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街は劇場

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日々すれ違う名も知らぬ皆にツッコんだりグッときたり
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#物書き

雪女 バス停で会ったあの人はきっと間違いなく

  「寒いな」   地方のバス停のベンチで さっきからちらちらとこちらを見ていた年配の女性が言った。 目を合わすと、待っていたかのように声をかけてきた。   「寒いですね」 「なあ」   夏木マリに更にプラス10歳くらい歳を重ねて 前傾姿勢にしたようなそのひとは、まだ話したそうな様子、話してくる。 バスはまだまだ来ない。   「あと6分くらいあるで」 「ほんまに。寒いですね」   かくして話す。   「雨、降らへんからまだましやな」 「あ、降らへんねや。ちょっと空あやしいです

駄菓子 仕事中の逃亡とクソガキ

仕事中に逃亡した。 近所のコンビニにである。 さっきのことだが毎回のことだ。 ちょっと行き詰まったり、 というと大ごとのようだが全くもってそうではない。 書いててスッと言葉出てけぇへんなー、 これちょっとなんか体からスッと出てへん感じやなー、 そのままごまかして書いてもええねんけど、 そうすることも少なくはないんやけど (そうせなあかんことや仕事も残念ながら少なくはないねんけど) それはそれがなんか嫌やなーそれは、みたいな時は、 歩いたり、 コンビニという雑多な場所でいろいろ

からだ 年明けのプロレスビッグマッチに人間を想う

身体。肉体。からだ。   1.2と1.4が終わった。 プロレスリングNOAHと新日本プロレスの年明けビッグマッチだ。 現地では観ていない。配信を観た。 前者は身内というか親戚の寄り合いというかごちゃごちゃ的なものから逃げれないのに逃げ切って観て、後者は仕事をしながら観た。 どちらにも特にめっちゃ好きな選手がいるかと言われたらそうではない。 どちらにも団体や会社へ思うところがありまくるというか、でも、観る。ツッコんだり怒ったりしながら観る。   例によって詳しいことは書かない、

Blowin' in the Wind 近所のちいさな本屋さんで

近所じゃないけれど近所の商店街に コミュニティスペースというかちいさな古本屋が数年前に出来た。 地域の広報誌とか、他地域などの古書店のオーナーたちが選んだ本などを置いている。 店主も居る。 けれど、日替わりで若者をはじめとしたいろんな人が店番をしているみたい。 たまに覗く。 本棚は「おっ」「ほぉ」「へぇぇ」なセレクトで、 「誰かの本棚」や「その人の好きな本」をみるのが好きなわたしには面白い。 とてもちいさな店だ。 店番してる人によっては正直入るのにひるんだりもしてしまう。 し

祭 ある本と盆踊りと人間と

若竹千佐子さんの『かっかどるどるどぅ』を読んだ。 2017年下半期の芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』の著者は 前作でタイトル通り老いた人の孤独からの「ひとりで」を選んだ生き方を描いた。 第二作目となる本作にも、同じく孤独を抱えた人々が登場する。 でも彼女たちや彼らが思ったことは選んだのは「みんなで生きる、生きてみよか」だ、と思った。 生きづらさを抱える人たちが集い、皆でご飯を食べ、たくさんの会話を交わす。 その中には戦争もコロナもウクライナもロシアもアメリカも、そして生

駅と港と劇場、鳥と桜

きのう、用事終わりの夜、大阪駅、うめきたエリアの新ホームを見てきました。 土曜日に開業したばっかりの、ネットで「うめきた新駅」とか言われているやつ。 東海道線支線(貨物線)を地下化してホームにしたところ。 顔認証改札機が導入されたことでも話題の。 あの改札機は「車、洗うやつ?」「モルカーが洗われるやつ?」とか 新ホームは「エヴァンゲリオン?」「作・庵野秀明?」とか真剣に思った。 ホームの脇には桜の造花と共に記念撮影スポットが設けられていて、 「近未来と桜花」って、え、何、何か

スピードとミカンと重ねることとラリアット

歩くのがマイブームだったから自転車はひさしぶりでした。 お天気の朝、しゃーっとペダルを漕ぐと、ふわぁーっと春の風が顔に当たって、なんだか爽快な気持ちになりました。 調子に乗ってあまりお天気の中にいると花粉でえらいことになるので、 用事を済またらすぐにしゃーっと帰ったから、往復でもものの30分ほどだったのだけれど、頭の中がちょっと楽しかった今朝でした。   10000歩あるくという話を先週つぶやいた際も書いたのですが。 歩くのと自転車を走らすのとでは、みえる景色も頭の中にめぐ

