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よみがえる銀色夏生にすがったあの頃 高1長女も辿る銀色ワールドと昭和歌謡

今から約30年前の高校生時代、悩み多き年頃に出会った銀色夏生さん。恋も人生も進路もぐちゃぐちゃで、どうしたらいいか分からなくなった時に、詩集に出会って何度も救われました。

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自己の内面と見つめ合う選び抜かれた言葉と美しい写真。その圧倒的な世界観は、田んぼの中の高校に通う田舎の女子高生の礎になりました。夏生さん、どんな素敵な男性なんだろう、と空想し憧れたあの頃。女性と知って衝撃だったのも懐かしい思い出です。

大人になり銀色さんからはいつの間にか遠ざかっていましたが、昨年の緊急事態宣言中に久しぶりに書店で目にした「君のそばで会おう」。読書家の高1の長女に渡すと、好感触でした。(以前のnoteで触れています。)

何冊か懐かしい類いを娘に買い揃えようとしたところ絶版が多く、入手困難と知り、実家に送ってくれるように頼みました。すると予想以上の冊数が届き(冒頭の写真です。)、「はまってたんだねママ」と親子でびっくり。「太宰と芥川にもはまっていたよ。出たばかりの人間だもの(相田みつを)も買ったよ。」と言うと、「ママ、太宰と芥川はヤバくない?悩んでいる時に読んだらズドンと落ちそう。」と娘。

そんな娘はもう一つ、「尾崎豊いいよね。」と近ごろはまっています。友だちが教えてくれた「15の夜」が特にお気に入り。まさに15歳!

「昭和なんだよ考えが。」と私に反発する時もありますが、「いいなあ昭和。昭和に生まれたかったなあ。」と昭和礼賛する時もあります。いつもはK-pop、たまに昭和歌謡な娘です。

そう、敢えてズドンもいいんだよ。好きな音楽を聴いたり、ズドンを読んだり。そんなほろ苦い青春あっての今だから。そう言えばBOOWYとプリプリ、久保田利伸に夢中だったなあ。

現実逃避をしたい時は、今でもお気に入りの音楽を聴いて活字を貪ります。電子書籍は抵抗があって未経験。紙をめくる感じが落ち着きます。当時は裸眼で読めた文字が小さくて見えづらいのはとほほですが。

最近、銀色夏生さんの「力をぬいて」を読みました。デビューから今までの考えのまとめと、銀色さんの辿った道が丁寧に書かれています。自分が年齢を重ねて大人になった視点で過去の作品を読んでからこの本を開くと、言葉に表せないほど感慨深い気持ちになりました。

「外的要因に左右されない個人的幸福の試み」これこそが銀色さんの願望であり、これからも目指すもので、そのために必要なのは、自分の価値観。自分が好きなものを好き、そう言える自信だそうです。(ネタバレになるので詳細は割愛します。)

やっぱり銀色さんの感性は共感する部分が多くて好きだなあ。楽しみながら沼にはまる木曜日さんと同じく、心地好い暮らしをするために、自分の好き、を大切にしていきたいと思った土曜日でした。


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