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カルティエ展で赤いバラを一輪もらったはなし。

「あんたカルティエ展やるの知ってる?」
 えっ何それ知らない行こう行こう。

 いつもは私がXで見かけた展覧会に母を誘うのですが、今回は珍しく母からの情報提供。

えぇ……。

 カルティエ展で検索して引っかかるトップヒットがトーハクのお知らせという状態なので、オンラインより紙媒体での宣伝に力を入れているのかもしれません。

 私が前売買ったときはオンラインチケットも無かったような……。

 ともあれ、(たとえ自分に一生縁がなくとも)ジュエリー系やブランド系の展覧会は必ず母と二人で行くことにしてますんで、開始初週の土曜日に行ってまいりました。

トーハクの表慶館

 展覧会の正式名称は「カルティエと日本 半世紀の歩み『結 MUSUBI』展―美と芸術をめぐる対話」となります。なっっが!!



展示構成

作品リストより引用
  • Rotunda 1F:日本五十空景

  • Room1 〜 Room4:カルティエと日本―芸術と美を称える文化

  • Rotunda 2F 〜 Room8:カルティエ現代美術財団と日本人アーティスト―永遠の対話

 表慶館の建物に入った直後に目に入るのは日本各地の新聞広告――「日本五十空景」の数々。

 そして前半はカルティエの宝飾・時計の展示、後半はカルティエ現代美術財団が所有する日本人アーティスト作品の展示となります。


個人的見どころ

日本五十空景

澁谷翔「日本五十空景」(2024年)
新聞の題字を見ると全て異なっている

 美しいグラデーションが目を引く展示。もとは50枚組のアクリル画ですが、すべて異なる新聞の広告となっています。

 タイトルに着目すると、その一つ一つが「空」なのです。富山新聞のものは「飛行機の窓から見た雲海」だと感じました。


ポルティコ神社の鳥居型」ミステリークロック

大型の「ポルティコ」ミステリークロック(1923年)

 細野不二彦「ギャラリーフェイク」でその存在を知った人も多いと思われるミステリークロック。テーマに沿って鳥居型ケースの置き時計クロックが展示されています。

――どう見ても上に載ってるのビリケンさんですよね?


宝石の鉢植え

 エナメル細工の花弁とダイヤモンドのしべ、アゲートの鉢。ムーンストーンの露。

 精巧な造りで、個人的に展示品の中で最も好きです。

アジサイ(1910年)

 アジサイの葉がアベンチュリンでできていることは図録を見て初めて知りました。ぜったいエナメルだと思ってた。

リンゴの木(1926年)

 さいしょ桜かと思っていましたがリンゴでした。 これは枝ぶりに盆栽の趣がありますね。


「パンテール」クリップブローチ

「パンテール」クリップブローチ(1949年)

 カルティエを代表する宝飾品と言っても過言ではない、ウインザー公爵夫人のブローチ。まさかこれが来てるとは驚きですよ。

 ヒョウが乗ってるサファイア、クリア系じゃないから本物じゃないと言われても逆に信じる。そんだけ大きくてうるうるで凄いんです。


マハラジャのネックレス

ネックレス
(製作 1928年 修復 1999-2002年)

 マハラジャっぽいデザインだったなと思ったらマハラジャ旧蔵品だった。

 カルティエが買い戻したときに大粒のダイヤが失われていたため、水晶や合成石で補っています。素材にジルコニアってあるから……キュービックジルコニア!?

 観賞のさいはぜんぜんわかりませんでした。日本ではおおむねコスチュームジュエリーあるいは安価なアクセサリーに使われているストーンってイメージですが、歴史的ジュエリーの修復に使われることもあるんですね。

 そりゃ234.65カラットのイエローダイヤの代替品なんてふつーに見つからんわ。


an・anの挿絵

an・anの挿絵
(佐藤憲吉 1974年)

 展覧会には興味深い資料もいくつか展示されています。

 写真は作品一覧にも図録にも載っていないan・anの挿絵ですが、掲載誌の情報が添付されており、カルティエがメディア情報をチェックしていることが伺えます。

 イラストが時代を感じさせますね。


ルイ・カルティエのプライベートコレクションの写真

ルイ・カルティエのプライベートコレクション

 壁を見るとさりげなく飾ってあるモノクロ写真の集合体。

 今回の展覧会に出品されている宝飾品の多くがこのコレクションをイメージソースにしてる可能があるわけですね。

 図録にもコレクションについての解説とともに掲載されているため、細かくチェックするなら図録のほうがいいです。印籠がすごく多い。


三宅一生のドレス

ジャスト・ビフォー
イッセイ ミヤケ 1998年春夏コレクション

 よく見ると三着の黒のドレスが大きな布のロールと繋がってます。マジでショーではどうしたんだこれ。

 たしか映像流れてたと思うんですがちゃんと見れてなかった。不覚。


ビートたけしのフラワーベース

Toucan(2010年)

 コレクション展示のスキマにところどころ置いてある、ヒトや動物の胴体のカタチをしたフラワーベース。

 オオハシに極楽鳥花を突っ込むセンスがめっちゃ好き。他にもヒマワリを挿したライオンとかいろいろあります。


特設ショップ

 ダメ元で訊いてみたら撮影OKでした。

なんかおしゃれにディスプレイされた図録

 売り場面積はさほど広くないのに、壁面全体をゆったり使って展覧会のロゴと図録を展示してるところに美学を感じる。

 今回は図録だけ購入しました。

展覧会オリジナル切手入りレターセット
勿体なくて使えない(使うあてもない)ので手は出さなかった

赤いバラとパンフレット

 表慶館の入り口前に赤いバラと大判パンフレットを満載したワゴンが停められていました。

 展覧会を見たあとでアンケートに回答すると、バラを一輪とパンフレット一部が貰えます。

 アンケートの内容が「カルティエで買い物するヒト向け」に振り切ってて回答に四苦八苦。私カルティエに関しては(文具以外)見る専だもんよ……。

 しかも文具は母に先を越されたので自分で買う必要もなくなっちゃった。

撮影のために母に持ってもらった

 この赤バラ、見て判るとおり大輪なんですよ。

 しかもジェルポリマー入りのフラワーチューブに挿してありました。タダでもらえるレベルのお花じゃないですよカルティエさん太っ腹ァ!

 あ、だからアンケートがカルティエ顧客向けの内容なのか。

 パンフレットは日本五十空景の解説が主な内容でした。


余談

めっちゃクリーミーになるボロネーゼ

 一人でトーハク行く場合、昼食は敷地内のキッチンカーで済ますんですが母と一緒なので上野駅まで戻ってパスタを食べました。


 冒頭のとおり展覧会が始まってすぐに見に行ったのに、この記事書き終わったのは終了の前日です。ほんとすみません。

 他にも会期終わったのにレポ書けてない展覧会がまだあるんですが、まだやってる展覧会のレポを先に書いたら何くわぬ顔で後出しします。今から白状しておきます。


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