小説 「僕と彼らの裏話」 39
39.暗夜が迫る 初めて、車で出勤した日。僕は荷物をロッカーにしまうなり、常務のもとへ急いだ。愛機の側で図面を睨んでいた彼は、朗らかに笑って迎えてくれた。
「おはよう、坂元ちゃん。ご結婚おめでとう!」
「恐れ入ります」
お辞儀をしてから、僕は2階の持ち場に直行する。必要な図面や資材は、全てそちらにある。
連休明けで体力に余裕があるためか、作業は順調に進んだ。
あっという間に、夕方の休憩時間がやってくる。
食堂で、今まで通り常務と向かい合わせになって弁当を食べていると