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WEBライターがマーケ用語を会話形式で解説してみた 第1弾

大阪ものかき隊というライターコミュニティを運営しています。その中に「マーケ部」という部活動があり、先日、ライターがマーケ用語を分かりやすく書いてみたらどうなるか…という企画を行ってみました。

参加ライターは、自分で案件を取って編集業務を回している方から、ライターの第一歩を踏み出したばかりの方まで、歴はさまざま。そのメンバーが集まって、お題に合わせて会話形式でマーケ用語を噛み砕きました。

お題は、中級レベルのWEBマーケティング用語

お題:以下より好きな用語を選び、会話形式で分かりやすく書いてみてください。

①直帰率と離脱率 / ②アルゴリズム / ③ステップメール / ④LP / ⑤CTA
⑥CPA / ⑦イノベーター理論 / ⑧ペルソナ / ⑨フリーミアム
⑩オーガニック検索 / ⑪マーケティング / ⑫LTV

会話の登場人物は、以下の2パターンから選択してもらいました。

パターン①
お父さんが息子にマーケ用語を解説

マーケッターのお父さんと、小学6年生の息子の会話です。さてパパは、息子にうまくマーケ用語を理解させることができるでしょうか。ちなみにこのパターンには息子がまだ習っていない漢字は使わない…という足枷がありました。

パターン②
上司が部下にマーケ用語を解説

マーケのプロの上司と、新しくマーケ部に入った新人という設定です。上司と部下のそれぞれの性別は、書き手にゆだねられています。

ちなみに、最初の提出時には、会話ではなく解説文の方も多かったのですが、分かりやすさ重視のため、全員に会話形式を取り入れてもらいました!

ではでは、さっそく仕上がりをご紹介します。

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息子
パパ、同じクラスのゆうくんが、ネットでゲームをしていたらどうしても欲しい武器があって、選んだらあとからパパにめっちゃ怒られたんだって。

お父さん
あー。それはゆうくんが『フリーミアム』のゲームをしていたんだね。それでお金を払わないといけない武器を買ってしまったから、パパが怒ったんだろうね。

息子
フリーミアム?

お父さん
そう、ひろしもゲームしているうちに新しい武器とか欲しくなることあるよね?最初はタダで遊べるんだけど、何か新しく武器を買おうとしたら本当のお金がかかることがあるんだ。

息子
最初はタダなのに、あとからお金がかかるの?

お父さん
ほら、この間マクドナルドに行っただろ?あの時コーヒーが無料だったから行ったんだけど、ひろしはポテトとナゲットが食べたい!って、結局いろいろ買って帰ったよね。

息子
うん!パパも月見バーガー買ってたよねー

お父さん
・・・。

息子
そうなんだ。タダだからと思って行ったら結局いろいろ買っちゃって。
『フリーミアム』って最初はタダとか安く商品をお客さんに売ったりするんだけど、ついつい他のものが欲しくなって買ってしまうお客さんの気持ちを利用した商売の方法なんだよ。

お父さん
そっか、ゆうくんはついつい追加の武器が欲しくなっちゃったんだね。その気持ちわかるよ。パパ、次はいつマクドナルドの『フリーミアム』あるの?

お父さん
…しばらくないんじゃない?

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執筆者は、編集ライターのまきさんでした!
Twitter:https://twitter.com/aoaodamama
note:https://note.com/aoaodamama
サイト:https://odaport.com/

まきさんよりひとこと
マーケ用語をわかりやすく伝えるという課題に、具体例を入れて自分なりに上手く書けた!と思っていたところに「会話形式に変えてみて」というお題が。わかりやすく書くって、表現だけでなく見せ方もポイントだったんだと自分の頭の固さに愕然としました。もともと選んだテーマがよかったので、親子の会話形式で書き始めたら、楽しくなって意外とスルスルと書くことができました。
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息子
父さん、LTVって言葉をテレビで見たんやけど、この言葉はなんなん?

お父さん
LTVはな、「Life Time Value」の略で、そのまんまの言葉で言うと「顧客生涯価値」って言うねん。

息子
顧客生涯価値とか聞いたことないし、なにそれ

お父さん
要は、一人のお客さんが、お店とかサービスにどれだけのお金を払ったのかってことやな。

息子
どんだけ金払ってくれたのかってことか!払えば払うほどええ客ってこと?

お父さん
そういうことや。1回だけお金を払うんじゃなくて、何回も続けてお金を払ってくれるかどうか、そこを重視するってこと。

息子
へー。例えば、ゲームのアプリで課金をするのも、そのLTVってやつに当てはまるの?

お父さん
そうそう!課金は1回だけする人もおれば、何回も課金する人だっておるよな。その課金の回数が多いと、LTVの数値も大きくなるねん。ほんで、この数値が大きい人は、商品とかサービスをよく使ってる「いいお客さん」って思われるんや。

息子
よくわかったわ!じゃあいいお客さんになるために、3,000円ぐらいのアイテム買おっかな!

