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24/3/26(火) 「老害」と呼ばれるにふさわしい男になるべきなのでは

ここ10年くらいで「老害」という言葉を
よく耳にするようになった。
最近では放送作家の鈴木おさむさんが提唱した
「ソフト老害」なんて言葉も出回っている。
ただあまりにも多用し過ぎではないだろうか、とも思う。

おそらく多くの人は
自分が時代についていけなくなったことも
気づかず上に居座り続ける中高年の事を
そう言ってるのではないか。
日本のような年功序列の社会の中で、
年上というだけで偉そうにして、
高い給料をもらっている人たちのことを。
でもただ単にそれは無能とか邪魔、
という言葉のほうが当てはまる気がしている。
それを排除できない会社の体制にも問題はあるし、
次世代の僕たちに関しては、
「老害」と陰口を叩くだけにとどまり、満足してしまい、
実力でどかせようという気概すら無いことの方が、
問題なのではないかとすら思う。
「老害」とレッテルを貼られた無能な上司が
上にいるから、自分たちは出世できないんだと、
ある種の言い訳や責任逃れにも使われている気がする。

個人的に思い描く「老害」の姿とは、
自らの実権と地位を維持し続け、
若手が求める変革を強権を振るって跳ね除ける
ような人たちのことを言うのではないかと思っている。
そしてそれは実力者でなければ成し得ないことであり、
過去に有能な人物であったことが
前提条件であるのではと考えている。
そういう意味では、
多くの凡人は老害にすら成れていないのが、
実情ではないだろうか。

次期衆議院選挙での不出馬を表明された二階さんは
紛うことなき「老害」であろうと思われる。
当選を重ね、派閥を束ね、今の地位に上り詰め、
政権のキャスティングボードを握る政治家が、
無能なワケがない。政治家としてかなり優秀だったのだろう。
僕自身、二階さんが悪代官のような政治家であるという、
マスメディアの先導に踊らされ、
その功績について調べることはなかった。
簡単ではあるが羅列すると、
●東日本大震災後の
 災害対策におけるインフラ整備「国土強靭化」を
 中心になって推し進める
●地震以外で初めて被災者生活再建支援制度を
 糸魚川市の火災案件にも適用させる
 大晦日にも関わらず現地に赴き聞き取りを行う
●「世界津波の日」の制定に各国と調整を行い尽力する
●中国と太いパイプを持つ(ある意味では必要)
●GoToトラベル推進(助かった業者も多いはず)

とにかく震災の対策のエキスパートで、
強い発言力を行使して迅速に対策を推し進めてきた方だ。
それだけではなく現場にも足を運び
自治体や地元民から現場の声を吸い上げる
泥臭さと言うか細やかさも持っている。
その動きの裏では利権も絡んでいるんだろうが。
二階さんが行った政治によって、
命を救われた国民も少なくないだろう。
マスメディアは罪の部分だけではなく、
功の面からも普段からしっかり発信すべきだと思う。
じゃないとフェアじゃない。
その功績もあることから、
これ以上晩節を汚す前に、岸田さんも引導を
渡してあげたかったのかもしれない。

それにしても今回の記者会見で、
不出馬は年齢によるものかとの質問に
「お前もその歳、来るんだよ。馬鹿野郎」
と言い放ったのは最高にしびれた。
「老害」ここに極まれり。
権力の座に居続けたこともそうだが、
国民のために働いてきた自負があるからこそ、
イラっときてしまったのだろう。
ただその功績が全く国民に伝わらず、
裏で自民を操る悪徳政治家
のイメージが付いてしまったのも、
ある意味では二階さんに限らず、
日本の政治家の弱い部分でもあるのかもしれない。

老害は去るべきだと僕も思うが、
今の若手政治家の中で老害に成れる
レベルの政治家が何人いるのか。
その人材不足に方がはるかに問題な気がしてならない。

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