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【京都歳時記】十二月遊ひ 八月
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名にあふ秋も、なかば やうやう 夜さむになるほど、こしぢのかりも 羽をならべては、雲井になきてくるころ、萩が下葉も色づき、わさ田かりほすなど、人の心も 秋に成ぬれば、そのことごと、なくものあはれに、虫のこゑこゑも、うらみかほ也。
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三五の夜は、こと更、月もひかりをそへ、桂の実のるゆふべの空。もろこしには、洞庭 の 月の夜を ながめあかして、詩をつくるとかや。
わが てうには、さらしな をば捨、二見がうら、清見が関 こそ、月に名をえしところなれ。
みやこ ちかき あたりには、広沢の池のあたりぞ 月をながむる名所とはいふなる。
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それならでは、須磨あかしの月は さらなり。
こよひ一輪まど●にみてり、万水の影てりまされば、二千里の外まで空もなし。故人の心はいかにとか思ふらんと、更行 空に かたふく月を ながむるほどに名残なく、山のはにかくるるは、またすてがたし。
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ながめつつ 秋のなかばも すぎの戸に
まつほどしるき はつかりのこゑ
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