【簡易的動作論】

毎日同刻、同じ道を同じように歩く。
それは、世界をプログラム通りに動かすのに不可欠な動作であり世界滅亡を防ぐ役割を担っている。
無論それは、私だけに限らずこの世界全てが個々に与えられたプログラムを実行している。
世界の安寧は他ならぬ世界が担っている。
いつものプロムナードで昨日はなかった小石を見つけた。私は不意にそれを蹴り転がした。
すると私の後ろから来た自転車がそれを踏んでしまいバランスを崩した。
乗っていた少年は、どうにか立て直そうと舵を切るがそのまま車道に飛び出す。
それを避けようとした4tトラックがハンドルを切り隣の工事現場に突っ込む。
そこでは最新の電波塔を作っていた。
足元のクレーン車にトラックが突っ込み、全てがドミノ倒しになってゆく。
果ては完成途中の電波塔が傾き、こちらに向かい倒れてくる。
ほら、バグを見つけたから世界が終わる。

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