「Barbie」を観た感想
うちには赤ちゃんがいて、映画館には行けないので、動画コンテンツをAmazonプライムで購入しました。※ネタバレあります。
想像していたかわいくて、ポップな世界やストーリーとはまったく別物でした。けれどワーママになってからこの作品に逢えてよかったです!!
変テコバービーの家での、グロリアの訴えに共感して私は泣いてしまいました。女にだけ「痩せたいでも、健康的になりたいと言え、美しくあれ、でもおしゃれやりすぎるな…、えらくなれ、でも威張るな…、いい母親でいろ、でも仕事もしろそして家事は手を抜くな…」などと矛盾した社会の要求がありますよね。
そういった社会からの理不尽な期待とか、要求に無意識に潰されそうになっていたんだなと気付かされました。
子どもがいながら働く、そして良き妻、同性からもリスペクトされるようにキラキラママでなければいけないって、日本社会は押し付けられている気がします。仕事も育児も家庭も完璧であることが理想で、それができない人はイマイチ…みたいな。
子どもむけの映画なのかな、と思いきや大人向きで、ゴリゴリのフェミニズム映画でした。旧態依然の考えの人、おじさんにとっては面白くない映画かもしれません。
BarbieとKenの関係性も、KenはBarbie landに留まり、Barbieは人間に。めでたく結ばれるではなく、普通に別々の道を歩んでいて面白いな…と思いました。必ず男女は結ばれるオチにしていないところも面白いと思いました。
Kenがちょっとおバカキャラなのが面白かったです。Barbieが不在の間に、Barbieのdream houseを男の趣味ゴリゴリに改造したKen's mojo dojo casa houseを作ります。このハウスの名前がださくて笑ってしまいました。
新しい時代の映画だな、と思いました。ただ、映画のPR部隊が頭が悪いですね。バーベンハイマーのようなミームが作られてしまうような立ち回りをしたのが本当に残念だったなと思います。戦争や原爆への軽い考え方、配慮のなさが透けて見えて残念でした。
個人的には、冒頭の「2001年宇宙への旅」のオマージュはいらなかったんじゃないかと思います。小さい女の子が赤ちゃんの人形を地面に叩きつけるシーン、観ていて辛かったです。言いたいことはわかるけど、あそこまで暴力的な行動を子供に演じさせなくてもいいのでは…と思いました。