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初めて本を作り、文学フリマ京都で売った話②
こんにちは、海です。
普段は木星堂(もくせいどう)というブース名で文学フリマに参加しています。
2024年5月19日に開催される文学フリマ東京38の宣伝がてら、文学フリマ初参加時の思い出話をしようかと思います。
今回は本ができてから、実際に会場で売るまでの話になります。
第一回目の記事はこちらです。
長くなったので目次をつけます。目次って便利!
木星堂の解説
何度も書いているのですが、本を作るにあたって、私は一筆も文章を書いていません。
私はあくまでも売り子・広報担当です。
以下が「木星堂」の役割分担となります。
兒玉弓(以下「弓」)……本の作者。カバーも表紙も作る。お酒をやめた。
海(noteの筆者)……売り子兼、校閲兼、広報担当。お酒が好き。
文学フリマに参加するようになったきっかけは、前のnoteに少しだけ書いています。
ひょんなことから文学フリマに参加することになった私たちは、なんとか本を作り上げることができました。
さて、その後はどうなったのでしょうか?
『#設営完了』ポストを読み漁る日々
肝心の本が完成し、手元に届いた後は、設営について考えるようになりました。
どうすれば、来場者に本を手に取ってもらいやすいブース作りができるのか。
レイアウトはどうすればいいのか。
そもそも設営には何が必要なのか。
そこで私たちは、
同人や創作の猛者が多そうな、X(旧Twitter)を頼ることにしました。
なぜかというと、週末になるとよく、トレンドに「設営完了」というワードが入っていることを知っていたからです。
世の中にはたくさんの即売会があり、たくさんの人が本を販売しています。
「設営完了しました」というポストと共に投稿されているブースの写真を見れば、少しは設営の参考になるはず……!
そこからは、毎週末「設営完了」のポストを読むわ読むわ。
他会場で開催された文学フリマの「設営完了」ポストも食い入るように読ませていただきました。
そのおかげで、自分たちの中で少しずつ設営のイメージが固まってきました。
設営の予行練習をしてみる
設営のイメージが固まったら、次は家で予行練習をしました。
マスキングテープでブースと同じサイズに区切った机に、敷き布を敷き、様々なものを配置していきます。
どのくらいの時間で設営ができるのか、ストップウォッチで時間も計りました。10分くらいだったと思います。優秀!
予行練習が終わったら、設営の状態を写真に撮りました。
これで文学フリマ当日は、写真の通り設営をすればいいだけです。便利!
以下に、設営のために準備したものの一部を載せておきます。
・敷き布
これがなければ始まらない。養生テープで机に貼って固定するのが地味に面倒くさい。
・小銭を入れるプラスチックケース
100円ショップの事務用品コーナーに売ってあることが多いです。
・小さなトレイ
代金を受け取る用・お釣りを渡す用の2つを用意すると便利。
・ポップ
私がダラダラしているうちに、illustratorで弓が作っていました。
・養生テープ
これがなければ始まらないpart2。ガムテープだと机に跡が付きそうで怖かったので養生テープにしました。
・スケッチブック
「ただいま席を外しています」「完売しました」などの情報を書くため。持って行ったけれど使いませんでした。そんなこともあるよね。
・ミニコンテナ
100円ショップに売っていたもの。在庫の本を入れるのに役立ちました。
設営の予行練習が終わった後は、お釣りの小銭を用意しました。
私たちが販売する本は500円だったので、とりあえず500円を20枚準備しました。1000円札も何枚か。
このように色々と準備を進めていましたが、前日にとあるトラブルが起こります。
急遽2人で文フリへ
文学フリマ京都まで順調に準備が進んでいたところに、思いがけぬことが起きました。
文学フリマ京都の前日に海が体調を崩したのです。
緊張か、はたまた酒の飲みすぎか。酒の飲みすぎということにしておきましょう。
「這ってでも行くぜ……!」と言う私でしたが、さすがに体調が不安だったため、弓にも会場に同行してもらうことにしました。なんと2人で文学フリマへ。
弓は片頭痛持ちなので、いわば病人2人での旅行です。
共倒れは避けたい。
売り子をするのは人間なので、やはり体調管理も大切です。
文学フリマの数日前からは酒量を減らし、よく眠りましょう。
設営の盲点
当日朝の新幹線で京都に向かい、会場のみやこめっせへ到着しました。
入場待機列の後ろのグループが、オチのないつまらぬ話をしているのを流し聞きしていると、みやこめっせが開場しました。
この時点ですでに疲労困憊の海と弓。なんだか空気がピリピリしています。
ピリピリしたまま設営を始めました。
それでもちゃんと「さっきの後ろの人の話、つまんなかったね……」という話をしました。
弓も「つまんないな」と思っていたらしいです。
すると気づいたことが。
設営って、狭いスペースでしなきゃならない!
ブースの裏の狭めの場所で、床にキャリーケースを開いて設営しないといけないのです。
予行練習の時のように、床になんでも置いて設営はできない!
