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探究型のマイクロスクールに自分の息子が通うまでのあれこれ その② 「東京コミュニティスクールとの出会い」

さて、前回まで、インターナショナルスクールに入れたかったけど、結局諸々の理由で選択肢から外れたことをお伝えしました↓

ということで、今回はそこからマイクロスクールへ入学したいと決めた経緯を話していきたいと思います。


1. 東京コミュニティスクール(TCS)との出会い

きっかけになったのは、この本でした。

タイトルは、「探究する力」。

最近探究型学習とか、プロジェクト型学習とかよくいうけど、実際はどんな授業なのかなあ?頭でっかちに、「これからは考える力だ!」みたいな話だけでなくて、実際の手触り感のある、リアルな探究型学習の現場の話がここにありました。

作者の市川力さんは、東京コミュニティスクールの前校長先生。そうです、私の息子が入学したのも、この東京コミュニティスクールなのです。通称TCS(Tokyo Community School)

この本は結構すごい本でして、めちゃんこ授業の生きた事例が載っているんですね。これさえ読めば、探究型学習の手触り感がきっとあなたにも伝わります。(なんかプレミアついてるのか高いですが...)

自分なりに、探究型学習についても解説したので、詳しくは下記の記事をみてね!

2. 好奇心を失わない学校がいい!

自分自身が旧来の教育の中で、好奇心を失い、答えを効率よく求めるだけになってしまったという反省をしていました。なので、「好奇心を失わない学校」、というのは一つ大きな選択の基準でした。

そして、さきほどの本のことを思い出し、「あっ、あの探究型学習をやってるあの学校ってどこなんだっけ?」って調べてみると、東京の中野区にある学校ではないですか。(本が出た当時は杉並区だったようですが、中野の新校舎に移転していました。)

当時住んでいたのは電車で中野駅まで20分くらいの距離のところ。こうなったら、早速見学だ!ということで、TCSのホームページから、見学を申し込みました。


3. 初TCS、驚きの見学体験!

この見学が、人生を変えましたね。いやー、すごかった。まず何がすごいかというと、見学時間が長い 笑

なんとなく、一個授業みて、そのあと説明会みたいな感じだと思うじゃないですか?全然違うんです。

朝はじまりの 8:30 - 15:45 の下校時間まで、1日の流れを全部見るんです。しかも、どの学年の授業も見放題。校舎の中、歩き放題。

まず、朝の会。言っていませんでしたが、マイクロスクールって、その名のごとく、小さいんです。

何が小さいって、めっちゃ少人数制なんです。一学年、たったの9人。ちなみに9人未満の学年もあるので、全校生徒は50人いかないくらい。

朝の会では、その全員が大きなワンフロアに輪になって座ります。いわゆる海外でいうところのモーニングサークルですね。

そこで、みんなが日常の発見とか、休み中にあったこととか、伝えたいことを手をあげて発言したりします。そして、その日はそのあと全員で、平家物語を大きな声で読み合わせ。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。

一年生から六年生まで、みんなで平家物語を大声で読んで(唄って?)、沙羅双樹ってどんな意味だっけ?みたいな話をしてるんです。ふむふむ、なんか変わった学校だなあと思いながら、実際に授業へ。


4. 生徒喋る、先生聞く、生徒喋り続ける、先生聞く

まずは、3.4年生くらいの、「読む」の授業へ。

この学校は複学年で教えることも多いので、1.2年生の合同だったり、3.4年生合同だったりします。

ここで読んでいたのは、古事記。(なんかすごい国産のお題ばかりですが、普通にスイミーとかも読みますw)

先生(とは言わずにスタッフと呼ぶんですが、ここでは先生で)が文章をゆっくり読んでいく中で、一つ一つの言葉の意味をみんなに確認します。

そんな時お子どもたちは、「知ってる、知ってる!こういう意味でしょ!?」とかめっちゃ喋ります。

そして、先生が「なんでこの時、天照(アマテラス)は、岩の中に隠れっちゃったんだろう?」

という話をすると、さらに子どもたちはヒートアップ!

「恥ずかしかったんじゃないかなー」
「隠れたくなっちゃう気持ちがあったんじゃないかなー」

いろんな意見が出てくる中で、先生が
「じゃあ、みんなが隠れたくなっちゃう時ってどんな時?」

と聞きます。すると、今度は生徒のおうちの話も含めて、普通の学校なら雑談と片付けられそうなエピソードが出るわ出るわ。でも、先生はそれを全部聞き切るんですね。もちろん、そんなことしていると時間はすぐに終わってしまうので、2ページ進んだ?みたいな中でタイムアップ。

でも、子どもたちは、真剣に自分ごととして集中したまま、授業が終わっちゃうので、「もっとこの授業受けてたかった」といった気持ちで終わります。

ゆっくりゆっくり、一つのお話を噛み砕いて、咀嚼して。先生から、教科書的な一方的な解釈を押しつけられるわけでなく、自分で考えて、そして言葉の意味を学んで、言葉の咀嚼の仕方を習ってるんです。一つの物語が、立体感をもって、鮮やかに子どもの心に広がることが想像できました。

これを、みて、「あぁ、すごいな!」と。子育てしている親さんならわかると思うんですが、「子どもの話を聞き切る」のって、めちゃんこエネルギー使うわけですよ。勉強を教えるのだって、「答え」を教えちゃえば早いし、親の手間はないわけです。

でも、この学校はとにかく子どもの話を辛抱強く聞いてくれるし、子どもの好奇心が授業の原動力になっているんだなあと。

その頃、「子どもを待てない」ということが、自分の中で一つの問題意識でした。仕事が忙しくて、「子どもがじっくり考える機会を奪っちゃってるな」と感じていました。だからこそ、この授業は響きました...。


5. 5.6年生の授業は、会社なの?ってツッコみたくなった

うって変わって、今度は5.6年生の授業へ。

今度は、大きなスクリーンを前に、机に座った生徒たちが、
全員Macbook をたたきながら、

「あのファイルってどこだっけ?」
「google drive の共有フォルダの中だよ」

みたいなやりとりをしているわけです。
「あっ、これできない大人たくさん知ってるぞ 笑」と思いました。

生徒たちは、その年の稲作を振り返るスライドを、画像とかを共有フォルダから持ってきながら作っていたんですね。

「これ仕事じゃん 笑」

みたいな楽しい気持ちになりました。他にも、文化祭での会計チームが、「お金が合わないぞ」と困っていて、先生方からフィードバック受けていたり、テーマ学習の時間には、「編集とは何か?」を学んでいたり、

「レベル高っ! 笑」
「こんなん5年生からやってたら、日本のほとんどの会社で働けるでー!」

と、私の心の声がめっちゃ突っ込んでいました 笑


と、長くなってしまいましたが、見学のお話はもうちょっとだけ続きます。もっと、この学校知ってみたい!という方は、コチラの記事が超いい感じなのでご覧ください。

(続きは下記よりどうぞ!)


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