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考えるメモ

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本が読めない女でごめんなさい

本が読めない女でごめんなさい

本読みの人には渋い顔をされそうだけれど。わたしは、本が読めない。いや、正確には、本が読めなかった、または、本を読むということがどういう状態を指すのか理解できない、ということかもしれない。

子どもの頃から、通知表で国語はいつも5だったし、テストも大体100点。国語の教科書は、新学期にもらったその日のうちに全部読んでしまった。国語は、大好きな教科だった。

だから、「読めない」というのはウソなのかも

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心のコートを脱いでいく

心のコートを脱いでいく

昔、出版社で働く女性向けの雑誌を作っていた時に、結婚コーチングというのをやっている方がいて、お悩み相談室的な企画を担当してもらった。本職は別に結婚に限らないコーチングなのだけれど、30代の働く女性のお悩みの中には割と自分の生きづらさを吐露するものがあった。

そこで彼女が言っていたのが

「こころが厚着している女性って多いのよね」

ということ。その、こころに着せたコートを脱いでいけばいいのよ、と

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こどものかたち

こどものかたち

先日、友人がFacebookでシェアしていたブログ。

『コドモノカタチ』

このなかに、「わたしは泣かなくなった」というエントリーがあり、思わず、キュッと胸の内を掴まれるような感覚になった。

===

子どもを寝かしつけて、自分もうとうとしかけていた時、家の外から男の子の泣く声が聞こえてきた。「おかあさん、ごめんなさい。おかあさん、ごめんなさい」とずっと繰り返している。咄嗟に飴をポケットにいれ

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水底にしずむ

水底にしずむ

「水底に沈む」という表現がふと出てきたのは、自分にとって幸運だったかもしれない。

先日、「頻繁に連絡を取り合うわけではないけどすごく大切な友人」が、少し人生のペースをゆるめる期間に入ったことを知る。

それは周囲が思うほど実は悲惨なことでもなくて、自分の体に繋がっているたくさんのチューブを引き外し、ゆっくり、自分の身体性を感じながら、深い水の底に落ちていくような。

底は深ければ深いほど暗く、ど

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桜 さくら さくら

桜 さくら さくら

願わくば
花の下にて
春死なむ

西行の和歌をつぶやいたら

世の中に
たえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし

と古今和歌集から返された

古来から人は桜にその見た目の華やかさ美しさ以上のものを見てきたのですね

いやはや、春です。

ゆっくりする暇なく、毎年仕事に追われています。

[昨日今日のおしごと]

原稿資料読み込み
企画書2本作成
原稿書き 3時間ほど
広報業務 1時間

「福祉ってダサい」という人に支援を届けられるか、またはその支援は本当に必要なのかという問い

「福祉ってダサい」という人に支援を届けられるか、またはその支援は本当に必要なのかという問い

忘れられない言葉がある。

以前、新宿歌舞伎町で行われた「セックスワーク・サミット2012」に参加したのだが、その時のテーマが「風俗嬢の社会復帰は可能か?」というものだった。

そこでパネリストのひとりであり、夜の職業の女の子の支援をしているGrow As Peopleの角間惇一郎さんが教えてくれた言葉が、「彼女たちにとって、『福祉ってなんかダサい』なんですよ」。

その頃、児童福祉に連なる仕事を

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喪失感と欠如感と

喪失感と欠如感と

大切な人を亡くすことで、多くの人は、「心にぽっかり穴があいたような」と表現に代表されるような、いわゆる喪失感を味わう。

ただ、児童養護の方に関わっていた時、「虐待を受けている子や親がいないに等しい子にとっては、"喪失感より欠如感”なんですよ」と言っている人がいた。

喪う、という感覚が分からない。自分にはそもそも喪う存在がないのではないか。つまり欠如しているのではないか。

「それって、どんな感

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