背表紙に目が止まる。 この本はどんな内容だっただろうか。 著者は...そうか、この間亡くなったな。 そんなことを回顧する。 本とは不思議なもので人間より賢い。 本来であれば、どんな人間も辿り着けないような叡智を宿している。

【追憶39】 暇そうな店員の手慰みに話しかけられるのが鬱陶しい。 こっちは買い物で忙しいんだ。 お前は仕事しろ。

【追憶38】 秋の匂いが好きだ。草木の燃えているような切なさを内包した匂い。 紅葉とは、生命の燃えることを云うのだと私は思った。

【追憶37】 理論を学ぶ。具体例を通して上手いこと当てはめる。 面倒くさくなる。こんなんエモーションじゃ!と開き直る。 新しい何かを生み出す。 それだけじゃだめだと理論を学ぶ。 これを守破離と呼ぶ。

【追憶36】 サプリメントや野菜ジュースのパッケージに書かれた"○○足りてますか?"の文言を見ないと自分の栄養状態の不足に気づけないような人間たち。

【簡易的動作論】

毎日同刻、同じ道を同じように歩く。 それは、世界をプログラム通りに動かすのに不可欠な動作であり世界滅亡を防ぐ役割を担っている。 無論それは、私だけに限らずこの世界全てが個々に与えられたプログラムを実行している。 世界の安寧は他ならぬ世界が担っている。 いつものプロムナードで昨日はなかった小石を見つけた。私は不意にそれを蹴り転がした。 すると私の後ろから来た自転車がそれを踏んでしまいバランスを崩した。 乗っていた少年は、どうにか立て直そうと舵を切るがそのまま車道に飛び出す。 そ

最中しいたけ座談会♯11

こんちゃ。最中です。 最近度々上がりますが、単純に暇なだけです。 9月になりまして夏の馬鹿熱も少しは安らいだように感じます。 どういう訳か、夏休みもあとわずかとなりました。結局何も残さずに終わりそうです。 人生ってそんなもんですよね。 しかし、少しでも着実に今日を良きものにしようと足掻いています。 インスタで少しずつ弾いてみた上げてみたり。 ウォッチリストに入れたまま見ずに終わっていたドラマや映画を消化したり(コンテンツの消費は自分が動かなくても一定の達成感を得られる幻覚

【0】

秋と云うには暑すぎる世界で海原のような空が綺麗に映った。 今年はどれほどのひぐらしを聴いただろうか。 花火の音色を聴くことはなくなった。 向日葵を見かけることもなくなった。 代わりに僕らはさして必要でもないお金や利便に満たされるようになった。 棒のついた氷菓子は少なくなったし、スイカを食べる余裕もない。 欠落した情緒は必然とし訪れたことのようだ。 ああ、夏が終わった。

【追憶35】 「辛いこととか自分の無力を感じた時は出来るだけ明るく悔しがった方がいい。」

【追憶34】 2kgの氷袋を買い込んでコンビニを後にした青年たちの背中にはこの後待ち受けるBBQか海水浴への興奮と期待が詰まっていた。

【追憶33】 写真は確実な過去を映し出すのに適している。 映像を持たない文には、空想の膨らむ無限の可能性があるが、確かにそこにあった時を刻むことに関しては写真に到底及ばない。

最中しいたけ座談会♯10

こんちゃ。最中です。 くっそ暑い夏がやって来ましたね。 毎日がエブリデイ暑い。頭悪いな地球。 最近僕が思うことを思いつくままに書いていきます。 24年も生きていると徐々に個人個人の人生が持つ指向性が現れてくるのを感じています。 興味関心、価値観、趣味、仕事、得手不得手、持病、思想、夢。 色々なことが人によって違う。 子どもの頃からそうなんだけども、歳を重ねる分その指向性は顕著に感じます。 そして、それらは生まれ持った環境やこれまでの習慣に依存しがちです。 僕にとっては、当

【夏化の畔】

風鈴の残る駄菓子屋の軒で雨やみを待っていた。 悪鬼のように隆起する黒い入道雲の横腹を見上げながら、リリーは鼻歌を歌っていた。 その歌がなんの歌だったかどうにも思い出せなかったから僕がその曲なんだっけ?と聞くとリリーは、いたずらっぽく教えな~いと笑う。 年季の入ったフリーザーの排気音が不規則に唸る。 それに呼応するように遥か向こうの空で稲妻が光った。茹だるような暑さを雨が冷やしていく世界は妙だ。ジメジメとした大気と裏腹にその情景は心地良さを感じる。およそ、感じる機会の少なくなっ

【追憶32】 昔ながらの根性論とか縦社会序列を毛嫌いしながら、体壊すまで働くことを美徳としている 支離滅裂なあいつはどうにも救えないと思う。

【追憶31】 吹き替えで見るのは邪道だと云う奴が嫌いだ。