教養として身につける地理8 大陸と地形の成り立ち(7)
前回までの記事では、地球上に存在する各大陸のうち、南アメリカ大陸について取り上げました。
それぞれの高度分布・平均高度を起点に地形や地質について考えることで、その大陸の成り立ちや現状の概観を理解していただけたらと思っています。
では、今回はその続き、他の大陸について同様に考えていきます。
今回のテーマは
高度別割合から見る大陸の概要(北米大陸編)
です。
再度、こちらの表をご覧ください。
今回もこの、大陸別の高度分布を見ながら考えていきます。
④北アメリカ大陸
北アメリカ大陸の高度で見る特徴は、
・2000~4000m級の山地が、南極を除けば最も多い
・逆に、4000mを超える部分はほとんどない
・標高500m未満の地域が6割を占めるが、低地は少ない
というところでしょうか。
アジアと同じように「まんべんなく」分布はしていますが、標高4000m以上の高山はほとんどない、という認識でも良いと思います。
南アメリカ大陸とはだいぶ様子が違いますね。
北アメリカ大陸というのは、地理的に言うとパナマ地峡
から北側を指しています。
南アメリカ大陸と陸続きなので、長い地球の歴史の中で一体の陸地として過ごしてきたのか…と思いきや、実は両者は元々、全く違う大陸です。
こちら
がおよそ2億年前の大陸の様子。
地球上の大陸は、長い年月をかけてプレート運動によって移動している、ということは以前にも触れたことがあります。
およそ2億年前は、
・ローラシア大陸(現在のユーラシア、北アメリカ大陸)
・ゴンドワナ大陸(現在のアフリカ、オーストラリア、南アメリカ、南極大陸とインド亜大陸)
に分かれていました。
北アメリカ大陸と南アメリカ大陸は実は全く別の陸地で、地質にしても生態系にしても、かなり異なります。
そんなことを踏まえつつ、掘り下げていきます。
さて、北アメリカ大陸で先ず有名どころ…として挙げられるのは、
ロッキー山脈
でしょう。
ちなみに、環太平洋造山帯のうち、アラスカ山脈~アンデス山脈まで、つまり北アメリカ大陸~南アメリカ大陸の部分をコルディレラ山系といいます。
ロッキー山脈も勿論コルディレラ山系、新期造山帯に属していますが、アンデス山脈に比べるとやや標高は控えめです。
ロッキー山脈の北側にはアラスカ山脈がそびえています。
北アメリカ大陸最高峰、デナリ(マッキンリー)
は標高6190m。
この山はロッキー山脈ではなくアラスカ山脈に属しています。
アラスカ山脈の平均標高は新期造山帯らしく高いのですが、これがロッキー山脈になってくると最高峰はエルバート山
標高は4401m。
平均標高もちょっと物足りない感じになってきます。
この差は一体なぜ生まれているのかを考えてみます。
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