初秋の京都へ 後編~南禅寺・岡崎エリアの穴場散策と美味しいお食事処~
JR東海の新CMに完全に心を奪われて脳内再生リピートモードが止まらない私は、10月上旬の娘の受験付き添い最終日、朝から南禅寺へと向かうことにしました。
9月の京都訪問で50歳にしてようやく禅寺の魅力に目覚め、南禅寺がその最高位と知り、「行くしかない!」病が頭をもたげました。
この衝動性、時々発症します。諸々諦めがちな主婦の心の声に、自分で答えてあげないと。
さあ、出かけよう!
前日は大原エリアと瑠璃光院に訪れて、バキバキの筋肉痛ですが、せっかくの京都。今度いつ来られるか分かりません。早すぎるよ、と散々文句を言う娘を試験会場に開始1時間前に送って、足取り軽やかに南禅寺を目指しました。
お寺は朝一番が空いているので、京都では、行きたい場所には朝早めに向かうのが大切です。娘よ、お母さんは空いているうちに南禅寺に行きたかったのよ。ごめんね、急かして。
あいにくの小雨降る道すがら、ご機嫌な私はCMソング「My Favorite Things」(サウンド・オブ・ミュージック)を口ずさみながら歩を進めます。
途中で見かけた器やさんの店頭には、まるで我が家のような構成のタヌキの置物が並べられていました。店舗や一般住宅でもよく見かけるタヌキの置物。東京ではお蕎麦屋さんくらいにしかいないので、珍しくてついつい立ち止まって見つめてしまいます。それにしても可愛らしいです。
南禅寺
CMよりも実物は大きく、カメラに収まりきらないどっしりした佇まいに、のけぞりながら眺めていると、上に人の姿が。朝から掃除のおじ様達お仕事大変、なんて思いながら回り込むと、上部入口案内所がありました。
おじ様達は観光客だったのです。
ここは登ることができるんですね。高所恐怖症なので一瞬戸惑いましたが、歌舞伎の演目「楼門五三桐 さんもんごさんのきり」石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな」で有名な景色を眺めてみたい気持ちが勝り、登ってみました。
中はそり立つ壁のような急角度の階段に、手すりとロープがつけられ、人が1人登れる程度の幅です。他の方々と譲り合い、ヒヤヒヤしながら2つの階段を慎重に登って行きました。
あまりの高さに足がすくみ、手汗、額の汗が滲みましたが、三門の上ではしずしずと歩きながら一回りして、素晴らしい景色を堪能することができました。まさに絶景かな、でした。
朝の清々しい空気を味わいながらの眺めは、生涯忘れません。南禅寺に行ったら三門の上。頑張って登って良かったです。きっと紅葉の今頃はCMの世界そのままの、彩り豊かな絶景を楽しめることでしょう。
庭園も見事です。立って見たり、ゆっくり座って見たり、大人の皆さんが様々な楽しみ方をしていました。
境内を出た10時過ぎには続々と観光バスや観光客が訪れて、混み始めました。
朝9時頃からの参拝がお薦めです。
京都伝統産業ミュージアム
みやこめっせの地下一階にあります。
京都の伝統産業74品目の製造工程、作品や活動の紹介、職人による実演等のものづくりの真髄を学べます。私たちの生活に欠かせない伝統産業の和の心溢れる世界観に、日本文化の素晴らしさを改めて確認できました。
伝統工芸やものづくり好きにはたまらない空間です。人はまばらで、空いていました。
京都モダンテラス
岡崎公園の隣にあるロームシアター2階のカフェ。モダニズム建築のお洒落な空間で、ランチをいただきました。一階には蔦谷書店、スターバックスコーヒー等があります。
洗練された空間でスマホで注文方式。スマートな振る舞いの店員さんに美味しいランチ。めったにないひとときでした。
一階のスタバは大行列でしたが、こちらはお昼時にも関わらず、すぐに入れました。
岡崎神社
真如堂に向かう途中で道に迷っていると、たまたま目の前に現れた神社です。
こちらは可愛らしいうさぎで有名で、安産の神様を祀り、うさぎを氏神様としています。
境内の微笑ましいうさぎに次々出迎えられ、ティーンエイジャー4人と日々格闘している鬼母の角が短くなった気がしました。優しい気持ちになれる場所です。
真如堂(真正極楽寺)
岡崎神社の北側に位置する天台宗の寺院。正真正銘の極楽の寺という意味だそうです。桜と紅葉の名所で有名です。
伺って初めて知りましたが、陰陽師、安倍晴明ゆかりの寺で、安倍晴明の蘇生を助けたと伝わる不動明王が安置されています。
残念ながら行事のため、庭園の一部と書院の拝観制限をしていましたが、趣ある美しい庭園と本堂を散策することができました。
方向音痴なので、分かりやすい白川通りから急勾配の坂道を登ってお参りしました。最後の階段は傾斜が登山並みで、かなり息切れしました。できれば次回は、違う道でお参りしたいものです。
楽食(がくしょく)
娘が知り合いから美味しいと聞いて9月から気になっていたので、昨晩、受験前夜ですが思い切って2人で訪れました。
住宅街にある、お人柄の良さが滲み出る、気さくで明るい素敵なご夫婦の営む、こじんまりとした居酒屋です。初めて行った親子にも温かく会話をしてくださり、受験の緊張がほぐれました。カウンターに通されたので、目の前で料理を作るのが見えて良かったです。
お料理がどれも美味し過ぎて、オリジナリティ溢れる味わいに感動しました。味を再現したいです。今後、京都にご縁ができてもできなくても、また是非行きたいと思います。
勝手に京都の実家認定を心の中でしました。
壁に飾ってある言葉も素敵でした。ロフトで見つけて感銘を受けて、厨房から見えるところに飾ってあるそうです。今は活動されていないみたいです。私も心打たれました。
よし、頑張るぞ!
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