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読書日記:七色いんこ 復讐の形

 私から見た七色いんこは愛する人に捧げた復讐劇でした。

 1話目で千里刑事はいんこに一目惚れします。
いんこが財界のキング鍬潟隆介の息子、鍬潟陽介であることを千里刑事に指摘されることにより判明しますが、この時の千里刑事はいんこの目的までは知ることができませんでした。

 七色いんこの物語は、各話いろんな劇がモチーフされていて私は夢中になりました。

 日常的にいんこを演じ続ける陽介は、ストレスから抑鬱性幻視症、心身症を発症します。
 当時の私は「いんこの頭がおかしくなった」と悲しくなりました。
しかし幻覚も幻聴も経験した今の私なら、精神的に良くないだけだと理解できます。

 陽介はそれでも目的の為にいんこであり続けました。

 また、いんこは代役専門の泥棒役者ですが、大金を盗むのに贅沢な生活はしませんでした。何故こんなにお金が必要なのかも読みながらも不思議に思ったものです。
あと千里刑事の鳥アレルギーも不思議でした。

 最終話のタイトル「終幕」ではトミーとモモ子という人物が登場します。
陽介が心を開いたこの2人ついて語られるのです。
 最後まで読み切ってよかったと思えるラストでした。七色いんこ大好きです!


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