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日記は読むのが楽しいのであって

年明けと同時に、葉山莉子さんの『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』を読んでいる。

「Tinder」で「日記さん」と呼ばれながら、日記を書いていたらしい葉山さん。「Tinder」が何かよくわかっていないんだけど(出会い系アプリ????)、葉山さんの日記がとても心地よくて読むのが楽しい。

『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』を読んでいたら、葉山さんが日記を書き始めた理由が書かれていた。理由はいくつかあるらしいのだけど、そのうちのひとつに福尾匠さんという方の日記が関係しているとあった。

福尾さんは哲学者であり批評家らしいので、そういった仕事のメモみたいなものも日記には書かれているらしいんだけど、その仕事の内容もふくめ、日々の出来事や、そのとき感じていたことなども日記として残されていることが、葉山さんは面白く感じたらしい。

私も実際に福尾さんの日記を読みに行ったんだけど、こんな風に簡潔に書けたらいいな、と憧れる日記だった。福尾さんの日記はこちら👇


私も昨年は「読書日記」をしてみたわけだけど、あの日記を書こうと思った理由のひとつに、柿内正午さんの『プルーストを読む生活』を読んだからというのがある。読んだ本のことを書いたり、読んだ本から派生した話、まったく関係ない話なんかを、柿内さんのように書いていきたい!と憧れていたことを思い出した。

しかし日記というのは続けるのが大変。日記なんだし何を書いてもOKなのはわかっているのに、何を書いてもいいということが何を書けばいいのかと、悩むきっかけにもなった。だから私は、その日に読んだ本の話ばかりしていたのだけど、でも最近、本がしっかり読めている感じがしなくて、これは「読書日記」なのだろうか? なんてことを面倒くさく考え始めて今にいたる。

けれども今回、『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』を読み進めて日記のよさに改めて気づかされてもいて、自分の日記をどうしたものかと悩んでもいる。

ただ「日記のよさ」というのは、自分が発信する側にいることよりも、人さまの日記を読むことによさが詰まっている気もするんだよね。

私にとって、読書以上に楽しいのは「読みたい本」を探しているときだし、日記は自分が書くよりも、人さまの日記を読むほうが楽しいという気づきがあった。本を読む、日記を書く、というのは自分が主体となってするものだから、受け身の私に向いていないというだけのことかもしれない。ただ面倒なだけかもしれない。後者のほうがかなり優勢。

今年もたくさんの日記に出会いたい。

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