読書日記:ハツカネズミと人間 忘れなかった約束
この本は、図書館で購入リクエストがかかって購入された本で、装画がお洒落、手軽に読めそうだったことから手に取りました。
読んでみると1930年代のアメリカ、カリフォルニアが舞台になっており、主人公の小柄で敏捷なジョージと図体ばかり大きくうすのろなレニーはいつも一緒に行動をしていました。
ジョージとレニーは転々と場所を変えながら農場で働く、渡り労働者です。貧しい2人はお金を貯めて自分の土地を持ち、農業をして暮らすことを夢見ていました。
レニーはウサギが好きで、農場を手に入れたらウサギの飼育をさせてくれとジョージにせがむほどです。
レニーが厄介ごとを起こした為、ジョージと2人で次の働き口への移動中。レニーはこっそり死んだハツカネズミをポケットに隠し、可愛がっていました。
レニーは可愛がりたいウサギがいない時、代わりにハツカネズミを可愛がるのです。しかし、怪力のレニーは撫でている間にハツカネズミを決まって殺してしまうのでした。
道中、ジョージが死んだハツカネズミを取り上げて茂みに投げ捨てて言います。
「次の農場でも厄介なことを起こしたら、俺が来るまでこの茂みで隠れているんだ!忘れるなよ。」
そんな2人が辿り着いた農場でも、レニーは一悶着起こします。
もの覚えの悪いレニーですがジョージとした約束は覚えていました。
訳者解説を読んで、納得したのですがレニーは知的障害を持っているということでした。
本の題名はスコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩「ハツカネズミに寄せて」の一節から引用されているもので、この物語の衝撃的な結末をほのめかしているようです。
この詩は主に上手くいかなかった時に引用されることが多いとか。
この物語は映画化もされているのかな、原作は読みやすいし、厚みもないので是非読んでみてほしいです。
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