短歌10首 泣いてしまいたい


もう何重にもからまってやわらかな結び目はまた死んでしまった

もういっそ泣いてしまいたいハムよりも絶対わたしベーコンが好き

ペッパーに睨まれながらざるそばをすする今こそ革命のとき

うつくしい風と下着を送りますだからまるごと明日をちょうだい

ポケットに詩を隠した理不尽をのらりくらりとかわせるように

悪文も良文もない無造作な想いの欠片はただひかりあう

檻の中は無色であった檻の外はやさしい色の地獄であった

あの街で生きたかったよあそこには僕だけ行ける地獄があった

イヤホンの奥で誰かと絡まってこの街で今独りではない



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