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月にまで届きそうな距離に感じて

義母が仕事で毎日一万歩ぐらい歩いているらしく、一ヶ月で三キロ痩せたと教えてくれた。一万歩と言われてもピンとこない私。おそらく尋常じゃない距離を移動しているのだろうなという認識でしかない。

そう考えていたところで、大崎博子さんの本を読んだら、こちらでも毎日一万歩の文字があった。

まだまだ先と思っていた老後だけど、最近は老後のことを頻繁に考えてしまうようになっていて、それは老後に対する不安が大きいからなのだけど、未来に対する不安は何歳であってもあり続けるはずで、だったら今、できることをしたほうが建設的だと思ったので、大崎さんの本を読んでみた。

大崎さんは歩くようになってから、膝の痛みも消えたと本に書かれていて、膝に水が溜まることで歩くのが困難だった祖母を思い出し、祖母は出来るだけ歩かないようにしていたけれど、それが余計に歩行を困難なものにしていたのかもしれないなと、過去を振り返り考えていた。

遺伝がどうなるのか分からないけれど、私も歩行が困難になる可能性は十分にあるので、一日に一万歩を目指すというのは、健康の面でも、将来の不安を軽減する意味でも、とても重要なのではないかと思っていた。しかし一万歩って、普段まったく歩かない人間にとっては、月にまで行きそうな歩数に思える。

はてしない数字に思えていても、歩行が困難な娘を介護する私にとって、自分の健康は何よりも大事で、自分が健康でなければ介護など出来ないのだからと奮い立たせて、いざ歩いてみようと外へ出た瞬間、暑さにげんなりして帰宅した。目標は一万歩。現実は一歩だった。

まぁ初日なんてこんなものだよね、と自分に言い訳しつつ、今のところ一歩以上の記録が出ていない。記録更新するためには涼しさが必要なんだ!そしてその涼しさを待っている間に、きっと冬が訪れて今度は暖かさを求めるだろう。そして暖かさを求めていたら、すぐに暑くなって、以下ループ。

やったほうがいいことは理解していても、それを体が受け付けるとは限らない。それが嫌いなものであればあるほど、自分の心と体は拒否し続けるだろう。そしていつかの自分が困難に直面し、「あの時ああしていればよかった」と後悔するんだろうな~という未来までが見えた。

とりあえず少しずつ歩いてみよう。せめて百歩を目指して(目標低い)。

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