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仲良くなるのが怖い

(2年前の下書きにあった溜まっていたお話。)

「なんか、仲良くなるのが怖いんだよね…」

大学に入って、いちばん仲良くなった友だちに
わたしが言った言葉。

彼女とは、所属する学生団体が同じだったことが
きっかけで仲良くなった。
大学2年の夏からだから、友だち歴はまだ2年。
大学は同じだが、学部は違う。

彼女は、生徒会長とかをするタイプで、
周りに気を配ることができて、
大勢でいるとお母さんみたいなポジション。
知り合った人間の中で最強にせっかちで
声が大きい(笑)。
いつも私を引っ張ってくれて、
ダメなときはちゃんと叱ってくれる、そんな人。
2人とも食べることとお酒を飲むことが大好きで、毎週のように遊んでは食べて飲んで話して、一緒の時間を過ごしていた。

わたしたちは、お互いを分析することが好きだ。
お酒が入って語るようになれば、
いつも今考えてることやこれまでの自分史を
話して、お互いを知ろうとしていた。
わたしはそれが楽しかったし、
彼女がわたしの事をお見通しなのも嬉しかった。
だけどたまに、それが嫌に思うときもあった。
嫌というか、怖いと感じる方が
正しいのかもしれない。


これまで、わたしは、人間関係において
絶対的な2人組!みたいな人が
できたことがない。
思い返してみれば、小学校も中学校も高校も、
決まって仲良しな子はいなかった。
人見知りをするわけでも協調性がないわけでも
ないが、固定で仲良しな子をつくるのは
なんだか面倒に感じていた。
だから、基本はいつもひとりでいて、
好きなときに仲良くしたい子のところにいって
一緒にいた。
とにかく、広く浅くの人付き合いを
してきたわけだ。


彼女と仲良くなるのが怖いと感じたのは、
上手く言えないけれど、自分の中の彼女の存在が
大きくなっていると思ったからだ。
それと同時に、彼女の中のわたしの存在が
大きくなっていると思ったからだ。

だけど彼女に伝えたら、
「それはおかしい。よく分からない。」
と言われた。
今どき、ググれば何でもすぐ出てくる。
わたしたちは、酔った勢いですぐに調べた。

『仲良くなるのが怖い』

知恵袋、心理学についてのブログや、
カウンセリングのサイト、どのサイトにも、
この言葉がヒットした。


『回避依存症』

はじめて聞いた。

調べてみると、
「他人と深い関係を築くのを回避する人」
だという。

わたしのことだと思った。

原因は、親子関係が挙げられるとあった。
「過干渉・過保護な親」だと。

ちがうと思った。まさかと思った。

過干渉な親について調べた。

わたしと母親のことだと思った。

"普通"だと思っていた
わたしと母親との関係、
わたしの母親に対する感情が、
"普通"ではないと気づいた。

育て方に正解はないとは思う。

だけど、わたしが抱いていた母親への違和感の
謎が解けた気がした。

母親への罪悪感もありつつ、
自分の心が少しだけ解放された気持ちになった。

親子仲良くしなければいけない。
産んで育ててくれた母親のことは
大好きじゃなければいけない。
それは、正しいかもしれないけれど、
わたしにとっては理想でしかない。

これからわたしは、
母親との関係から生まれた
この「回避依存症」と上手く向き合って
人付き合いをしていく。

これに気づかせて理解してくれる彼女からは
逃げたくないと思っている。

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