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まちがい探しのまちがいのほう〜カリフラワー編〜

 カリフラワーを料理すると聞いて、何を想像しますか?
 クリームシチュー?
 チーズフォンデュ?
 酢漬け?

 ノー。今日はスペイン料理です。
 スペインですってよ、おくさま。

 というわけで、予告どおり作ります。
 かもめさんの、カリフラワーのパプリカ炒め


 まずはにんにくをみじん切り。
 みなさんご存じの通り、これをすると、もれなく、しばらく指からにんにくの匂いを楽しめるというオプションがつきます。

 そして、いざ、カリフラワーの登場。

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 かわいい。もっこり。

 よしこいつをブロッコリーのように房ごとに切り分けて…
 と思ったら、それがなかなかな難しい。
 あなた、思ったより丸いのね。そんで、硬い。
 ブロッコリー先輩のように、フサフサしてない。

 苦戦しながら、何とか切り分ける。

 フライパンをあっためて〜
 オリーブオイル、どぽどぽー。
 え?レシピの分量?そんなん目分量に決まっとります。私の料理は再現性がゼロなことで有名です。オリーブオイルは大さじ3っていうのだけちゃんとチェックしたから、むしろ褒めてほしい。
 きっと、あっという間にカリフラワーがオイルを吸うし、【オリーブオイル炒め】て名前がついてるくらいやから、ケチケチしたらあかん、と思いながら、心のスプーンで大さじ3を入れる。

 はい次、にんにくさんいってらっしゃ~い。
 あーいい匂い。やっぱにんにくはチューブより果肉のほうが良いね。指の残り香も楽しめるしね。

 さてお次は、「味すんのかお前疑惑」のかかる、パプリカ粉末。
 面倒なのでキャップごと外して入れ

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 あっ。

 やっちゃった。
 でも大丈夫。がさつはこんなことではへこたれない。 
 悔やんでも、覆水盆に返らず。パプ粉瓶に返らず。
 水に流し、なかったことにする。

 改めて、パプリカをオリーブオイルに投入。
 たしか大さじ1くらいだったと思うので、そんくらいをサラサラ〜。
 香りが立って、はじめてその匂いを意識して嗅ぐ。へえ。けっこういい匂いするんだな、きみ。ぼく興奮してきちゃった。

 不埒な心のまま、ついにカリフラワーさん登場。
 オリーブオイルの海の旅、いってらっしゃ〜い。

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 ジュ~。

 さて。
 ここで、重大な問題が発生していることに皆さんはお気づきだろうか。
 気づくあなたはカリフラワーマスター。
 気づかないあなたは、私と同じ、カリフラワー処女。

 そう、その答えは、
「炒めるって言ってんのに切り方がデカすぎんだよこのタコ」
です。

 正直、カリフラワーの硬さを舐めていた。
 ブロッコリーみたいにしんなりして、生のときよりも小さくなるもんだと思っていた。あとブロッコリーと一緒で、基本は「房単位で切る」もんだと思っていた。

 そしたらデカいから綺麗にオリーブオイルは回らないわ、なかなか火が通らない上に一部は焦げるわ。

 焦った私は
・もう水を入れて蒸し焼きにしたい!
・もうオリーブオイルどぽどぽにしたい!
・もうなんならもうチンして加熱したい!
という短絡的な衝動に駆られるも、なんとか抑え、カリフラワーを小さくしようと試みた。

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 気持ちマシになった。
 ほんとは多分これでもまだ全然デカいのだけど、この時の私にとっては「小さく切ったほう」だった。

 でこれを30分炒める。塩もどっかで入れた気がする。あ、オリーブオイルも足したかも。
 そして、カリフラワー一個一個がデカい上に、他の家事に気を取られながら30分炒めた結果が、こちら。

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 ちゃんと焦げた。
 にんにく片なんて、黒いゴミみたいになってしまった。あーあ。
 アホみたいな火力でじゃんじゃか加熱するせいで、私に料理されるにんにくは、大体いつもこうなるのです。アーメン。

 味見をしてみた。にんにくが効いててうまい。焦げの味がする以外は、ちゃんと美味しい。ツマミになる、と言われていたのが分かる。肉が欲しい。絶対肉に合う。これだけの調味料で、シンプルかつ美味いなんて。

 というわけで、これにて完成。
 あとは、肉に情熱を注ぐ夫が、ジョンソンヴィルのウインナーを買って帰るのを待つのみである。

 正直、焦げたし、398円のカリフラワーのポテンシャルをちゃんと引き出せた気はしない。でも、横にうまい肉がありゃ、隣のカリフラワーの評価も絶対上がる。このカリフラワーは肉と相乗効果で確実に更に美味くなる。
 さあ夫よ、うまいウインナーを買ってくるのだ。この際、ちょっと高くてもいい。

 私からの要請を受け、帰ってきた夫はジョンソンヴィルを2個買っていた。
 …浮かれてんなコイツ。
 美味しくいただく気概に満ちあふれている。

 あとは、ジョンソンヴィルをにんにくのチューブの方でサッサーと焼いて、そして最後の手段、「皿でごまかす」を発動。

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 こちら、結婚祝いに先輩からいただいた、有効面積が小さい割に場所を取る、オシャレなウロコ皿。
 の、上に、焦げを隠しきれないカリフラワーとジョンソンヴィル。

「おお。なんか海外の料理っぽい」
「たしかに」
 いつもと違う華のある料理に、ウキウキする夫と私。

 夫がひとくち、口にする。
 焦げを気にしていた私にひとこと、
「焦げてんのがむしろ美味い」
と言い放つ、予想外の展開。ラッキー。

 その後も、
「カリフラワーの食感ってさ、これで正解なんかな。もっとクタクタになるべき?」
「分からんけど、ええんちゃうこれで。美味しいし」
「カリフラワーって思ったより火通りにくいんやな。30分炒めたんやで」
「まじ、30分はやばい」
「和食でカリフラワーってなかなか使わんよな」
「そもそもカリフラワーをこんなに食べたことがない。にくうまい」
「まえお義母さんに教えてもらった、甘酢漬けくらい?」
「かな?にくうまい」
などとカリフラワー談義をしながら、美味しくいただいた。

 かもめさん、楽しい料理体験と食事体験をありがとうございました。

 今見返したら、パプリカは小さじ1でした。

 実は、カリフラワーはもう1個買ってあって、そっちは和食っぽい何かを追求してみようかな、と思ったり思わなかったりしています。

 でも和食っぽくしようと思ったら、乳製品もトマトもカレー粉も使えないので、なかなかハードな縛りプレイになる予感。楽しみ。


いつもありがとうのかたも、はじめましてのかたも、お読みいただきありがとうございます。 数多の情報の中で、大切な時間を割いて読んでくださったこと、とてもとても嬉しいです。 あなたの今日が良い日でありますように!!