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憲法は、ただの紙切れじゃない。【社会がわかるようになる映画】

アメリカ映画「マジェスティック」をみました。

超ザックリいうと、主人公が何の関係もないのに共産党員の疑いをかけられて脚本家の仕事がうまくいかなくなり、ヤケ酒で酔った勢いで事故を起こして記憶喪失になり、たまたま田舎町に流れ着き、たまたまその町で「戦死した」と思われていた青年にそっくりだったことでお祭り騒ぎになり、一躍ヒーローとなってしまう...っていう話です。

戦後、1950年代ごろのアメリカ(冷戦期)に漂うドンヨリとした喪失感、戦死した若者への敬意、そして自由に表現することの窮屈さ。これから新しい時代を作っていくんだ!という期待感。

いろいろ学べますが、
キーワードを2つあげるなら
アメリカの憲法、そして戦争ですね。

アメリカの憲法

この映画には「合衆国憲法」というワードが何回かでてきます。

学生時代に好きな女の子を追っかけて、なんとなーく集会に参加しちゃったのがきっかけで、まったく意図していないのに「おまえ共産党員だろ!!!」って言われてFBIが飛んでくる時代... 冷戦期すんごいな...

主人公は若い脚本家なんだけども、映画監督や脚本家がいきなり委員会に呼び出されて、「共産党っぽい考え方するなよ」と見せしめにされるのは、当時のハリウッドで実際に起こっていた話らしいのです。

「思想の自由」「言論の自由」が認められている憲法は、ただの紙切れかもしれないけれども、されど大事な紙切れなんだ!

って、改めて教えてくれる映画です。
最後のジムキャリー先輩がカッコ良すぎて痺れます

アメリカの戦争

アメリカの「戦争」そのものについて、こんな角度で見つめてみるのもよいのかな〜と思いました。

舞台となる田舎町では、たくさんの優秀な若者が戦争に送られていて、ルーズベルト大統領からめっちゃ立派な慰霊碑が寄贈されていたりします。

でも、自分たちの息子や、友人や、恋人を失っている住民たちは、やっぱりどんよりとしているんですよね。それでも「彼らがやったことは意味があったんだ、立派だったんだ」と言い聞かせて、必死で生きてる。

冷戦期、言論弾圧が進む社会に対して「彼らが守りたかったのは、こんなアメリカじゃない」というセリフには、ジーンときました。

戦争が空けてしまった穴と、その穴を埋める責任。当時のアメリカでは、こんな複雑思いを抱えた人々が多くいたのかもしれません。

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