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彼と私、冬型の気圧配置

寒い日が続きますね。
東京では昨日、今年初めての冬日を記録しました。そして今日も冷え込みました。みなさまにおいては、風邪をひくことがないようお気をつけいただけますと幸いです。
そして、今日もダメな彼氏の話で恐縮ですが、お付き合いよろしくお願いします。

今朝、マンションのエントランスから外へ出る時のことでございます。自動ドアが開き、数歩も外へ踏み出したところ、彼は首を左右に振ってみたり、時にぐいっとのばしてみたりしました。

「キリンの物まねかしら?」
聞いた私がいけなかったのです。
「どういうこと?」
彼が聞き返してきます。その間も四方に何かを探すように首を動かしていました。
「首を動かしているから…」
「なんで僕がキリンの物まねなんかしないといけないんだ。大体こんな極寒の地でキリンが生きられるわけがないだろう」
「では何をしているのかしら」
「これは東京の寒さじゃない」
「東京にしては冷え込み過ぎかしらね」
「僕らは何かの手違いで北極に飛ばされたんだ。あの自動扉は北極へのワープの扉で、いま僕らは北極点からほど近いところにいるんだ、だから」
「だから?」
「シロクマがいるんじゃないかなって」
「…」
「シロクマは嫌いかい?」

どうしてこんなにバカなんだろう。なんて独りよがりなボケをするんだろう。なんで私は凛と冷えて澄んだ朝の街を、こんな男性と肩を並べて歩かなくてはいけないんだろう。いろんな思いが、無造作に放り込まれたドラム式洗濯機の中の古い衣服のようにぐるぐるとまわる。

彼を擁護するなら、これは彼なりの寒さへの適応の試みなのだろう。少しでも寒さでネガティブになる感情をポジティブにするために、私たちのすぐ近くに駅へと向かう同じマンションの住人たちが何人もいる歩道で、すべての人の耳に届くように「シロクマは絶対にいるよ」などと言うのだろう。

まだ彼と付き合い始めたばかりのころ、たいていの浮かれ期間カップルがする質問を私もした。「私のどこがよかったの?」彼は少し考えてこう答えた。「冬の寒い日もキリっとしてるのがいいなあって」。

彼はシロクマとペンギンとヒグマが好きだ。寒さに強いからだ。寒さに強い生き物を尊敬している。youtubeでシロクマ動画を見ては「すごいなあ」「えらいなあ」「かっこいいなあ」と言っている。

でも彼がけりさんを尊敬しているのは、けりさんが札幌という寒い土地に暮らしているからではない。その辺の理由はこちらに詳しく書いているので、良かったらお目通しください。

そして今夜、彼が監督をつとめているMOMOリーグの大会にけりさんが出場する。MOMOリーグについてまだご存じない方は、ぜひこちらをご確認ください。

昨夜彼のチームから出場したまこちゃんの勝利が感動的だったからというわけでは決してなく、何かうまいことこじつけて彼を貶めることができるようなきっかけが欲しいから、私はけりさんの勝利を強く望む。

「けりさんは対戦中にマップに出てくるクマに気を取られたり目を奪われたりせずに集中しているから勝てたのよ、朝からシロクマとか言わないでよ恥ずかしい」みたいなこじつけがしたい。

ぜひみなさんにもけりさんを応援してもらいたく、対戦の模様が放送されるyoutubeチャンネルを貼ります。本日(1/26)21時配信開始です。けりさんへの応援コメントもどんどんお願いします。

今朝、寒さではなく恥ずかしさで震えた桃子より

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