見出し画像

こんな人生になろうとは

テーマを探していたら、マイナビ転職さんの #わたしの転職体験 というお題があった。転職族なので、転職にチャレンジしようと思っている方へ贈りたいと思う。

今年で社会人歴10年目。現在、働いている会社は3社目。
新卒で1社目に入社した時は、こんなに転職するとは思っていなかった。
なぜなら、その会社で一生働くんだろうと思っていたから。
私の父は高卒で40年以上同じ会社で働いている。そんな姿を見ていたから、それが当たり前のような、美徳のような感じがしていた。会社に対して誠実というか、忠誠心というか。

新卒で入った会社はとても良い人間関係に恵まれ、厳しいながらも大切に育てていただいた。
「席を立ったら椅子を入れなさい」「就業時間前にPC電源は入れて、時間になったらすぐに仕事を始められるようにしなさい」等、すっごく細かいなと思ったが、社会人とは何たるものか、会社とはどういうものなのかなど考え方をも一から教えてもらった。
本当に感謝だなと思って、恩返しできるように成長していきたいと思っていた。

しかし、その思いも時が経てば忘れがちになり、苦しくなることが多くなった。上司が私に期待してくれている分、求められる水準も高くなり応えらえないと強く𠮟責されたり、呆れられたり。
当時の私も本当に真面目っ子(基本、優等生ちゃんとして生きてきたから)で、応えられない自分が悔しくて悲しくて辛くて。泣きながら帰ったことも数知れず。でも仕事内容は好きだし、自分の訓練されている時期なんだ!と前向きに捉えようと何度もと思った。

が、それも限界を迎える。
ミーティングの度に胃が痛くなり、胃薬が手放せなくなる。朝、服を着替えて荷物を持って靴を履いてドアに手をかけたところで、家から出られなくなった。真面目っ子ちゃん(2回目)の私にとっては急に休むなんて普段はしないが上司に勇気を出して「体調が悪いので休みます」と電話した。
そんなことが何回か繰り返し、これはヤバイぞと。身体にまで支障をきたしだしたら、これはもう限界だ。
そこではじめて”転職”を考える。

これって逃げなのかな・・・?
その不安がずっとあった。知り合いの方と話していて、「これって逃げなんですかね・・・」と聞く。きっと「逃げじゃないよ。自分を大切にしなよ」って言ってほしかったんだと思う。誰か背中押して~って。
けど、その人が言ったのは「次の環境で同じようなことが起こったら、今回環境を変えることは逃げだったということだね」。背中は押してくれず、その言葉がグサッと私の心に突き刺さったのだった。

その言葉を胸にしながら、葛藤しながら、悩んで悩んで、辞めたあとどうすんの?生活していける?自分に何がある?と模索しながら、一年が経った。
とにかく実家(飛行機で2時間以上かかる超田舎)に帰り、転職することに決めた。

6年間育ててもらった上司に退職を伝える時が一番苦しかった。厳しいことをたくさん言われたけど、その分、期待してくれていたから、結果、その人の方が落ち込んでしまって。
でも皆さん温かく送り出してくれて本当にありがたかった。たくさん「ありがとう」「がんばってね!」と言葉をいただいて、結局、最後に自分が真面目に働いてきたことがこうやって表れるんだと思った。ここで、働く姿勢として”誠実が一番”ということを学んだ。

長くなったが、ここからが本チャン。
実家に帰ってから有給消化と失業手当で3か月ゆっくり身体を休ませた。その間、ちょうどラグビーワールドカップの時期で父と旅行がてら地方へ観戦に行けたのもよかった。

次の仕事はせっかくだから興味があった司書をしようと考えていた。司書は薄給だし、田舎では求人も多くないし、今からじゃ公務員試験も年齢的に無理だし・・・と安定大好きな人間からしたら恐怖でしかない。
でも、いつ死ぬかわかんないし、もうすでに死ぬ思いで勇気出して退職したんだからどうにでもなれ!と思ってチャレンジすることにした。実は学生時代に病気で「末期です」と言われたことがあった(結果、克服して元気な身体を手に入れた)。だから、“いつ死ぬかわかんないし”というのはリアルな体験として思っていたのだ。

