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「伝える」が下手だけど

私は「伝える」が下手くそだ。
喋れば喋るほど、相手の顔に「?」が浮かぶことは自分でも分かっていた。けれど、その「?」はどうやって解消すれば良いのか、私には分からなかった。

夫はいつも私の話を聞きながら
「それってどういうこと?」
と、合間合間で質問してくる。

質問されたら、自分の言いたいことを余計に見失うので、少し黙って聞いておいて欲しい。そう思いながらも、私は自分が伝えたいことと、夫からの質問への答えを順番に話すようにしていた。そして私の話は、あんまり伝わらないまま終わる、ということを毎日繰り返している。むなしい。

喋り方の問題かな?
伝えたい気持ちが先走り、早口になってしまうのもダメなんだろうな・・。
伝えたいことだけでなく、話が脱線するのもよくないのかも。

そんな風に自分の「伝え方」を振り返っていたのだけど、最近読んでいた『バナナの魅力を100文字で伝えてください』では、
自分主体で考えるのが「伝える」で、相手主体で考えるのが「伝わる」
だと書いてあって、あぁ!!!!!!と、自分の中の何かが崩れ落ちた。

私はいつだって、自分主体で考えていた。
自分の気持ちを理解して欲しくて、自分に同情して欲しくて、自分を好きになって欲しくて、自分を良い人だと思って欲しくて、自分をスゴイと思って欲しくて・・。
とにかく全て「自分」が先にあった。

自分の思い通りの反応が返ってこなければ、「どうしてわかってくれないんだろう」と思っていたし、わかってもらうために、もっと必死になって自分の思いを「伝えよう」としていた。でもこれが「伝わらない」原因だったらしい。

自分のことばかりを考えすぎて、相手の気持ちなんて思いをはせることもなくて、相手がそういった話を聞くことに、もしかしたら苦痛を感じているかもしれない、ということは少しだけだけど気づいてもいた。

けれど止められなかった、自分のことを話さずにはいられなかった。理解して欲しかった、自分の思いを伝えたかった。でもそれは「伝える」ではなく、「ぶつける」だったのかもしれない。

そんなことを繰り返していれば、相手は倒れてしまうかもしれない。だからやめよう、自分の思いを「ぶつける」ことはやめよう。

ただ、文章には思いを「ぶつける」ことをしていきたいと思う。読む人を倒さない程度に。

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