訪問看護とリハビリテーション
リハビリに対して苦手意識強めの看護師多くないですか?
私はかなり苦手です。
最初に働いた病院は、その頃まだ委託職員のPTさんが時々来られてメニューを考えてくれるような状態でした。
看護師が行うリハビリは主に術後の早期離床くらい。
看護学校で習った内容もROM訓練とか麻痺のある方の移乗の介助方法くらいしか記憶にない。
そんな状態で、訪問看護にきて、えー!リハビリもやるのー!?何すればいいのー!?と思ってました。
幸い、初めて働いたステーションにPTさんが常駐していたので、同行訪問しながら教えてもらえましたが、いまだに苦手意識強めです。
それで今改めて勉強しています。
(以下、PT.OTさんのことを、リハさんと記載してます。STさんは在宅でお会いしたことがないので、すみません。)
リハビリテーションとは
WHO(世界保健機関)の定義
「リハビリテーションは障害(能力低下や社会的不利)及びそれにもたらす状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。さらにリハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うだけではなく、障害者の社会的統合を促がすために全体としての環境や社会に手を加えることも目的とする。そして、障害者自身、家族、彼らが住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関係するサービスの計画や実行に関わり合わなければならない。」
と書かれています。難しい感じで書かれてますが、よくイメージされる、元の状態に戻すための機能訓練だけではないということがわかります。
看護師とは
人々は、人間としての尊厳を維持し、健康で幸福であることを願っている。看護は、このような人間の普遍的なニーズに応え、 人々の健康な生活の実現に貢献することを使命としている。
看護は、あらゆる年代の個人、家族、集団、地域社会を対象とし、健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、 生涯を通してその最期まで、その人らしく生を全うできるように援助を行うことを目的としている。
看護師の倫理綱領抜粋です。
そして
看護師の業務とは「診療の補助」と「療養上の世話」
「療養上の世話」とは患者の症状等の観察、環境整備、食事の世話、清拭及び排泄の介助、生活指導などであり、看護師の主体的な判断と技術をもって行う、看護師の本来的な業務。を指します。
リハビリにおける訪問看護師の役割とは?
上記の内容から大きく2つ。
まず「診療の補助」としての環境に適応するための訓練を行う役割。(訓練てすごいスパルタっぽいけど)
もう1つは、「療養上の世話」において「人間の普遍的なニーズに応え」「その人らしく生を全うできるように援助を行うことを目的」に「全体としての環境や社会に手を加えること」も考慮した「サービスの計画や実行」
ということなのではないでしょうか。
「人間の普遍的なニーズ」については、「マズローの欲求五段階説」などの教育を受けています。
具体的に訪問看護師として何をする?
私は今まで間違った認識をしていたというか、立場を明確にできていなかったなと反省しました。
言葉が悪いですが、リハさんたちの真似事をすることが私たちの役割じゃなかったんじゃん!ということです。
看護計画にしてたんだから知っていたんだろうけど、「自信のなさ」って当たり前にあって良かったんじゃないかと思いました。逆にその方が的確に専門のリハさんにつなぐことができたんじゃないかと。
看護師は具体的には本来の業務から
・体調が安定し、安心してもらうよう支援する。
・体を綺麗にして気持ちの良い状態になるよう支援する。
・痛みなどの苦痛が生じない状態を支援する。その場合に無理のない動作や環境の整備をする。
・できなくなったことや体調が悪いことで塞ぐ気持ちを支援する。
・その人らしい生活が送れるよう多職種の強みを活かし協力して支援する。
病状については医師と。家屋環境は福祉用具さんやリハさん、介助方法はヘルパーさんと一緒に、サービスの調整はケアマネさん、具体的な運動が必要な場合はリハさんに、など、ご本人と家族と話し合って行動する。
ということがあげられます。看護師が抱え込みすぎず的確にコンサルできればいいのですが、ステーションにリハさんがいないということもあります。
その場合、他のステーションのリハさんに訪問を依頼することもできるので、制度の枠も考慮した上でご本人とご家族、関係者で相談することも大事なのかもしれません。
補足:訪問看護がリハビリを行う流れ
訪問看護でリハビリテーションを行う場合、医師の指示のもと行います。
具体的には訪問看護指示書という紙にリハビリテーションについて記載される必要あります。
この場合に指示される内容としては、主に「呼吸リハ」や「拘縮予防のための運動」など機能訓練です。
ここでステーションにリハさんがいてくだされれば具体的な運動のメニューを考えてもらい看護師が実施することもできますし、リハさんが訪問することもできます。
が、いらっしゃらないところは看護師が計画し実施します。
上述したように、看護師も一定の運動療法の教育は受けていますが、あとは経験によるものが大きいです。そのため抱え込みすぎないことが、看護師にとっても利用者さんにとっても大切なことだったなと改めて思います。
次回は「あの人にとって食べることはどんな時間だったろう?」を書きます。
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