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【3Dプリンター】 用途の紹介(自動車)

様々な分野で注目されている3Dプリンターですが、実際にどのような目的や用途で使用されているのか、について紹介したいと思います。
今回は、EVや自動運転で注目されている「自動車」業界における用途の紹介になります!


アウディ

ストラタシスのプリンターを用いて試作品の制作に使用しています。主にデザインの改善を目的に使用しており、ホイールカバーやグリル、ドアハンドル、ライトなどで活用しています

ベントレー

大きな車体が特徴的なベントレーですが、3Dプリンター製品の活用にも積極的です。約300万ユーロの投資により、2021年は1万5千点以上の製品を3Dプリンターで制作しています。設計や制作時間の短縮、顧客に合わせたオーダーメイド品の対応などにも大きく貢献しています

BMW

実は、25年前から3Dプリンターを活用しています。活用目的は、強度を維持しつつの軽量化です

ブガッティ

スポーツカーである「ボライド」では、3Dプリンターを活用して軽量化を実現しています。チタン製のブレーキキャリパーやスポイラー、エンジンマウントなどをSLM Solutionsのプリンターを用いて製作しています

ダラーラ

F3の車載部品に使用。熱交換率を高め、熱に強い部品を製作する為に3Dプリンターを活用しています。プリンターは、EOSのパウダーベッド方式を採用しており、モータースポーツ用の小型部品への採用に積極的です。効果的な熱交換器の開発は、オーストラリアの熱・工学を専門とするAMアプリケーション企業の「Conflux Technology社」と行なっています

フェラーリ

EOSのプリンターを用いてチタン製のエンジンピストンに使用しています。トポロジー設計により、より複雑で軽くて強度のある部品の製作を可能にしています。また、試作フェーズにおいて短期間で数種類の試作品を検証できることも大きなメリットとなっています。内部が中空になっているブレーキペダルの試作品なども製作しています

フォード

実は、1988年には3Dプリンターに投資をしていたフォード、これまでに50万点以上の部品を3Dプリンターで製作してきたとされます。特に「デスクトップメタル」や「カーボン」との繋がりが強く、6kg程度のアルミニウム製インテークマニホールドの作製もしています。ドライバーの要望から、EOSのプリンターでホイールラグナットなども製作しています

ランボルギーニ

価格に妥協しない超高級スポーツカーメーカーですが、コスト削減や短期間での試作品製作の目的以外で、3Dプリンターを活用しています。それは、顧客1人1人の好みに合わせたオーダーメイド対応です。最近では、車内の換気口を3Dプリンターで製作しています

マクラーレン

超高級外車のマクラーレンも金属3Dプリンターを活用しています。エンジンの冷却効率を高める為、設計に特徴を持たせたエンジンブロックやシリンダーヘッドを製作しています。他メーカーでも、車体の軽量化目的で3Dプリンターを活用しますが、マクラーレンはより軽いフレームを作る為に、強度も担保できる炭素繊維で造形を行なっています

メルセデス

カスタマイズされた高級車やスポーツカーでの活用が多いですが、メルセデスは、トラック部品での3Dプリンターの活用を最も早くから取り組んでいる企業の1つです。人の移動だけではなく、物の輸送にも使用する自動車において、トラックが軽量である事は大きな意味を持つからです。メルセデスは、強く柔軟性がある3Dプリンター製品の活用を今後も商用車であるトラックにおいて推し進める可能性が高いです

ミシュラン

世界的なタイヤメーカーのミシュランも3Dプリンターを活用しています。ミシュランは、GMとの共同研究で、アプティスプロトタイプと呼ばれるエアレスタイヤの試作品を開発しています。エアレスにより、パンクのリスクが大幅に現象し、メンテナンスの削減、スペアタイヤ製作による原料使用量の削減にも繋がります。2021年には走行テストに成功し、早ければ2024年には一般市場への投入が期待できます

ミニ(MINI)

EVのワンオフモデル「ストリップ」をポールスミスと共同開発しました。ストリップは、持続可能性をテーマに環境にやさしい設計となっています。不要なアイテムは全て取り除かれ、カラー塗装もなく、素材剥き出しのモデルになっています。このストリップでは、前後バンパーのインサートや、MINI特有のブラックベルトパーツが3Dプリンターで制作されています

ポルシェ

実は、1990年代から3Dプリンターを活用してきたポルシェ。2020年には、「911 GT2」のエンジン用ピストンをレーザー溶融方式の3Dプリンターで製作しています。従来の鍛造ピストンより10%以上の軽量化に成功し、従来の方法では再現できなかった冷却ダクトを設ける事も可能となりました。軽量なピストンのおかげで、エンジン速度の向上やピストンの負荷軽減、エンジン燃焼の効率化に繋がっています。表向きには3Dプリンターに関するニュースを発表していませんが、2021年末には、中国の産業用FFFプリンターメーカーである「INTAMSYS」に投資したと発表。INTAMSYSは、汎用プラ、エンプラ、スーパーエンプラまでの樹脂造形を可能にしており、高強度且つ、軽量な製品を製作できる事が魅力です

セアト(SEAT)

スペインの自動車メーカーであるセアトは、開発センターを大きく刷新し、異なるタイプの3Dプリンターを導入しています。3000㎡に及ぶ敷地では、HP社のマルチジェットヒュージョンやストラタシス社のプリンター、パウダーベッド方式、FDM方式など、9台のプリンターが設置されています。1日50部品の製造が可能となり、3Dプリンターの活用にも注力しています


今回は海外の自動車メーカーがどのような目的で3Dプリンターを活用しているかを紹介しました。
現状の主な使用目的は、レースカーの軽量化と顧客要望に応じるカスタマイズだと感じました。
まだまだ大衆車向けの用途では使用実績は殆どないですが、活用の幅や量は今後、どんどん増えていくのではないかと思います。


本記事は、下記サイトを参考に作成しております。

サイト:3Dnatives your source for 3D printing
タイトル:What Are the Most Innovative 3D Printing Applications in the Automotive Sector?
日付:2022/5/10

https://www.3dnatives.com/en/3d-printing-applications-in-automotive-ranking-081020204/#!

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