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医療の質改善の第一歩は、「ミッション」「目的」「存在意義」を言語化することから

「医療の質とはなんなのか?」をまとめたnoteをたくさんの方に読んでいただきました。本当にありがとうございます!

さて、今回は「じゃあ医療の質を上げるためには、どうしたらいいのか」というところの最初の最初を自分なりにまとめていきたいと思います。

病院や部署の医療の質を上げよう!となると、病院の医療の質担当者や部署の責任者の方々がまずやることは、

自分たちがやっている医療や業務のうち、何か指標が取れそうなものを探そう!

しかし、これをやってしまうと、確実に改善活動が曲がります。

なぜなら、そこに「医療の質」の定義である「医療の結果や安全性」「患者さんが治療を受けたことによって感じた価値やメリット」という視点が存在しなくなるからです。

前述のnoteでも記載したように、指標を上げることが目的になった改善を行うと、実際の医療の質が上がっていかない可能性が高くなります。

これを防ぐために、最初に行うことがあります。

それは、

あなたの病院、部署の「ミッション」「目的」「存在意義」は何か

を改めて明文化することです。言い換えると、

あなたの所属している施設、病院、部署が行なっているすべての医療・サービス・業務は、そもそも「患者さんや他のスタッフがどうなってほしくて」行なっているのか

あなたの所属している施設、病院、部署があるのとないのとでは、どんな差があるのか

という問いに答えを出すということです。

これを行うことがなぜ重要なのか。それは、

病院、あるいは部署の目的やミッションや存在意義を果たしている状態は、医療の質を向上できている「あるべき姿」だからです。

前述のnoteでは、医療の質とは

提供する医療やサービスの結果や安全性、患者さんが医療・サービスなどの治療を受けたことによって感じた価値やメリット

と定義しました。

つまり、病院や部署の目的が達成されている状態こそ、病院や部署の医療の質が極限まで高い状態なのです。

病院で働くあなたが行うすべての医療やサービスは、この「ミッション」「目的」「存在意義」を果たすために行なっているのではないでしょうか。

ここに、部署の独自性、責任者やスタッフの想いを含めて具体的に言葉にされていくことで、あるべき姿が明確になっていき、スタッフみんなの方向性がものすごく定まっていきます。

例えば、外科病棟の看護部署であれば、「患者さんが安心安全に手術をうけられること」が主な目的です。

そこに、部署責任者やスタッフの想いとして、「安心安全」とは、術後の出血や疼痛だけでなく、「手術後の生活に不安がないこと」であるという共通認識があれば、「入院し手術を受けた患者さんが、術後の生活に不安がなく、安心安全に手術を受けること」という具体的な方向性を持った部署の目的になります。

このように部署の目的を明確にすると、すべての業務、医療やサービスを行う目的が、そこにつながっていきます。

痛み止めの点滴も、術前の評価も、退院支援も、後輩への教育もその目的を達成するために行なっているのです。

すべての業務、医療、サービスを行う上で到達すべき目的が見えてくると、自ずと目的が達成できていないことや、まだまだ不十分な面が見えてくるかもしれません。

それこそが、「改善するべきもの」です。

問題点とは、「あるべき姿とのギャップ」であり、改善とは「そのギャップを埋めること」です。

「あるべき姿」が定まっていて、はじめて改善すべきものが決まってきます。

医療の質を改善するときは、まず患者さんや地域住民の方への想いを載せた部署や部署が行う業務のミッション、目的、存在意義を明文化しましょう!

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