ここが変です日本の糖尿病治療:その10「血糖値がその人に必要な血糖値より低い人に黄斑変性(黄斑浮腫)が生じる?」
「網膜症がない」もしくは「網膜症は安定している」のに「黄斑変性」が生じている患者さんはいないでしょうか?その患者さんは「HbA1cが7.0%未満」ではありませんか?
欧米のガイドラインでは目標血糖値として「HbA1cの上限」を設けていないことは「その4」に投稿しました。
上記の患者さん(HbA1cが7.0%以上の患者さんでも)で「黄斑変性」が進行したり、改善が見られない場合には一か八かで「インスリンやインスリン分泌促進治療薬」を少しだけ減量してみてはいかがでしょうか?
私はまだ5例ぐらいですが「インスリンやインスリン分泌促進治療薬」の減量で「黄斑変性」の改善を経験しています。
もちろん「網膜症が悪化している人は少量でもインスリンが必要」ですので量の調節は微妙でしょう。それでも「インスリンは加え過ぎない」方が結果が良い印象です。
他に内服薬(DPP4阻害薬など)の追加で急激に血糖値が改善した患者さんで「黄斑変性」を生じた患者さんもいらっしゃいます。内服を中止したところ急速に「黄斑変性」が消失しました。
データは少ないですが、「治療薬による血糖値の下げ過ぎ」と「黄斑変性」に相関関係がありそうだと感じています。
まだまだ保証は出来ませんが、「その人に必要な血糖値は個人差がある」ことを意識した方が良いでしょう。特に下げ過ぎに注意が必要と考えます。下げ過ぎの時は患者さんはどこか調子が悪いところがあるはずです。処方の変更後は必ず調子が悪くなったところが無いか確認しましょう。
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