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24/4/2(火) 爪が割れただけでこんなに落ち込むなんて

机に右手をぶつけた。
中指の爪が縦に割れ少し剥げてしまった。
めちゃくちゃ痛い。血も出た。
がっつりテンションが下がった。
補修用のマニキュアを塗って、
更に上から絆創膏を張って固定した。
痛くて風呂に入るのが嫌だし、
洗い物もしたくない。
日々の地味な作業ですら、
中指をかばいながら行うため、
いつも通りのスピードでに動けない。
PCのトラックパッドも反応しないから、
人差し指だけになるし、
タイピングも絆創膏のせいで感覚が
狂ってしまうため、
人差し指だけ使っている。
結構中指で叩いてるキーも多いんだなという
発見だった。
一日過ごしてみると、
いかに右手中指を使っていたかがわかった。
普段通り動けないことでイライラするし、
やる気も削がれてしまう。
ふと思った、中指の爪程度で
こんな事になってしまうのに、
指がなくなってしまったら、
腕がなくなってしまったら、
足がなくなってしまったら、
僕は一体どうなってしまうんだろうか。

昔、映画の「プライベート・ライアン」を見た時、
冒頭のノルマンディー上陸作戦のそう雑な戦闘シーンの中で、
失った自分の腕を探すシーンがあった。
それ以来たまに自身も腕をなくす夢をよく見る。
夢の中で事故などにあい、腕がもげてしまうのだが、
焦りながら腕を広い、傷口を見て、
これって現代の医学でくっつけてもらえるレベルなのか
ということを色々考えると言う夢だ。
痛みはないのだが、焦り方は結構リアルで、
仕事を失ってしまうだろうとか、
両親は高齢だから、妹にサポートを頼むことになるのかとか、
あれもできなくなる、これもできなくなる、
と色々その後の人生のシミュレーションを頭の中で
行ったりする。
だいたい目が覚めるとだいたい変な体制で寝ていて、
腕がしびれて感覚がなくなっている。
体と夢が連動している。

しかし世の中には、実際に腕や足を失ったり、
下半身麻痺で車椅子生活を余儀なくされる方々が
大勢いらっしゃる。
夢であってくれと何度願ったんだろうと想像すると、
いたたまれない気持ちになる。

最近ABEMA Primeで、
「現代のもののけ姫Maco」さんと言う下半身麻痺の
車椅子の女性Youtuberの存在を知った。
健常者であったMacoさんは屋根からの転落事故により、
下半身麻痺となってしまうのだが、
名前の通り、事故前は、
狩猟免許を獲得し野山を駆け回っていた
とてもアクティブな女性だった。
事故に合われてからYoutubeで車椅子の自分のありのままの姿を
配信し続けている。
トレーニングやプライベートの姿、
そして排便障害から性に関わる内容まで、
下半身麻痺の方々がリアルに感じている悩みや苦労を、
正直に発信してくれている。
洋服のコーディネートの紹介や旅行記など、
普通の女の子と変わらない姿も見せてくれる。
影でどれだけ苦しい思いをしているのだろうと思うが、
そのような表情は見せないよう振る舞われている。

その強さに、心から尊敬する。
自分が同じ状態になった時、
いくらカメラ前とはいえここまで
明るく振る舞えるだろうか。
自分なら絶望し自暴自棄になってしまうのではと思う。
僕なんかより何倍もアクティブで、
体を動かすことが好きだったMacoさんが、
歩けないと知った時の絶望は如何ほどだったのだろうか。
筆舌に尽くしがたい思いだ。

Macoさんの人柄だからなせることではあるのだろうが、
同じような事故に合われた方々に、
きっと光を見せてくれているのではないだろうか。
もちろん、皆が皆同じような環境ではないのだろうが、
少なくとも、
僕自身が事故にあって同じような状態になってしまった
ときを想像すると、
Macoさんが頑張っている姿がきっと励みになるのでは、
と感じている。

そうなのだ、誰もがいつどこでこんな事故に合うかわからない。
Macoさんたち車椅子利用者の方々が、
生きやすいと感じてもらえる世の中は、
僕たちにとっても安心して生きられる世の中なんだと
改めて考えさせられた。

たまに、同じような車椅子の方々がSNSやYoutubeで
駅やお店の対応について愚痴や文句を発信して、
いわゆる弱者マウントとして炎上してしまうことが多々ある。
駅やお店で働く人にもそれぞれルールと事情があるし
車椅子利用者は優遇されて当たり前という不遜な態度が、
その理由のようだ。
僕自身はYoutubeを見て全くそうは思わなかったが、
Macoさんも駅員さんを批判して偉そうだと叩かれたことがある。

個人的には車椅子利用者が色々言いたくなっちゃう気持ちも
わからなくないなと思う。
世の中全然バリアフリーじゃない。
地下鉄なんてその最たるもので、
健常者であっても何回階段上り下りさせるんだ
って思う駅は結構ある。
普通にできてたことができなくなった苦しみや、
やりたいことを制限されてしまう苦しみを思うと、
怒りや文句が湧いてこないほうが難しいのではと思う。
というかMacoさんも駅員さんに対して、
一定の理解を示しつつこんなふうに改善してほしいって、
提案した程度だし。
ただ健常者でもカスハラするクレーマ気質の人たちがいるように、
車椅子利用者でも不遜な態度を取る人は
いることはいるんだろうな、とは思う。

これから高齢化社会で、
事故だけではなく、高齢による車椅子利用者も
増えていくと思う。
何度も言うが僕らだっていつそうなるかわからない。
施設やインフラのバリアフリー化
も早急に進めてほしいし、
お互い、ありがとうとごめんなさいを
いつもちゃんと言える社会であってほしいと思う。

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