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ここが変です日本の糖尿病治療:その1「低血糖は酸素欠乏と同じです」
私達は呼吸をして酸素をからだに取り入れます。酸素欠乏がどれだけ危険かご存知と思います。この酸素は主にエネルギー産生に使用されています。生物はエネルギー源の主流を「ブドウ糖」に任せています。特に「脳」を含めた「神経細胞」はエネルギー源としてブドウ糖しか使用出来ません。
糖尿病の治療によって低血糖になる患者さんがいます。現在日本のガイドラインでは血糖値が低い方が「正義」になっているため医療従事者の方
ここが変です日本の糖尿病治療:その2「低血糖によって予後が悪くなることを知っていますか?」
「低血糖の状態」がいかに危険かはその1で紹介しました。この回では低血糖を繰り返すとどうなるかについてお話しさせて頂きます。
研究1まず有名なアコードスタディからでしょうか。
グループA:心臓疾患のある糖尿病患者さんHbA1c7.5%ぐらい→そのまま治療してHbA1c7.5%ぐらいにしました。
グループB:心臓疾患のある糖尿病患者さんHbA1c7.5%ぐらい→治療を強化してHbA1c6.4%ぐ
ここが変です日本の糖尿病治療:その3「HbA1cは平均です。平均を過信すると危険です。」
HbA1cは簡単に言えば平均値だけを見ています。これで全てを管理するのは難しいと考えます。網膜症では1日の最高血糖と最低血糖の差が多いほど「悪化」する傾向があることはすでに証明されています。これも踏まえて例をあげて説明します。
Aさん1日4回とった血糖値が 150、250、150、250だとします。
Bさん1日4回とった血糖値が 50、350、50、50だとします。
Aさんの血糖値の平均は2
ここが変です日本の糖尿病治療:その4「欧米のガイドラインは目標HbA1cに上限がない。個々の状態に合わせて設定して良いことになってます。」
欧米のガイドラインではHbA1cの数値に関しては「おおむね7.0%もしくは8.0%もしくはそれ以上」となっていて実質上限がないことになります。
ここで勘違いしてもらうと困るのは「誰でも高くて構わない」とは言っていないことに注意が必要です。以前も紹介した様に糖尿病はランセット投稿者は少なくとも「500」ぐらいに分類できると考察されてます。みんな同じ目標では弊害が生じそうですよね。私の経験も交えて説
ここが変です日本の糖尿病治療:その5「欧米のガイドラインは患者さんの状態に合わせてどの薬で治療するかを推奨しています」
日本のガイドラインは、ほとんどHbA1cの「数字」しか目に入りません。欧米のガイドラインは違います。
例えば動脈硬化性心血管疾患がある患者さんにはGLP1製剤をまず推奨しています。優先順位が下がって基礎インスリンとありますが、低容量での使用を推奨しています。当然アコードスタディなどから低血糖から死亡させないためです。量の推奨までしています。他にも心不全や腎不全の場合など細かく分かれています。全部
ここが変です日本の糖尿病治療:その6「インスリン抵抗性で肥満という矛盾:一般的な慢性疾患としての糖尿病にインスリン抵抗性など無い」
「インスリン抵抗性」という言葉で糖尿病が説明されています。これは本当でしょうか?インスリンの皮下脂肪に対する作用は「ブドウ糖→脂肪に変換し脂肪細胞に蓄積する」です。肥満になるためには「インスリンが作用」しなくてはなりません。本当に「効きが悪い」のでしょうか?インスリンが絶対的に不足している「自己抗体陽性」の発症時はほとんど「体重減少」があります。またインスリンの受容体(インスリンが作用するのに必要
もっとみるここが変です日本の糖尿病治療:その7「1人3分診療で本当に治療できますか?」
前述で繰り返しますがランセットで糖尿病は少なくとも「500」ぐらいに分類出来ると考察されています。患者さんがどんなタイプなのかを正確に判断する必要があります。それには患者さんから「正確な情報」(薬をどの程度使用しているのか?→薬の残り具合、砂糖を含む甘いものを食べた量やお酒の量など)を把握する事が重要である事は当然ですね。また、糖尿病は「自覚症状」がないため「治療の自己中断」が多い病気です。私の経
もっとみるここが変です日本の糖尿病治療:その8「果物を野菜と区別するのは日本ぐらいです」
欧米では「野菜と果物を合わせて1日〜g摂取して下さい」という記載になっています。なぜか日本では「果物」を「悪者扱い」します。しかし、日本の研究でも糖尿病の人が1日2個リンゴを食べ続けても半年後の「血糖値」も上昇しないし「中性脂肪」も上昇しません。「コレステロール」は少し低下する様です。日本では栄養士さんの教科書に「リンゴは半分」みたいな記載があったのを覚えています。根拠はなさそうです。日本では栄養
もっとみるここが変です日本の糖尿病治療:その9「食品交換という非常識」
日本の栄養学では食品交換表なる不思議なものがあります。日本では栄養士の皆さんはその食品交換表を全員が習うため、どこの病院へ言っても同じことを言われます。これは「教育段階」から変更しないと無理でしょう。栄養士さんには罪はありません。
まず問題になるのは「栄養学」には「消化及び吸収」という概念が全く欠如しています。「食べるもの」のカロリーを中心に習うので仕方がありません。もしそうなら「食品を交換する