ライフプラン、3つの『赤字』を考える
3つの赤字
家計全体の赤字には『3つの種類』があります。
ライフプランを組むと赤字が出るご家庭があります。
肌感ですが、6割ぐらいのご家庭は何らかの形で赤字になっています。
ただこの『赤字』は非常に曲者です。
どういった性質の赤字かを整理していないと徒に不安になってしまったり、適切な対策が取れなかったりします。
今回は、3種類の赤字とそれぞれの対策を整理していこうと思います。
赤字のご家庭が悪いと言いたい訳では決してありませんのでご了承ください!
現状を分析して対策する大切さをお伝えするために書いています。
※今回ご紹介する全てのケースは、このnoteのために作成したサンプルです。
※短期的な赤字ではなく、貯金が尽きることを「赤字」と定義しています。
1、現役世代に訪れる赤字
上記の表の緑色の部分が貯蓄の残高で、これが0万円の線よりも下にいくと『赤字』になる、という見方です。
この画像のご家庭では、49歳時点で赤字になっている、と読み解くことができます。(赤丸で囲まれた部分が赤字になっているところです。)
この世帯主における49歳は、何の年かを推理します。
ピンときた方も多いのではないでしょうか。
お子様の進学です。
お子様が私立大学に進学し、仕送りを行うと、その間に貯金が尽きてしまうという試算です。
私立大学に行くためには、奨学金を借りるか、生活費をアルバイトで稼ぐかをしなければならない、という将来が見えます。
このように現役時代に赤字が訪れる場合は、主に2つの考え方で対策を取ります。
①収入を増やす
収入を増やすために、転職や現在パートの妻の正社員就労、副業も検討します。
②支出を減らす
支出を減らすためには、日々の生活費の見直しです。
つい出費が大きくなっているご家庭の特徴として
「今月は○○があったから特別お金が出ていって」
「去年は○○があったからお金が貯まらなくて」
という言葉を多く伺います。
断言します。
そういう特別出費のイベントは、将来に渡ってそんなに減りません。
家電も車も壊れるし、冠婚葬祭も一定数発生します。
特別な出費込みで支出を管理することが大切です。
また現役世代に赤字になってしまう場合には、ブレがある運用の優先順位は高くありません。運用については生活を守るための貯金が出来てからご案内するようにしています。
まずは、目の前の生活の改善が最優先です。
2、老後に入ってすぐに訪れる赤字
続いては、現役世代は赤字になっていないものの、67歳以降赤字になっているご家庭です。
日々の生活費に対して年金が足りていないパターンです。生活費に対して年金が足りていないのは一般的です。
国の方でも所得代替率を62%に設定しているので、足りなくて当然なのです。(将来的には所得代替率が50%になる予想が立てられているので、現役世代は今よりも不足する可能性が高いです)
所得代替率
年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合か、を示すものです。
(厚生労働省HPより)
話を戻して、このご家庭の課題は足りていないのに準備がない点です。
現役世代に資産形成できないままでいると、老後になってすぐに赤字になります。
「いやいや、老後になったら年金の範囲で暮らすよ」と思った方がいたら、
老後にいきなり生活レベルを落とすのをリアルに想像してみて欲しいと思います。ある一定期間生活レベルを落とすのと、65歳以降生きている間生活レベルを落としたままでいるのとは全く訳が違います。
このような赤字への対策は、
生活レベルを収入に見合ったものにすることです。
収入をあげることも大切です。
しかし老後すぐに赤字になる方の多くは、
収入が上がってもその分を新たに使う傾向があります。
余談になりますが、自分自身一時期仕事がうまくいきお金が入った時期もありました。毎日シェフのお任せで食べる、みたいなことをしてお金はあっという間になくなりました。今考えても、当時何考えてたのか本当恐ろしいです。
今生活がカツカツでない方で、このような赤字の形になる方は、生活に見合った支出に戻すことが大切です。
一部のインフルエンサーが「貯金するな」「経験に使え」と言っていたりします。確かに一理あると思います。
しかしインフルエンサーは、誰かがその言葉を信じて老後貧しい生活を送ったとしても責任を取ってくれません。
僕はお客様の人生に責任を持って仕事をしたいので、赤字の時は「このままいくとどうなるか」をきちんとお伝えするようにしています。
3、老後の後ろの方の赤字
老後すぐにではなく、80歳以降に赤字になるケースです。
現役時代にきちんと家計管理が出来ていて、貯金も積み上っていても、長い目で見ると赤字になる可能性があるご家庭です。
このご家庭の対策は、
①資産運用
投資信託や個別株、ETF、金、不動産、暗号資産などを用いての運用を検討します。ポートフォリオの1つとして解約返戻金のある生命保険を持つのも手段として有効です。
このあたりのバランスは、ご家庭ごとの状況(夫婦の年齢差や現在保有している資産)やリテラシーによります。
②70歳まで働く
赤字の幅にもよりますが、仮に一生涯の想定赤字累計額が1,500万円だとした場合。
65歳から毎年300万円の手取りを5年間確保できればいい訳です。
70歳まで働くことで赤字は解消できるかもしれません。
①と②を組み合わせて、目標とした資産が積みあがれば赤字は解消できます。
まとめ
赤字になることが分かるのは、悪いことではありません。
将来経済的に困る可能性があるのは、
赤字になるかどうかが分からないこと、
赤字になるのが見えていて対策を後回しにしていることです。
現役世代の赤字
①収入アップ
②支出の見直し
老後に入ってすぐの赤字
①収入に見合った生活レベルに戻す
老後でも先の方の赤字
①資産運用
②働ける期間を延ばす
解決する順序は「現役世代の赤字→老後すぐの赤字→老後の先の赤字」の順番です。特に、若い方であれば老後までの期間が長いので様々な手段を講じることができます。
ご自身のご家庭がどのタイプの赤字であるかを分析し、適切な対策を打つことが大切です。
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