お父さん
あんまり買い過ぎたらスマホ取り上げるぞ、ほどほどにせえ!

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執筆者は、にっしーさんでした!
Facebook:https://www.facebook.com/tadashi.nishimoto.54

にっしーさんよりひとこと
自分が知っている言葉を、万人の人にわかりやすく伝えるにはどうすればいいか、改めて難しいと感じました。一方で、自分の意思で調べた言葉は記憶に残りやすいと思いました、マーケティングに携わる身として、今後もこういった取り組みを続けていきたいです。
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部下
直帰率と離脱率って何か教えてください! 先日、実家の店のホームページを作ったので、アドバイスしようと思ってるんです。商品の見直しをかねて、サイトをよくするためにどうすればいいかを説明するのは、直帰率と離脱率がいいと思うんですよ。

上司
あなたが作った、お父さんのスィーツのお店のサイトね。TOPページがめちゃめちゃかわいくておいしそうだったよー。あのサイトなら人気が出そうな気がするわ。売れてる?

部下
実は、一番の自信作のイチゴマドレーヌに注文が入らないって、親父が悩んでます。アクセスを調べたら、検索で直接イチゴマドレーヌのページに来た人は1ページだけ見て帰っているパターンが結構るんですよ、イチゴマドレーヌは1日に検索から100人も呼んでいるのに、90人がすぐに出て行ってます。TOPページよりイチゴマドレーヌに人気があって、イチゴマドレーヌがサイトへの入り口ページになってる状態なんですけど。

上司
ええ~、一番人気のはずのページで直帰が大量発生てこと? 
直帰というのは、サイトに来て1ページだけ見て帰ることよね。
100人が来て90人が直帰ってことは、90人÷100人で、直帰率90%ってことよ。直帰率が異常に高すぎ! 他のページが入り口ページになったときに、直帰されている率も出してみて。

部下
OK、やります! 離脱率についても教えてください。ユーザーがサイトから出て行った、その最後のページが対象ってことはわかります。

上司

離脱率はイチゴマドレーヌのページが一日に何回みられているか、そして、イチゴマドレーヌのページがユーザーの出口になったのは何回かを確認する。そして 出口になった回数を見られた回数で割る。やってみて。

部下
イチゴマドレーヌのページは1日に150回見られていて、出口になった回数は130回。130÷150で86%…まずいですよね。

上司
まずいわよ、パーセンテージが高いほど、そのページには何らかの問題があるの。何かあるわね。他のページも離脱率を計算する必要があるけど、まずはイチゴマドレーヌのページに問題がないか確認してみて。直帰率が高くなる原因は、

・検索で入ってきたお客さんがもとめているものと違っていた
・読み込み速度が遅く待ってられないので離脱
・内部リンクがないので次のページに行けない
・見づらくて嫌になる
・1ページを見て満足した

などがあるわ。そして、離脱率が高くなる原因は

・内部リンクがないので次のページに行けない
・求めるものがなくて見切られた
・1ページを見て満足した
・決済完了ページ、申し込み完了ページなど、目的が終了したページ

今回は1ページを見て満足したはない。決済完了ページでもない。
「リンク切れ」か「画像サイズ」が怪しいと思うな。

〈1時間後〉
部下
イチゴマドレーヌのページにリンクが全くついてなかったです。看板にだけはTOPページへのリンクがついてたので、直帰率も離脱率も100%にならなくてすんでました。他の商品ページはリンクは問題なかったです!

上司
そりゃあ、リンクなしは、直帰率も離脱率も高くなるわ。あなたのお父さんにしっかりあやまってね。作って間がないサイトで100人が見てくれるなら、今からまだまだアクセスも増えるだろうし、きっと人気商品になるわ!

※上記のような、「1ページ全リンク切れ」はECサイトのシステムを使ってサイトを作るとあり得ない話ですので、今からECサイトをする方はご心配なく。でも、直帰率・離脱率が高いページには大いに改善の余地があります。原因を確認して、ユーザーのサイト内回遊を促すように工夫しましょう!

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執筆者は、さくらみやさんでした!
Twitter:https://twitter.com/writersmiya 
ブログ:http://sakurakurasi.com 

さくらみやさんよりひとこと
解説文は誰に、どの深さまで説明するかを設定する必要あり。本記事読者は初心者設定なので、入り組んだ例や説明はややこしくなるだけです。サイト各ページの閲覧数や離脱数の扱い方を説明したいのをぐっとこらえて、ECサイトを例に、特定の1ページに絞って解説しました。直帰率と離脱率で問題提起、現象の推論を立てつつ、原因を探って、解決へ導くという展開になっています。ストーリーがあったため楽しく執筆できました。
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まだまだ続きます

第1弾から力作が集まりました。

このような企画では、短い文章といえども、登場人物のキャラ設定、パーソナリティ、口調、そして問いかけ方から伏線回収までさまざまなテクニックが必要です。マーケティング用語に限らず、「分かりやすく書くスキル」が求められるライターとして、有意義な練習法かと思います。

次の3本も、近日公開予定です。お楽しみに!



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