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「私」の舞台・皆の「劇場」/のど自慢と某日帰りツアー📺愛燦燦

『NHKのど自慢』が好きだとは何度も書いて来た。
しかし、最近、もうひとつ、好きだなあと思うテレビ番組がある。
という話を書こうと思ったのは、
私的〝Lifework(として取り組みたい取り組んでいる)〟原稿(のうちのひとつ)に繋がる繋げるための、自分の思考整理を兼ねてもあります。

NHKのど自慢は不思議だ。不思議で、でも、当然だ、とも思う番組だ。

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なぜこの時代に、あんなにレトロな番組が毎週放送されているのか。

出たい人が居るからだろうと思う。そして観たい人、応援したい人が居るからだろう。

今の時代、人前で披露する機会や場はたくさんある。それこそSNSでも。
あ、お年寄りは使いこなせないって? うん。せやけど。そうだけど。
それだけじゃないんだろうなと思う。

テレビの前で、皆の前で。自分の好きな歌、得意な歌を。
その歌は、出演者の想いの形だ。他人の歌ではあるけれど、そこに想いを乗っける。

届けたい人(家族)がいる。
それは目の前やテレビの向こうに居たり、
まだ世の中に生まれていなかったり、もうこの世には居なかったりも含めて。
公開プロポーズだってある。
夫婦の間で口では言えないメッセージをこめての歌唱もある。
たまに素敵にミーハーに「審査員席にいる大好きな(憧れの)歌手さんへ」アピールもある。
Shall we dance? ならぬ Shall we sing?
ここは、出演者皆の、文字通り「舞台」、人生の舞台なのだ。
それも、決してスターだったりではない、「私たち」の舞台。その舞台その瞬間は主役、観客は会場とブラウン管の向こうの全人類、ここは≪劇場≫。
YouTubeみたいにすぐに数字がわかるわけじゃないけれど、
子供の頃から身近にあった「テレビ」の番組で、映される場で、「主役」だ。

トホホな人も多い、めっちゃ多い、傍から見るとツッコミどころの多い人の方が多い?! でも、皆、キラキラしてる。観るたびに、盛大にツッコミながらも、ジーンとして、眩しくなる。
上手さなんて関係ないのだ。皆チャンピオンだ。でも鐘で合否が決まるのもいい。哀愁。これぞ人生。みんなみんな主役でチャンピオン。

と、もうひとつ。

関西が誇る(いや、誇らへん)朝の情報バラエティ番組に『よ~いドン』(関西テレビ)がある。
この毎週火曜日のコーナー「いきなり! 日帰りツアー」が面白い。

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そんなオバ、失礼、朝の番組をじっくり観ることなどあまりないのだが、
毎週会いに行っているウチの90を越える祖母がお気に入りだと言うので録画して観てみたら結構ハマってしまった。

関西が誇る(いや、誇らへん)お笑いタレント、「ちゃ~」でお馴染み、
たむらけんじが朝の関西の商店街でオバ様を探すところから始まる。

「今日今から旅行行きません?」

で、めでたくオッケーをくれたオバ様が一緒に行けそうな友人にその場で電話をする。からの、びゅーん!!(と、新幹線で行っちゃう)

ランチ、観光地、ディナー、お土産もすべて番組持ち。
ランチやディナーの時にたむけんがオバ様たちの関係やお家事情やいろんな生い立ちだの思い出話だのを聞いたりもしながら、名物を食べて、観光して、お土産買って、日も暮れた頃解散、「今日はどうでしたか?」となる。

元来、関西~大阪は「芸人よりおもろいオバちゃんがおる」「会話がもう漫才」などと言われがちな土地だ。
ましてや、これまでいろんな荒波を越えて生き抜いてきた様々な「オバ様」(番組ではこう呼ぶ)たち、仲良しペアが出演する訳だ。
毎週、突然、旅に出るオバ様たちは、ほんま、ほんまに楽しそうなのが、たまらない。
たむけんさんの話の引き出し方とツッコみ方の巧さ、やさしさ、気遣いも大きいと思う。
しかしまあ、とにかく、喋る。よぉ喋る。
御友人と、たむけんと、丁々発止の会話を繰り広げる様はほんまに漫才だ。
きゃっきゃ騒いで、食べて、遊ぶ。

食事の際に「お酒よばれて(注.関西弁で「ごちそうになる」の意味)いいですか?」と図々しくなるオバ様。
友人「この人、めっちゃ呑むんです」 たむけん「呑みたなってるやーん!」

お土産を買うときになったら「財布忘れてきたわ~」とか言いだすオバ様。
たむけん「(番組が出すって)知ってるくせにー!」

ちなみに先日登場したオバ様のLINEの待受けはビヨンセだった。 

なのに。

めっちゃ騒いでたオバ様たちが、ツアーを終えて「今日はどうでしたか?」と感想を求められると、涙ぐんだりするのである。そんなオバ様が少なくないのである。

「人生で一番たのしかった」「ええ記念になりました」涙、涙。

でも、さらにこう言う人も多い。「また連絡してな、絶対な」

「このコーナー始まってからその約束したオバ様数えきれんほどおるわ俺!(笑)」

この「旅」もまた、オバさまたちの「舞台」なんじゃないかな、って思ったりするのだ。
≪私たちの舞台≫ ≪劇場≫
ケとハレと、劇場。なんて、小賢しく言うのは好きじゃないけど。

普段とはちょっと違う自分になって。
ひとりひとりの人生が輝いて。
皆、皆が、いい顔してる。

そんなことやところやものが、
こういったテレビ番組のように遠い距離感からみるとき・ことも、
自分がその場に居て皆と共に居て体感するとき・ことも、
(それこそ距離の近い劇場たちの客席などで)
私は、いつもいつも、グッときて、ぎゅっとなって、胸がいっぱいになります。

それぞれの舞台。皆が主役。皆が、キラキラ。

ひとりとして同じひとは居ないからこそ、びっくりしたり、ツッコんだりはあれども、それぞれの皆の物語が、とても尊いと感じてならない。

人生って、うれしいものですね。(愛燦燦。笑)

やはり私はそういったものを、みて、見つめていきたいと思うのです。
ツッコみながら、笑い泣きしながら、掬ってゆきたいと、改めて。
寄ったり引いたり、引いたり寄ったりしながらも、皆と一緒に、皆と泣き笑いしながら。

……なんて、まとまらないけれど。
まとまらないまま思いつつままに徒然と置いておきたくなりました。

〝「私」の舞台・皆の「劇場」〟。

写真はいつぞやの快速電車から見た夕方のえ〜ぇ空です。


■omake■
以前書いたのど自慢の話。

1年前

2年前

12年前(笑)


◆◆◆
お盆いかがお過ごしですか。暑さもマシになるかな。

いろいろ不安や心ざわざわな世の中ですが、どうぞ、皆、無理なく、気ぃつかいすぎとかもなく、らしく、たのしくあれますように!に!あー、言葉って軽くて浅くてもどかしい悔しいヤキモキ🙏

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大阪の物書き、中村桃子と申します。 
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。
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