見出し画像

創作大賞に応募するエッセイが夫と息子のお陰で完成しました

夫が、近くに引っ越してきた義父の家に泊まりに行くというので、日曜日は私一人。
夫が帰ってきて何かをするという工程がないので、とにかく自分のペースで執筆ができている。

頂いている仕事を書き上げて、ジーっと考えていたのは「創作大賞」のこと。

応募したいという気持ちはあったけれど、何を書けばいいのやら…。
書きたいことは山ほどあるはずなのに、コンテストとなるとちょっと躊躇する所がある。

そんな時、母が録画していた「発達障害の僕が純愛小説家になった理由」を見ていた。

瀬戸康史さん演じる「伊佐山ジン」が、息子と重なって、どのシーンを見ても涙が出そうになった。
そして、上野樹里さんが演じる「伊佐山優美」の「あなたの世界が見たい」という言葉に共感した。

ずっと、息子の世界が見たいと思っている。
息子の世界はどんな色で、どんな見え方をしているんだろう。

そんなことを考えていたら、夫が言った言葉を思い出した。

「お前の見ている世界は、俺とは違うんだろうなぁ」

私の趣味に付き合っている時、夫は決まってこの言葉を言っている。
私は夫が知っている「当たり前」とは違う世界の人間らしい。

そして、むすこの育て方に悩んでいた私に夫が言った言葉が

「お前、自分と息子は違うって思ってない?」
「お前は上手に生きる方法を知っているだけで、息子と感じ方は同じなんじゃないかって思ってるよ」

その言葉で、私の中にあった「生きづらさの記憶」が溢れ出した。
ずっとずっと怖かったけれど、それでも生きていくために色んな方法を考えて「普通に出来る人」になって当たり前の人生を生きようとしてきた。

その話をした時、ずっと言いたかったことを夫に告白した。
「私、会社員は辛い。色んな人の感情を受け取って生きるのは辛い」
怒られるだろうなぁ。怒られたらそれはそれで仕方ないか。と思っていたら、夫が言ったのは
「だろうねぇ。お前は今の仕事向いてないよ。できるけど向いてない」
だった。

人間の良き不向きは、決して出来る出来ないで決められるものではなかったんだと、この時知った。

そこから「自分に出来ること、自分が苦しまないで生きられること」を考えて、ライター仕事を始めた。
ダメでもともとと思っていたので、クライアントさんからお仕事を頂いた時は飛び上がるくらい嬉しい。
コンスタントに「文章を書く」ということを「収入」につなげられるということが、私の中にある「会社に行かないとお金がもらえない」という気持ちを少しずつ楽にしてくれている。

そして、これまで私が感じてきた息子とのことを書いてみようと思った。

私と息子が生きている世界を、文章にしてみたい。
30分ほどで書き上げることができた。これから校閲したりして期限までに投稿する。

私が作業をしている姿を見ながら、夫が言ったのは
「お前は文章書いている時、今までにないくらい集中するんだね。息子が自分が知っている知識を俺たちに話すのと同じくらいお前はキーボード打ってるんだよ」
夫は、私の世界をずっと守ってくれていたのかもしれない。
そして、自分の世界を認めて生きようとしている私を褒めてくれた。

「好きなことをしてお金をもらえる人は一握りだ」
自分の中に根付いていた意識を介抱してくれた不器用だけど私ファーストな夫に感謝したい。

この記事が参加している募集

noteの書き方

いただいたサポートはみなさんによりときめくエッセイを届けるため、作業机周辺に配置するときめきアイテム(主にコーヒーとお菓子)購入代にさせていただいております! もっとみなさんに楽しんでいただけるエッセイを目指していきます。ありがとうございます♡