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映画めも。

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2019年3月の記事一覧

女王陛下のお気に入り The Favorite

女王陛下のお気に入り The Favorite



ヨルゴス・ランティモス監督の女王陛下のお気に入りをやっと観た。平日昼の回という事で年齢層も高めだったためか、あまり笑い声も上がらなかった。

ランティモスはロブスターしか観ていないのだけれど、やはりどこか共通した独特の雰囲気がある。端々から滲み出るグロテスクな(けれどライトな)描写や雰囲気や、肉感的過ぎないものの、どこかグサリと刺さる痛みの描写が印象に残る。平手打ちや、鞭打ち、糞の溜まり場に落

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ビールストリートの恋人たち If Beale street could talk/家族の眼差し

ビールストリートの恋人たち If Beale street could talk/家族の眼差し



ムーンライトのバリー・ジェンキンス監督の新作ビールストリートの恋人たちを観た。

とにかく描き方が丁寧で、ストーリーも人物描写もじっくりと描かれている。ムーンライトに比べるとややこじんまりとしている感は否めないものの、テーマがぶれずに最後までしっかりと描ききっていた。

とにかく人物の眼がもつ力強さと脆さが印象に残る。ムーンライトでは風貌の異なる3人の役者が演じた主人公シャイロンの眼差しの同一

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ヨーゼフ・ボイスは挑発する Beuys/絶対的自由と自己決定

ヨーゼフ・ボイスは挑発する Beuys/絶対的自由と自己決定



ヨーゼフ・ボイスのドキュメンタリー「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」を観た。
ボイスの名前はあちこちで見るものの、少なくともこの10年あまりは振り返られる事が少ない人だったのではないかと思う。僕が現代美術の展示で彼の作品を観たのは、ベルリンのハンブルガーバーンホフに収められている「市電の停車場」と、森美術館のオープニングだったハピネス展(作品名は失念)。今手に入るもので詳しい文献も少なく、触れる機

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