盲点でした。
キャリーケースからいかに効率よく物を出すかがキモです。
こんどの文学フリマでは、小さいレジャーシートを持っていくのもアリだなと思っています。
設営が完了するころには海と弓のピリピリも収まり、無事に開場を迎えることができました。
開場時のアナウンスによると、文学フリマ京都の代表は体調不良で欠席とのこと。体調不良仲間です。
見本誌コーナーに本を置き、隣のブースの人と挨拶をして、開場の拍手もして、いよいよ文学フリマ京都の始まりです!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139266889/picture_pc_9975a1e6c0c57e28408d6a2319f25df1.jpg?width=800)
椅子が1つなので平安神宮へ
私たちは文学フリマ京都に申し込みをする際、椅子を1つしかお願いしませんでした。(本来私だけが会場に向かう予定だったので)
文学フリマ開場中は、椅子の数と同じ人数しかブース内にいられないことになっています。
つまり海と弓のどちらかは席を外さなければなりません。
会場の近くに平安神宮があったため、弓にそっちに行ってもらいました。
すると、面白いことが起こります。
弓が平安神宮にいて、海が売り子をしている間だけ、やたらと本が売れる……!
まさかの作者が疫病神説。
弓に「ずっと平安神宮におれ」(原文ママ)と連絡をしました。
弓はその日、平安神宮に3回参拝して、3回おみくじを引いたそうです。
会場に帰ってきた弓は「スタバのあんバターサンドがおいしい!」と言っていました。
スタバいったのか。食べたのか。
本が売れると嬉しい
開始10分で1冊目が売れました。嬉しい!
最初のお客さんに頂いた500円は今でも大切にとっています。
色々な方が本を手に取ってくださいました。
私は座って、ニコニコと接客をしていただけだったのですが、とっても楽しかったです。
途中で弓と店番を交代して、会場全体を見て回りました。
見本誌コーナーは、いろんな方の本を一挙に見ることができます。
他の方の本からは、装丁など学ぶことも多かったです。
何より、リトルプレスの本が一ヶ所にこんなに集まっている、ということがすごかったです。
その後は短歌コーナーに足を運び、本を買ってみたりもしました。
短歌ブースが集まるエリアは人が多く、活気があり、短歌の人気を感じさせました。
閉場1時間前になると、店じまいをはじめるブースが増えてきます。
弓もとい疫病神に「帰っておいで」と連絡をし、閉場と同時に店じまいを始めました。
閉場時にアナウンスがあり、文学フリマ京都としては過去最高の来場者数であったこと、そして次の文学フリマ京都の開催が2025年1月に決まったことが告げられました。
閉場時も拍手が起こるものなのですね。一体感がありました。
あってよかったもの
座布団!!!!!!!!!
間違いなく座布団です。
パイプ椅子に数時間座りっぱなしなので、腰に不安がある方は座布団を持参することをお勧めします。
キャリーケースに入れれば緩衝材代わりにもなります。
帰りの新幹線で作戦会議
ブースの後片付けをし、他の出店者さんと協力して机や椅子を運び、
私たちは無事に開場を後にしました。
達成感を抱えてホクホクしながら新幹線に乗りました。
本がちゃんと売れたことが嬉しく、調子に乗って、シンカンセンスゴイカタイアイスを買う始末です。
自動販売機で買うタイプのシンカンセンスゴイカタイアイスは、あまり固くありませんでした。車内販売が恋しいです。
イチゴ味のアイスを食べながら、次の文学フリマについて作戦会議をしました。
主に「今度はカテゴリを『ファンタジー・幻想文学』にしてみないか?」という話です。
文学フリマ京都には『妖怪・もののけ』カテゴリで参加をしました。
文学フリマ京都の地域独自カテゴリですし、物語自体に合っていたのでとてもよかったのですが、どうしてもカテゴリ自体の規模が小さいと感じました。
弓が店番をしてくれている間に、会場をぐるっと一周してみたのですが
やはりカテゴリの規模が大きいところ(そのカテゴリで出店している人が多いところ)は活気がありました。
特に短歌などのブースはお客さんもとても多かったです。
そういうわけで、次は規模の大きい『ファンタジー・幻想文学』カテゴリで出店してみないか? と弓に提案し、快諾してもらいました。
『妖怪・あやかし』と『ファンタジー・幻想文学』、どちらのカテゴリが肌に合うのか試してみます。
文学フリマ東京に出ます
というわけで、文学フリマ東京に出店します。
出店者の多さに既にビビっているのですが、果たして海は上手に売り子をできるのでしょうか。
乞うご期待!
日時……5/19(日) 12:00〜
出店名……木星堂
ブース位置……か-25 (第二展示場 Eホール)
カテゴリ……ファンタジー・幻想文学
「漏刻博士の都のこと」シリーズ
第一作目『漏刻博士の都のこと』、第二作目『神無月回廊』
どちらも500円で販売いたします。
よろしくお願いします!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139266738/picture_pc_0e25686d057d4781c869af1fae19c52f.jpg?width=800)
各種リンク等
X(旧Twitter)……@Mokuseido2023
文学フリマ東京38 Webカタログ……https://c.bunfree.net/c/tokyo38/35151
カクヨム……漏刻博士の都のこと(兒玉弓) - カクヨム (kakuyomu.jp)
Nolaノベル……漏刻博士の都のこと - 兒玉弓|Nolaノベル (nola-novel.com
ビールが冷えるのを待ちながら 海
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