プロレス好きにも知らない人にも届けたい連載エッセイを書きました

ウェブマガジンtabistoryでの連載エッセイ「Home」最新話、 Twitterとnoteのつぶやきでアップしたところ、 早速お読みいただき、 noteに熱い嬉しいコメントを下さったりも、ありがとうございます。 ツイッターやインスタ、過去Blog、と、あれこれ書き散らしたので、 (SNSが苦手だからいろいろやるようにしています悩みながら(笑)) 今回noteでの紹介にはそれらを貼り付け、まとめておくことにします。 手抜きじゃないですよ! さすがにクドいやんなあTL荒らし

イッテンヨンにかこつけて/の、場所の話・人間の話

プロレス好きの皆さん、 今年の「1.4」はイカガデシタカ? 1.4、それは新日本プロレスのこの日のビッグマッチのこと。 私は例年通り仕事をしながらのPC前で生配信での観戦でした。 感想? 長くなるし熱くなるし色々マジ怒りだしたりもするから自粛します(笑) 昨年2022は、初・生・ドーム、出来ました。 (ヘッダー写真も昨年のもの) 「1.5」やね。 昨年は興行が2daysだったのです、遠い目(以下省略) あの後noteにも縷々綴ったよなあ。 と、今日の配信を観ながら読み返しま

「私」の舞台・皆の「劇場」/のど自慢と某日帰りツアー📺愛燦燦

『NHKのど自慢』が好きだとは何度も書いて来た。 しかし、最近、もうひとつ、好きだなあと思うテレビ番組がある。 という話を書こうと思ったのは、 私的〝Lifework(として取り組みたい取り組んでいる)〟原稿(のうちのひとつ)に繋がる繋げるための、自分の思考整理を兼ねてもあります。 NHKのど自慢は不思議だ。不思議で、でも、当然だ、とも思う番組だ。 なぜこの時代に、あんなにレトロな番組が毎週放送されているのか。 出たい人が居るからだろうと思う。そして観たい人、応援したい

ドリャーおじさんの話/皆にとっての断崖絶壁や力

「すべての人に東尋坊があるのだろう」 私の言葉じゃない。大好きなジャーナリストの言葉だ。 先日、関西が誇る(?)長寿バラエティ番組「探偵!ナイトスクープ」を観た。 これまでの「傑作選」と題して過去の神回を放送する回。 番組の代名詞のような3本が流された。 その中にあったのが「東尋坊のドリャーおじさん」だった。 御存じだろうか。 福井県の断崖絶壁、 自殺の名所なんていう呼ばれ方をしているそこから 「ドリャー!!」と叫んで飛び降り、よじ登り戻ってきて、また飛び込む! というの

それはスパイスよりもスパイス

月2回、通っているちいさなカレー屋さんがある。 仕事現場のうちのひとつである某収録スタジオの近く。 なのでこの現場の仕事がある時は終わったらひとりで行く。 思えば昨年秋から飽きずに通っている。 と、昨日気付いた。 ふらっと入ったら美味しくて、気付けば遅いお昼に寄るのがもう習慣になっている。 最近は仕事中に頭の中で思ったりする。 「他の店、開拓しょーかなー」 作家の先輩やミキサーさんに笑われる。 「今日もカレー?」 「いやー、もういっかなー、って思うんすけどねー」 「そう

【みんなの場所】あつまれオバアの森@LOTTERIA

ちょっとシャキッとしたい時、駅前のロッテリアに行く。 ロッテリアなんて全然好きじゃない。 嫌々行く。もとい、仕方なしに行く。 近所に喫茶店やカフェがひとつもないから。 ロッテリアに行こうと思うときは基本的にいっぱいいっぱいだったり、 または落ち込んでいたりテンション上がらなかったりの時だから、 電車を乗り継いで2駅先のベローチェだのスタバだのに行く余裕は全くない。 だから、ロッテリアなのである。 正確には、自宅近く、公園横に、1軒だけ喫茶店がある。 わりに美味しいコーヒーを

嫌んなるけどおもろくて愛しくて@チェーン飲食店篇

なんでなんやろう。 チェーンの飲食店に行くと かなりの割合で「店舗の様子をみにきたエリアマネージャーと従業員」なシーンに出くわします。 いつぞやの某回転寿司チェーン。 それまでやる気なく働いていた従業員たちが、 昼過ぎに突如エリアマネージャー的な人が現れた瞬間、皆、 背筋ぴーん!なって声出しを始めた。 「らっしゃいませー!!」「旬の味噌汁いかがですかあー!!」「ありがとうございましたあー!!!」 さっきまで声だししてへんかったやん。 ふと見上げたら祭壇みたいのもあった。