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【イベントレポート】経営も、パートナーも、鍵となるのは「対話」

「結婚は墓場」
「今が一番楽しい時だろうね」
「子どもが出来たら自由はなくなるよ」

「結婚」に対して、こんなことばを聞いたり、浮かんだりしたことはありませんか?

この記事では、パートナーとの関係に悩む人に向けたイベント「『ふたり会議』から学ぶ人との向き合い方」のレポートをお伝えします。

実際に新婚のとき、先ほどのようなことばをかけられた女性がいます。
このイベントの登壇者である、あつたゆかさんです。

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あつたゆかさん
株式会社すきだよCEO。家族、パートナーシップ領域で起業。
カップル・夫婦の対話ツール「ふたり会議」、パートナーシップを探求するコミュニティ「ふたりの教室」を運営中。

新婚のころ、あつたさんも「楽しいのは今だけだから」というようなことばをかけられたそうです。
それを聞いたあつたさんは、「なんでこんなに仲が悪くなる前提のようなことばをかけられるんだろう」と疑問を抱きました。


2分半に1組が離婚する日本

実は、今の日本では、2分半に1組が離婚していると言われています。
年間で60万組が婚姻し、その中の20万組以上が離婚しているのです。

では、なぜ3分の1ものカップルが離婚するのでしょうか?

主な離婚理由にはこのようなものがあげられます。

1位:価値観の違い
2位:人生観の違い
3位:性格の不一致…

これを見たあつたさんは、「これらが私と全く同じ人なんて、いなくないですか? みんな違って当たり前なんですよね。」と話します。

さらに、「これらをじゃあどうやって乗り越えていくか。それは、話し合いしかないと思うんですよね。」と続けるあつたさん。

あつたさんが提供しているサービス内でとったアンケートによると、約7割の人がパートナーとの話し合いに対して課題を感じているそうです。
それらは、将来のこと、子どものこと、お金のことなど内容はさまざま。

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「そこで気づいたことがあるんです。恋活や婚活、オンラインデートなど、結婚までのサポートやサービスはあるけれど、結婚した後のサポートってなかなかしてくれないんですよね。」

そこで、あつたさんは「ふたり会議」というカップル・夫婦の対話ツールを立ち上げました。

「ふたり会議」とは?
カップル・夫婦の価値観を可視化し、話し合いをサポートするサービス。
「家事代行や便利家電を使いたい?」「收入はオープンにしたい?」などの質問に答えることで大切な話を切り出せるきっかけを提供。LINEの友達登録をすることで利用でき、累計6万5000人以上が体験。

「ふたり会議」を使ってカップルがそれぞれ、家事やお金など、結婚後の生活に関する価値観を入力すると、価値観の違いが可視化できるのです。
普段のデートでは見えてこない、より日常生活への考え方、過ごし方も見えてきます。

「この価値観は違うことが当たり前で。それがなぜ違うのかを対話することが大切なんですよね。」


起業し、経営者になることで学んだこと

結婚後という観点でのパートナーとの関係づくりのツール「ふたり会議」の運営や、パートナーシップ領域の「株式会社すきだよ」を経営するあつたさん。

会社の立ち上げから、現在に至るまでに次のように話してくれました。

「起業するとき、自分のこの意思決定が間違っていたらどうしよう?」とプレッシャーや不安がありました。

今までは会社員だったので、判断に迷ったら他の人に相談することが出来ていましたが、経営者となると自分で決めないといけないんですよね。

あと、この領域はマネタイズが難しいよと言われたり、NPOでやればいいんじゃない?とさまざまな意見やアドバイスをもらう中で、どれが正しいか、どれを採用したらいいのかが分からなくなりました。

そんな中、メンバーが自己都合で休むことに対して「自分のせいで休んでいるんじゃないか。」と感じ、体調を崩すことも。

そんなとき、同じビジョンをもつ人に救われたんです。「振り回す、振り回していないなんてことは気にしなくていいよ」と教えてくれて。このことばをかけられてから、自分の弱みをさらけ出せるようになっていきました。

「これも結婚のパートナーシップに似ていますよね。弱みを相手に見せられるというのは大切なことだと思います。」


経営とパートナーに必要な共通点は

「もやもやしたことがあったら、「こういう理由でもやもやしているんです」と伝えてもらったらいいと思うんです。」

経営においても、パートナーシップにおいても、必要なことは対話だと話します。

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あつたさんが好きなことば、「無責」。
誰かのせいにするのではなく、誰のせいでもないという考え方です。
失敗したら、誰が悪いのかを考えるのではなく、その組織や仕組みづくりで何が悪かったのかを考えます。

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(例)
新人がミスをした。
ミスをした新人を責めるのではなく、そのマニュアルや研修の内容が十分でなかったかもしれない。と仕組みを疑ってみる。

さらに「DESC法」という考え方も使います。

DESC法とは
自分の要望を相手に伝える際、4つの段階に分けて考える方法である。
伝えにくい情報の一つである「要望」の伝えやすさ、伝わりやすさが向上する。

この4つの段階をあつたさんは
①客観的な状況、②主観的な気持ち、③提案、④選択 に整理します。

①客観的な状況
には主観は入れず、具体的に事実のみを伝えます。
(例:最近、仕事が忙しくて終わりが遅いんだよね、21時くらいまで。)

②主観的な気持ちでは、気持ちの表現を抽象的、おおげさにしません。
(例:残業のあとに晩御飯つくるとなると、少ししんどいかもしれない。)

③提案でも、具体的、現実的な解決策や提案をします。「もっと私のこと大事にしてよ」や、「社会人としての自覚をもって」などは避けるのがよいです。
(例:平日のごはんはこうやって分担して、休日はこんな分担はどうかな。)

選択をするときには、提案に対して相手が拒否をした場合も、考えておきます。拒否されたとき、怒ったり、「それなら別れる」というような脅しはやめましょう。


誰もが大切な人とずっといられる社会をつくる

経営とパートナーシップに共通し、鍵となるものは「話し合い」であると、あつたさんは話します。
誰が悪い、誰の責任だという考え方から、「無責」の「誰も悪くない」という考え方に変えていき、責任の押し付け合いや、責め合いはやめていく

経営でも、結婚でもパートナーのことを考え、尊重することで大切な人と少しでも長くいられる社会はつくれるのです。

パートナーとの話し合いや、関係で悩んでいたら、ぜひ「ふたり会議」を利用してみてください。


▽あつたさんの運営する「ふたり会議」や「すきだよラボ」についてはこちらから

ふたり会議HP

すきだよラボ

執筆:野元萌乃佳/編集:やぶなお

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