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Perfumeファンから見る SixTONESとロックフェス。


「あぁ、やっちまったなぁ」

4月のとある昼下がり。思わずスマホの画面を見て、呟いてしまった一言。

ジャニーズの6人組アイドルグループ「SixTONES」にハマりしてから約1ヶ月。私はとうとう「ファンクラブへの入会」と言う禁断の扉を開けてしまった。男性アイドルでファンクラブ入会なんて、もう沼じゃん。抜けられなくなるじゃん。よく考えろよ自分、とあれほど自身で釘を指していたのに。おかしい。


この衝動的な感覚、
実はちょっと懐かしかったりもする。


12年前、Perfumeに射抜かれた時と同じだったから。

 社会人1年目の春、私はとある音楽フェスで彼女たちの楽曲「シークレット・シークレット」のパフォーマンスを見た。

 可愛いとクールが交差した特徴的なダンスとバッキバキのテクノサウンド。身体が痺れるほどの衝撃を受けた。当時、私はSuperflyを目当てにフェスへ足を運んだものの、正直それどころではなくなってしまった。「彼女たちをもっと知りたい!」と言う気持ちが溢れ、楽曲や動画を漁りまくり、今に至る。もちろん人生で初めてのファンクラブ入会もPerfumeとなった。(この時も初の東京ドームライブに確実に行きたかったから、という理由で入会した。)

 ちなみに12年前の Perfumeは、ちょうど世間的な認知が広がってきていたが、今よりもまだアイドル要素がかなり強い時期だった。だから、「女性アイドルが好き」と言うことがなんとなく恥ずかしいと思っていた私は、他人に「Perfumeが好き!」と公言することも躊躇していた。その頃、私の中ではアイドル=異文化というイメージが付き纏っていたから、「密かに好き」でいることしか出来なかった。


 でも、そんな気持ちを払拭させてくれたのも彼女たちだった。夢中にさせてくれる楽曲、ライブでの圧倒的なパフォーマンスを見るたびに、「彼女たち(アイドル)を好きでいることに自信をもっていいんだ」と思えるようになった。


 Perfumeを知ってからの大きな変化といえば、女性アイドルに対する偏見が一気に無くなったことも挙げられる。

ももクロ、乃木坂46、Negicco、東京女子流、9nine、Especia、でんぱ組inc、BiSH…Perfumeの仲間からおすすめしてもらったグループは「アイドルだから」という凝り固まった偏見を持たずに、まずは楽曲を聞き、MVを見て、機会があれば現場にも足を運ぶようになった。

 女性アイドルグループの現場は男性ファンが多いので、コールの仕方もオタクっぽいところもあったが、それぞれのグループに何かしらの魅力を感じた。やはり現場でパフォーマンスを見ないと感じられらない感覚が沢山あるから、私はライブの雰囲気で、そのグループを判断することが多い。

 ただ、アイドルでもジャニーズのライブ環境(ファンの悲鳴のような声援、団扇やペンライトの風習など)は、アイドル文化の中でも特殊で、あまりにもかけ離れた世界にも感じる。だから、Perfumeを好きになった時と同じように、「ジャニーズのグループが好き」と言うことに対して、まだ少し恥ずかしかったりもする。

 更にジャニーズの場合、ファンクラブ外の人間が彼らの生のパフォーマンスに触れられる機会が異常に少ない。現在、ライブを見る権利を得るには、まずファンクラブの入会が大前提になっている。しかし、入会しても確実にチケットが取れる補償はどこにもない。もちろん一般発売もあるけど、そこで取れるなんて奇跡中の奇跡だ。

 先日のSixTONESのANNサタデースペシャルでも、多くのラジオリスナーが「チケットが取れないから、見に行けない」と呟いていた。この「取れないことが当たり前」みたいな風潮、どうにかならないのだろうか。(でも、それがジャニーズの文化だと言われたらそこまでだけど。)


