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少年院 №10 考査寮 ~地獄の訓練~

 昨夜はなかなか眠れなかった・・・。まして、21時に眠りに付くのはそう簡単には慣れない習慣だ。朝は、7時にはクラッシックの音楽が流れる・・・。心地よいとは言えないが、これが目覚まし代わりだった・・・。

「起床~!!」

法務教官の声が鳴り響く・・・。俺は眠たい目をこすり布団をたたみ。囚人服の様な縦じまの寝巻きを脱ぎジャージに着替えて、すぐさま部屋の掃除を始める。兎に角、少年院のしおりにあるタイムスケジュール表の通りに行動した。年少に来る奴らは、鑑別所での生活が活きる事をここで始めて知るだろう・・・。決して鑑別所での暮らしは無駄ではなかった・・・。隣の部屋からも同じように、慌しく掃除する雑音が響いてくる。掃除が終わると朝食だ。その後、一般寮は出寮して作業に入る。が、考査寮と呼ばれる俺達新人達は、新人教育を受ける事になる。しばらくすると部屋の鍵が空けられた。

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