別にお金足りないならダブルワークすれば良いし、求人も出るまで他の仕事しても良いし、民間企業が運営してる図書館もあるから公務員無理でもよいし!どうにでもなるなる!(と思い込むのに必死)
前職の時に通信教育で資格を取ろうと入学したが、退職まで怒涛の仕事をこなし引継ぎに引っ越し準備、挨拶回りと多忙すぎて結局、手つかず。

別の仕事をしながら資格を取ることに。
近くにゴルフ場があり、求人には「朝6時から勤務」と書いてあった。めちゃくちゃ早いなおい!と思ったけど、フルで働いても午後は時間が空く。そこで勉強しよう。しかも図書館って接客もあるし、バイトでも接客経験ゼロだった私には接客経験を積むベストな職場やんと思い、応募。
見た目清楚できちんと感だけはお墨付きの私は、「フロント向きだね」とすぐに採用。初めてホテルのフロントみたいな制服を着て、今まで会社で制服は無くてちょっと憧れてたからそれも叶えられた。

ゴルフ場のフロントは、慣れないことばかりだった。
会員さんの名前と顔を全く覚えらなかった。どれも同じおじ様に見える。お客様の冗談にうまく切り返せない。
ここで同僚の仕事が非常に勉強になった。私の上司は年下だったが、接客歴は長くて切り返しがうますぎた。彼女が言うとキツイ言葉もキツく聞こえない。お客様は喜んでいて、ついでにお土産も買わせる話術。他にもいつも笑顔で優しく対応しているスタッフや、長年やっているからこその関係を築いているスタッフなどそれぞれに様々な特徴があった。そして、そのそれぞれのスタッフに“ファン”がいるのだ。お客様ってそのスタッフが好きになってリピートしてくれるのも一つあるのかもしれないとここでも学んだ。

しかしここではお局さんに目を付けられてしまい(基本、自分がミスしたのが悪いので何も言えない)、舌打ちされたり、無視されたりした。その人とシフトがかぶると緊張して手が震え、またミスを繰り返し始末。
それでも少しでもミスを減らせるよう、毎日家で仕事メモを更新し復習する日々。
仕事ではそのお局さん(私は魔王と呼んでいた)をシフトが重なる日は「決戦日」であり、日々の努力を試す日となった。勝利か、敗北か。
勝利する日が多くなると緊張もしなくなった。そんな時、魔王が部署異動し、いなくなったのだ。それを見て、ああ~自分の苦手な人とどう対峙するかを教えてくれた人だったんだなあということに気づいた。自分が克服する術を身に着けた瞬間にいなくなったのだった。魔王よ、ありがとう。

そして、無事資格取得し、ありがたくも「社員にならない?」とのお誘いもいただいたが、せっかく資格をとったので司書の道へ(資格取得は地獄のようだった、甘く見ていたよね)。
面接では、受付された方とお話して質問したりしていたら、面接前に「それは良いところだからアピールした方がよい」と言ってくれ、実際に面接中にアピールできた。「体力はある?」「接客経験ある?」「前職で何か苦労したことや達成できたことはある?」等聞かれ、前職で頑張ったこと全てが活きた。

結果、採用していただき、今に至る。
ここで思い返すのは、あの知り合いの方のお言葉。

次の環境で同じようなことが起こったら、今回環境を変えることは逃げだったということだね」

今思うと、同じようなことは起こっていない(今のところ)。ということは、あの時の選択は逃げではなかったのだと思う。
というより、自分が逃げにさせなかったんだと思う。
それよりも新たなステージに行くたびに、新しい出来事とか敵とか学びが出てくる。敵は最終的には敵ではなくて、自分の糧となるものというかんじ。
自分もたくさんの職場や同僚やお客様を見て、受け皿が広くなった気もする。自分を縛る「真面目っ子ちゃん」もだいぶ緩くなった気がする。

転職は、勇気のいることだしエネルギーもめちゃくちゃ使う。
これって逃げ?と思うかもしれないが、それを逃げだったことにするかしないかは自分の受け止め方次第。
仕事はたくさん世の中にあるし、今の社会はどこも人手不足だから、何でもやってみればいい。とにかく行動したら何か変わるのは間違いない。

それが、とりあえず今のところうまくいってる #わたしの転職経験 。

#わたしの転職体験


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?