【読書感想】会って、話すこと 田中泰延
この本の概要
感想
直前に読んだ本が「モダンエルダー」という外国の方が書いた本で、読むのにめっちゃ時間がかかってたんだけど、この本は行間も多いし、読みやすいし、すぐに読めました。
田中泰延さんの一作目の本「読みたいことを、書けばいい」もおもしろかったけど、今回のもおもしろかった!
会話の本というだけあって、著者の田中さんとこの本の編集者である今野さんの会話がところどころに入ってます。
この会話がまたおもしろいし、それ以外の部分でもクスッと笑ってしまうところが多々ありまして、読んでるとき、何度も家族に怪しまれましたよ。
前作と比べると真面目な思いを書いてる部分もあって、そこもまたすごくいい。
名言だらけだった。
会話って実はとても難しい。
みんな自然にやってるけど、その”自然”が相手にとって心地いい会話かと言うとそれはまた別の話で…。
本のなかで「芸人でもない我々の会話にツッコミはいらない」という話があるんですね。
共感したし、自分もツッコミっぽい言い方しちゃうこともあるから減らしたいなって思ったけども、会話って無意識でやってるところもあるから、実際やめるとかなかなか難しいだろうなぁ。
コロナで「会って話すこと」が当たり前じゃなくなってしまったここ数年。
在宅での仕事が日常になって、子育て事情や効率いい生活という面では「オンラインばんざい!毎日リアル出社とか無理!」とも思うのが正直なところ。
一方で、会えることが当たり前じゃなくなったからこそ、リアルで会える価値を感じて、人と会いたくなってる自分もまたいます。
以前みたいに集まって、マスクをはずしてうまいものを食べながら、くだらない会話をたくさんして、行動に制限もない世界に戻りたい。
息子らにもいろんな行事経験させてあげたいし、いつだって後ろめたい気持ちなんてもたずに外出したい。こどものバスケの試合だって人数制限なく応援しにいきたい。
あーもういやだ。
いいかげんコロナおさまれ。
ワタクシ的名言
コミュニケーションには、「ながめる」っていうフェーズがもう少しあってもいいと思う。
AとBとをならべてながめて「あ〜こういうところが違うんだねぇ」「あなたはこういうふうに思うんだねぇ」というのをみるだけな段階。あくまで「ふーん」ってながめるだけ。
人の心ってのは存外せっかちなところがあって、見たものをすぐに評価してしまうんだけど、しなくていいもんにまでぜーんぶ評価しちゃってると思うので、そういうのなくして、もう少し頭を空っぽにして会話できたらいいよなぁ。
子どもらの会話聞いてると、これ思うわ〜。
お笑い芸人は芸としてやってるけど、一般人がやるツッコミはほとんどマウンティングになってしまう気がする。
著者いわく、ボケにはボケを重ねていくのがよい会話なのだそうだ。
料理コラムニストの山本ゆりさんのエッセイで、ともだち同士のアホな会話を書いてたりするんだけど、あれとかはボケにボケを重ねてる理想的な会話だと思う。関西の人はそういうの、鍛えられてるよなぁ。
田中さんと今野さんとのやりとりで、ご機嫌でいることの大切さを語っているところがあります。困った状況に陥ったとき、ルパン三世の次元大介がいうセリフ「おもしろくなってきやがったぜ」とつぶやくと最悪の状況に対する「構え」がとれるようになるというTipsが本のなかで書かれていました。
習い事で、長男&長男の友達を送って行く途中、この話を息子らにし、「今日の練習でうまくいかないことがあったら次元の気持ちになっていってみたら?」と提案してみたところ、二人とも早速実践してみたそうで、「けっこう効果があった」と言ってました。
次元、やるな。
もっといっぱいいい言葉があって、書ききれなかったので、ぜひ読んでみてください。すぐ読めるし。
吉田美和が一瞬でてきてドリカム好きとしては震えたね。
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