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人は人を「そういう目」で見ている。

ちょっと前に不倫で話題となっていた女優が、またニュースになっていた。内容はそのファッションの独自性について触れたもので、「背中に蜘蛛の絵が入ったカットソーを以前着ていた」ということが語られていたが、まあ何というか記事から漂うのは「元々変なファッションでぶっ飛んだ人でしたよね~」みたいな嘲笑感であった。
これがもし、不倫問題などなく、好感度の高い状態であればこんな記事は出ない。出たとしても「個性的なママファッションで憧れ」的な目線で書かれていただろう。「いま叩いていい流れ」だとメディア側が判断しているからそういう書かれ方をするのである。

例えば、何か凶悪事件が起きた時、容疑者の顔写真(なんかの本で見たが業界用語ではガンクビというらしい)で、にこやかな写真が出ることはほとんどない。いかにも目つきが悪かったり、表情が暗かったり、「コイツなら事件を起こしそうだな」という雰囲気のものが掲載されている。まあこれはメディア側だけの責任とも言えない。被害者側の心情への配慮とかも入っている可能性がある。被害を被った本人とかその周囲からすると、犯人画像がニッコニコしてたら「この記事は犯人の肩を持つのか」となるだろうし。

しかし、そういったメディア側が調整している発信に対して、すっかり思うツボになってるような人もいる。あなたの周りにもいないだろうか。芸能人が事件を起こしたりすると「コイツはやると思っていた、そういう顔をしている」といった感じのことを言う人が。もちろんその芸能人の好感度が高いころからずっと一人だけ怪しいと言い続けていた、とかの背景があれば単純に見抜く力のある人ということになるが、たいていの場合違う。むしろ「こないだまで●●はカッコイイし性格も良さそうとか言ってたやんけ」という感じだ。

まあ会社で言えば、何らかのプランが失敗した時に「あれはダメだと思っていた」と後から言うような人というか。分かってるなら先に言わんかいという感じだが、もし成功したらしたで「まあこれは上手くいくと思ってたよ」と言うので同じである。

ずいぶんと都合のいいモノの見方をしているように思えるが、人間だいたい見たくないものは見てないし、情報を都合のいいようにしか受け取らないものだ。そういう意味では容疑者の顔で人相が悪い写真を探すのも、「そういう風に受け取りたい人が多いからそれに合わせて発信している」と言える。

まあそう考えると結局見たいような情報に囲まれているから流れに身を任せてればラクなのだ…と言いたいところだが、こういうポイントを狙ってくるのが詐欺だったりするのであんまり無関心でもいかんのだなぁと自戒する次第である。

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