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読書 翼の折れた鳥


The Bird with the Broken Wing


アガサ・クリスティ著

嵯峨静江 訳

「謎のクィン氏」に収録

早川書房

アガサ・クリスティー作品の先入観を変える短編集「謎のクィン氏」の中から、本日は「翼の折れた鳥」をご紹介させていただきます。

神秘的な謎のイギリス人青年、ハーリ・クィン氏と、裕福な60代英国紳士サタースウェート氏が主な登場人物。
著者であるクリスティ自身が大好きだったシリーズです。

招待を受け訪れた家で、サタースウェート氏が出会った女性。

魔力のようなものがある美しさ。

野性的で得体の知れない、妖精のような。

ひだ飾りが鳥の羽を思わせる、くすんだ紺色のシフォンのドレスを纏い、
灯りを付けない部屋で楽器をつま弾き、とても幸せだと言ったその夜…。

クィン氏「人間の身に起こりうることで、死は最大の不幸でしょうか」


読み終えるたび、絵画を観た後、音楽を聴いた後のように、ぼうっとしてしまう作品です。

今日もご覧頂きましてありがとうございました。

皆様、今週もどうぞお元気でお過ごし下さい。


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