フリーランスの天国と地獄!?リアルな失敗談から学ぶ「ご縁」の大切さ。【イベントレポート】
「フリーランス」
この働き方が選択肢の一つとして浸透してきた最近ですが、
実際のところどんな働き方なのか?
メリットは?デメリットは?
身近なようでまだまだ謎が多いフリーランスの「天国と地獄」を、岡山を代表するブロガーであり。現在は高校の地域コーディナーターとしても活躍されているやぶなおさんに教えてもらおう!というイベント。
クローズドで行われたイベントの内容をこっそりレポートしちゃいます。
ゲスト紹介
やぶなお(@yabnao)
「心に月明かりを」をコンセプトに、創業100年の老舗企業から地方行政、高校、個人と幅広いジャンルのまだ眠っている魅力を引き出し、情報発信でカタチにする仕事をしている。自身の不登校やブラック企業でのうつ病経験を活かし、ブロガー→ライター→ディレクター→セミナー講師等を経て、今の働き方にたどり着く。
なぜフリーランスで働こうと思ったのか
小中高不登校を繰り返していたやぶなおさん。
必死の思いで就職するも、そこは面接時と条件が全く違うブラック企業でした。
入社3日目で会社辞めたい…と思いつつも一年半耐え、
ある日思わず気持ちそのままにネットの検索窓に「会社辞めたい」と打ち込み出会ったのが、当時最盛期だった「ブログ」で稼いでいたフリーランスの方々でした。
「とはいってもまさか自分が同じように稼げるわけないや」
そう思いながらまたひたすらツライ仕事をするだけの日々にいったんは戻ったものの
「あと40年今の仕事続けるの?」
そう考えたときに
「大切な人に全力で向き合える生き方がしたい」
とフリーランスで生きるということを決意されました。
そこからはひたすらに積み重ねの毎日。
フリーランスで働く人にとにかく会い、最初は無償のお手伝いから必死に取り組むと、だんだん対価がいただけるように。
営業をかけるのではなく、人とのご縁を大事にした結果が仕事に繋がってきたそうです。
そんな風に「信頼」を「仕事」に変えてこられたやぶなおさんの天国と地獄とは…
3つのフリーランス天国
フリーランスになると、時間も場所もいろいろ自由…!みたいなイメージってありますよね。
やぶなおさんも夢見てフリーランスになったわけですが、実際どうだったのでしょうか?
リアルなお話を聞いていきましょう!
①昇給ハイパーインフレ天国
会社員では中々見込めない昇給も、フリーランスなら頑張った分だけ返ってくる。
やぶなおさんの2019年度と2020年度の収入比較はなんと前年比175%なんだとか!!
これは俄然やる気が出ますよね。
②無限時間天国
就業時間の規定がないのもフリーランスの特権。
好きな仕事に打ち込んでいるときは気づいたら1人ブラック企業になることもあるそうですが、
「今日はゲームをする」
「今週は家族との旅行に行きたい」
そう決めたときに仕事を調整しやすいのは嬉しいですよね。
ちなみにやぶなおさんはお昼寝をするのが好きなので、ある日のスケジュールでは3回のお昼寝を挟むこともあるんだそうです。笑
③人間関係天国
「価値観が合わないけど同じ会社だしうまくやらなくちゃ」
これをしなくていいというのもフリーランスならでは!
誰を信頼して仕事をしていくか決められるので、仕事へのモチベーションがさらにあがりますね。
実際やぶなおさんはご自身の結婚式に仕事先の方を招待されましたが、「仕事先の方」ではなく「みんな友人」のようになったのでとても思い出深いそうです。
3つのフリーランス地獄
ここまでは、フリーランスの嬉しいお話を聞いてきましたが、地獄もあったそうです。
良いことは人に言うけれども、あまりダメだったことを伝える人は少ないのかもしれません。
ここでは、貴重な失敗談をお聞きできました。
①月末金銭地獄
フリーランスはだってもちろん良いことばかりではありません。
月によって仕事量に偏りがあればその分収入にも変動があります。
やぶなおさんも駆け出しの頃はやっとの事で得た収入が家賃に生活費にと消えていき、月末には冷や汗をかく事態になったそうです。
さらに、恐ろしい話も…
国民健康保険や国民年金の切替を退社時によくわからずに放置していたため、ある年初めての確定申告のタイミングで未納金がとんでもないことにまっていることに気づき…
(一同震え上がったので正確な金額は伏せておきます)
フリーランスを目指す皆様、「お金のこと、よくわからないから後でいっかー」はやめた方がいいです。絶対に。
②怠惰激太り地獄
通勤時間がない、というとメリットのように聞こえますが、在宅での仕事は意識的に体を動かさないと本当に動きません。
実際やぶなおさんも1日の徒歩数200歩が平均になってしまいスリムな55kgからあっという間に73kgへ…
フリーランスには自分を戒めることが必要なんですね。
会社勤めの方のように健康診断の強制もありませんし、自己管理の徹底は必須のようです。
③孤独不安地獄
個人的に一番きついと思ったのがこちらの地獄。
フリーランスのお仕事はネット上で完結することもしばしばあるため、人間関係が希薄になりがちです。
ネット上では毎日おしゃべりしていても、何かに躓いたとき、不安に駆られて気分が落ちたとき、深く話せる人ってどれくらいいるのでしょう。
相手に「この人は合わないな」って思われたら、何も言われずにそのまま終わってしまうことがほとんどです。
あえて、怒ってくれる人は優しい人で、なかなかそういう人と出会う機会が減ってしまうんですね。
本当に困った時、泣きながらでも相談できる仲間
やばい時にちゃんと怒ってくれるメンター
本音で語り合える友人
を作ることが大事とのことでした。
自由な側面がありつつ、全責任は自分に覆い被さってくるのがフリーランス。
ならば思いっきりお金を稼いで人のために貢献しながら良い行いをしてみんなで天国にいきましょう!!