 リスナーのように、彼らのライブを見たい人たちが気軽に参加でき、なおかつSixTONESがこれから国内の認知度を更に上げるために必要な場所、それはROCK IN JAPANやSUMMER SONICなどの国内ロックフェスなのではないだろうか。


 かつてTOKIOや関ジャニ∞が国内ロックフェスに出演した際も、大きな話題を呼んだ。

 私も2014年にサマソニでTOKIOのパフォーマンスを見た時は、流石に興奮した。もちろん普段見られないジャニーズと言うアイドルを見たいという物珍しさもあったが、観客も男性が多かったし、ラストに演奏された「Love you only」の盛り上がり方も凄まじかった。
 また、V6も2016年にテレビ朝日主催の音楽フェスに出演したことがあるらしい。先輩たちが少しずつフェス出演の風穴を開けているが、それ以降は見受けられない。

※4/24追記
4/1にジャニーズWESTが今年のMETROCKへ出演することが決まっていたそうですね(全然情報追いつけていなかった…)ということは、先輩たちが音楽フェス出演の風穴を更に開けてくれることになります。ただし世の中的に音楽フェスを開催できるのかの瀬戸際になっていますが…。


 SixTONESもYouTube Fan Festival 2018というフェスに出演しているが、規模でいえば、RIJ/サマソニ/SLSあたりの大規模ロックフェスには及ばない。

更に、アイドルがロックフェスに出ることに対して、賛否両論は付き物である。

Perfumeも2007年のサマーソニック、2008年のROCK IN JAPANに出演した当時は、「アイドルとはロックなのか?」と賛否両論あった。しかし、アウェイな場所と思われていたロックフェスでのパフォーマンスが話題を呼び、数年後のROCK IN JAPANでは、5万人近くが入るGLASS STAGEで最終日の大トリを務めるまでになった。

 その後、欅坂46やモーニング娘。BiSHなどの多くの女性アイドルが続々とロックフェスに出演しており、Perfumeが突破口になった、とも言われている。


 まだ私はSixTONESの生のパフォーマンスを見たことが一度もないので、なんとも言えないが、きっと彼らもその場に偶然居合わせた人たちを魅了する力を十分持ち合わせているはずだ。かつてPerfumeがロックフェスへ殴り込んだように、楽器を持たないジャニーズのアイドルグループが成し遂げていないことの一つである国内ロックフェスに是非挑戦してほしいし、彼らにオファーが来ることを切に願っている。 

(今年メトロックが開催されたら、ジャニーズWESTが成し遂げる可能性も高いですが)



楽曲も良し、歌も良し、トークも良し。だからロックファンにもきっと受け入れてもらえると思う。

(もしフェスに出演した場合、前半はNEW ERA、NAVIGATOR、Special Orderなどのブチ上げソング、中盤にimitation rain、後半はtelephoneやamaging!で畳みかけるセットリストはどうだろう。順番はお昼12時ごろの灼熱の時間帯、もしくは照明が映える夕方ごろの出演。想像するだけでめちゃくちゃかっこいい気がする。)


 Perfumeは下積み時代が約5年、デビュー後世間に認知されるまで約3年程度かかった。SixTONESもグループ発足後5年でのデビューであり、Perfumeと少し似ている。しかし彼らはジャニーズJr.時代の活動で、既に圧倒的な人気を誇っていて、ジャニーズ界隈では有名だった。そこがPerfumeとの大きな違いである。それでも世間的な認知はまだまだ浅い。

 もしロックフェス側からオファーがあるなら、アウェイの場所へ自らを追い込む絶好のチャンスになるだろうし、今後のグループの成長のためにも是非出演してほしい。

 現在はコロナ禍で、フェスの開催も厳しい状況が続いており、数年先の話になるかもしれない。でも、Perfumeがロックフェスの常連になったように、あの5万人がいる景色を彼らが体感する日がやってくることを願ってやまない。


 そんな壮大な夢も込めて、まずは手始めに現場を見る権利を得ようと思い、SixTONESのファンクラブに入った、と言う話でした。

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