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読書感想文~半藤一利「幕末史」と朝井まかて「恋歌」~

半藤一利さんの幕末史を古本屋で見つけて、本当は昭和史が読みたかったけど~、でも読んでみたいと「エイっ」て買いました。
いやぁ買ってよかった。
幕末好きだけどやっと全体的に分かった気がします。
幕末が面白いのはいろんな人が出てくるからなんだけど、難しいのはいろんな人が出てきすぎる。

攘夷派、開国派、一橋派、紀伊派。
尊皇派、討幕派。
外交と内政が絡み合って、こんがらがってそれを優しく解説してくれてました。

幕末史を読み終えて、その後買っていた朝井まかてさんの「恋歌」を時代的にも同じなので読むことにしました。

樋口一葉の師・中島歌子は、知られざる過去を抱えていた。幕末の江戸で商家の娘として育った歌子は、一途な恋を成就させ水戸の藩士に嫁ぐ。しかし、夫は尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士。やがて内乱が勃発すると、歌子ら妻子も逆賊として投獄される。幕末から明治へと駆け抜けた歌人を描く、直木賞受賞作。

恋歌 朝井まかて カバー解説

話は大変面白かったのですが、先に「幕末史」を読んでいたお陰で水戸藩の立場がよく分かるし、ちょっと得した気分でいました。でも読んだ後、参考文献を見て納得。

「幕末史」半藤一利
とありました。勝手に再会した気分になしまった。

私は幕末史から近代史がやはり好きです。
その中の一番の興味はどうして太平洋戦争がおこることになったんだろうというところ。
その答えが幕末史くらいからにあるのではないのかな、と思っています。

そしてその昔。新選組にはまったことがありました。三谷幸喜さんの大河ドラマからはまり、司馬遼太郎さんにはまりました。
その時驚いたのが、現代との死生観の違い。
自分の命にしろ人の命にしろ、どんなけ命軽いねん。すぐ切るやん!!

…で新選組を経て、なんだかっだあって、明治になって、日露戦争で勝って浮かれて、そのままいけるぞ~人の命の重さとかそんなことは話題にならず…。そりゃ世界大戦になるわ~。

私の歴史考察の軽さもつっこみをいれたくなると思われますが…。

最近大河ドラマをよく見ているので、鎌倉時代、戦国時代と見ていますが、そりゃぁ命軽いよね。やっぱりすぐ切るよね。

でも恋歌の主人公歌子は商家の娘だったため、武家のすぐ命をなげうつ精神がどうも受け付けない。夫もどうにか生きて世の中を変えていこうとする。物語は決してハッピーではいけど、幕末期に命を大事にして必死に生きた人。主人公がすごい魅力的でした。

こういう人たちが中心の世の中になっていけば、戦争は起こらなかったんではないかな。明治維新から太平洋戦争終戦まで、戊辰戦争、西南戦争、日清戦争、日露戦争とたくさんの戦争がありました。そこで、もう人が死ぬのは嫌だって思った人結構いるはず。その声が大きくなることがあったら戦争が起こらなかったかもしれません…かね?

主人公の歌子さんみたいな人の物語、もっともっと探して読みたいと思いました。朝井まかてさん、もっと読んでみたい。

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