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ブルーインパルスが医療関係者のために都心上空を飛行したのは的外れなのか?

対コロナ医療従事者に敬意を表し、航空自衛隊のブルーインパルスが都心上空を編隊飛行した。

東京の真ん中をブルーが飛ぶことは滅多にない。過去に東京上空を飛んだのは東京オリンピックの時と、国立競技場お別れイベントの時のみと、今回で史上3回目というレア中のレア行事で、一航空ファンとしては大変驚きつつもおおいに喜んだ。

エールとブルーインパルス

ちなみに先月末、アメリカでもNY上空をアメリカ空軍のアクロバット飛行隊サンダーバーズと海軍のアクロバット飛行隊ブルーエンジェルスが医療関係者向けに飛行しており、その時は「サンダーバーズとブルーエンジェルスが同時に見れるなんてめちゃくちゃ羨ましい!!!」とテンション上がった。

アメリカらしいなあと思った。アメリカではNY上空の飛行機を眩しそうに見上げる病院スタッフが拍手を送っていた。

そして同時に思った。

こういったイベントは日本ではできないんだろうな……。

「都心上空で万が一事故って墜落したらどーすんじゃ!」とか、「そんな金使うなら他にまわせや!」とか、「(なんとなく)不謹慎じゃね?!というような反発が必ず出るからだ。

世論の大半が、戦闘機(ブルーインパルスは正確には練習機)を飛ばすことをエールとして受け取らないだろう、というのが個人的な認識だった。

ブルーインパルスが東京を飛ぶ!

そこにきて突然の今回の発表。純粋に喜んでとても楽しみにしていた一方で、不安でもあった。

先程あげたような反対意見がTwitterに溢れたり、ニュースで取り上げられる際に「ブルーを1回飛ばすのに○○万円かかるから無駄であるうんたら…」と、税金無駄使い指摘されたりしたら悲しいなと思ったからだ。

ところが、蓋を開けて見れば、各局のニュースの取り上げ方も、ニュースに付くコメントも、TwitterやFacebookにあげられる一般市民の声も、驚くほど好意的だった。みんな素直に喜んでいた。

特に嬉しかったのは、ニュースの中に医療関係者が一斉に空を見上げて笑顔になっていた写真があったこと。ちゃんと届いていたのだ。

とは言え、やはり中には予想した反対意見も上がっていた。医療従事者の中には「忙しくて空見上げる余裕なんてない」というのもあったし、「まったくもって無意味であり的外れな応援だ」という辛辣な意見もあった。

受け取り方は人それぞれだと思う。人によっては「轟音うるせーよバカ!」と感じるだろうし、「近くて怖い」と感じる人もいるだろう。「飛行機なんて見たってなんの励みにもならない」という人も必ずいる。

そう感じるなら、今回の飛行は「完全に無駄」と思うのは仕方がない。受け取り方はその人の主観なので、全員が喜ぶことはないと思っている。

それは理解した上で、私個人的には今回東京上空を飛行したのは大正解だったと思う。

それは、シンプルに人を笑顔にしていたから。

医療関係者だけでなく、大人も子どももみんなで空を見上げて同じものをみて笑った。

おそらく、一緒に笑ったその瞬間、他人だと思ってた2m隣の人を「友よ!」って思ったはず。6機揃って一糸乱れぬ編隊を組んでいるのをみて、「よっしゃみんな一致団結でコロナ撃退しよう!」と少なからず思っただろう。

誰かに感謝を伝えよう、励まそうとした時、その行為がもしかしたら邪魔になるかも知れないと躊躇することがある。今回のように人の命に関することの場合、下手なことしないようにと判断しがちだ。

しかしながら、やっぱり「ありがとう」という気持ちは伝えたほうがいい。現金や物資と同じように人に力を与えるから。

今日わたしは久しぶりにブルーを見た。やっぱり感動した。

ブルーインパルスからの秘密のプレゼント

私は当日埼玉近辺で見てたのだが、最後に途切れ途切れのスモークをだしていることに気がついた。

「これは、なんだろう?」

そう思って調べたら、モールス信号で「ありがとう」と伝えていたのだそうだ。

こっちがありがとうだ。ブルーを見たことなかった母も一緒に見て喜んでいた。いいことあるかも!とかなんとか。

今回何が言いたかったのか?というと、空自のブルーインパルス超かっこいいでしょ?!!ってことだ。

↓いつかの航空祭で撮ったブルーインパルス

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航空祭で飛行するブルーインパルス