と最後に力強く言われたやぶなおさん。
最低限のお金を確保してあとは周りの人のために使っていく
フリーランスといえどチームを意識して行動する
そんな風に積みあげられたからこその今があるのでしょうね。
フリーランスを目指す皆様もここから積み上げて天国を目指しましょう!!
質疑応答
イベントの後半では質疑応答タイムがあり、みなさんのお悩みにお答えしていました。
Q. 人との繋がりからお仕事をもらってきたと言われましたが、フリーランスになりやすいルートはありますか?
A. 僕自身が安心だなと思う積み上げ方は、リアルの場に出てきてキーマンを見つけること。
コミュニティを持ってる人と関わっていると仕事につながりやすいと感じます。
例えば「この子かわいがってるから」とか「いつもお世話になってるから」という心の繋がりでスキル関係無く仕事をもらえたりする。
クラウドソーシングで積み上げていくという手もありますが、スキルでの繋がりは代替可能で、切ることも簡単ですよね。
だからこそ、周囲に愛される人間になっていけるよう努力すると本当にやばい時に周囲が人として助けてくれます。
Q. フリーランスとして気をつけていることは?
A. フリーランスは看板を借りてお仕事をするイメージです。
僕の仕事が、仕事をくれた人の評価・信用になるんですよ。
だから、困った時は自分で抱え込まず、相手の意向をきちんと問う事を大事にしてます。
もっというと、5000円の仕事を10000円の仕事で仕上げるとか、値段以上の仕事をすることがその人や周囲からの自分の評価や信頼になって次に繋がります。
Q. 値段以上の仕事をするの具体例をききたいです。
A. すぐできることなら、まず即レス即納。1週間の納期なら3日で仕上げるとか。
スキルでベストを尽くすのはもちろんですが、スキルを磨くのには時間がかかっちゃいますよね。
なので、スキル以外の面での細かな積み上げが大切だと思っています。
例えば、上の人の仕事でも自分で「ここまではできるな」とかできることは先にやると仕事への理解も深まるし相手にもできるなと思わせることができます。
Q. こういうのは受けちゃダメという仕事ってありますか?
A. 自分のスキルや好きな事から外れて高い報酬だけに飛びついた仕事は地獄でした(笑)
報酬よりも自分の特性にあった仕事を選ばないと良い仕事もできないし、信頼も失う。
人との繋がりを作っていけば、できない仕事はチームとして振れるのでやっぱり繋がりが大事ですね。
座談会
イベントの最後は参加者全員で座談会へ。
まずは自己紹介とそれぞれの天国と地獄を語っていきました。
生い立ちに苦しんだ人、思春期に悩まされた人、恋愛での挫折、仕事での苦労など様々な話が飛び出します。
参加者のほとんどがフリーランスに興味がある人のため、お互いの共感が高いのも今回のイベントの特性でしょうか。
終始和やかに天国よりも地獄を語り合う座談会でした。
その中で「自分が若いので仕事相手になめられていると感じるのがツライ」との意見に対してのやぶなおさんの回答が以下でした。
「なめられるのはしかたないよ。格好つけるより可愛がられる方が良い。こんな俺でも仕事してくれる人を選べばいいじゃない。そして、学生でも立場が上の人と仕事をしているのってすごいことだよ。」
と返したやぶなおさんに一同ハッとした表情に。
誰しも感じる悔しさをポジティブなパワーに変えることができるのもやぶなおさんの強さなのかもしれません。
また、地獄の中でも一番フリーランスあるあるな税金の話では何で勉強するのが一番良いかと話題に。
やぶなおさんは漫画「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください! 」で勉強されたようですよ。
そしてやはり最後は人との「ご縁」の話へ。
鷲羽高校の外部講師も務められているやぶなおさんですが、それもやはりご縁から始まったそう。
フリーランスはとにかく信頼。人とのつながりを作ることが何よりも大事で、そのためには先に自分がgiveをできる人間であること。
例えば、イベントに参加したらめっちゃツイートしたり、レポも上げたりして主催者に対して貢献することで自然と認知をしてもらえる。
「気遣いができる人だな」と思って貰えると、相手が困った時に、相手の頭の中に自分が浮かぶようになる。
相手の目的を察して、先回りして動くのがおすすめです。
と言われたやぶなおさんに早速メモを取る参加者の姿がありました。
孤独不安地獄の時に、自身もメンターに相談に乗って貰えたのがターニングポイントだったと話すやぶなおさん。
その場にいた参加者が閉会後も会話を続け繋がっていく様子は、イベントを通して伝えたかったことを体現するようでした。
執筆・写真:下原弥子 / 編集:やぶなお
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