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「自分の成功法」を明かす理由。

基本的に人は「成功するとそのやり方を語りがち」である。しかし、成功といっても規模はまちまちだし、仮に本当に成功間違いないようなやり方があるのならやすやすと人に教えていいのかよ?という疑問も湧く。

しかし今日もネットにも書店にも数々の「成功法」があふれる。なぜなのか。とはいえその種類によって実情は異なっているとも思われる。

ざーっと眺めた限りでは、以下の3タイプに分類できると思われる。

1.ビジネス書需要がある
2.承認欲求の賜物
3.ただのサギ


1.ビジネス書需要がある
毎週あるいは毎日のように新しいビジネス書が出ていることを考えると、もっとも多いのはこれではないだろうか。すなわち「成功している人にインタビューして教えてもらう」という形。といっても本人が書く場合とゴーストライターがまとめる場合があると思うが。凄いペースで本出すなこの人!と思ったら口述筆記タイプで、まとめる人が忙しいだけということもある。
おそらくビジネス書の出版社の人は、「新しく、成功していて、言葉が強そうな人」というのを常に探しているのだろう。この場合、本人はそこまでグイグイ行くタイプではなくても本は出せる。なんとなくだが「ズルい仕事術」がバカ売れした佐久間宣行氏も、自分から出版社に売り込んだ結果ではなさそうだ。
だいたい何かで成功するとビジネス誌にインタビューなどが載り、そこから編集者が「この人の考え方は面白い!」となって書籍化、というふうになるのではなかろうか。極端に言うと本人にはそんなに書籍化希望がなくても、編集者が「この言葉や考えは売れる」と思えば書籍化するだろう。まあ要は世間のニーズに合うかどうかだ。

2.承認欲求の賜物
これは1と似ているようで違うのは「自分から書く」ということだ。ビジネスで成功したからには本出したいなーとか、自信満々に「みんな自分の真似したらいいのに」と思える人が出す。そして編集者も「これだけの実績がある人なら名前で売れるかも」とか思ったり、単純に聞いてみたら考えが面白いと思って出したり、というパターン。売り込み型といえるだろうか。たまにある、異様に上から目線だったり、カリスマ感をおなかいっぱいになるくらい醸し出してくる本はこういうタイプじゃないのかと思っている。もちろんまがりなりにも成功しているので「こんな考えがあるのか」と発見があるパターンもあるが、「まったくマネできないし参考にならない」というパターンもある。理論がオカルトめいてたり全然後付けがなかったりとか。でもそもそも本を出したいと売り込めるような人はメンタルがバカ強いことは確かだ。

3.ただのサギ
書店ではあまりないが(ゼロではない)、ネット上ではこのパターンが死ぬほど多い。「成功方法を教える」メリットが全く分からないやつ。変なメガネの人が「デザイナー育てます」とか謎の投資家が「必勝法を教えます」とかは別に成功方法を教えてくれるわけではなく、「成功者に憧れる情報弱者から金を引っ張る」のが目的である。行きつく先はいつも「プロフ」か「固ツイ」か「PDFの無料ダウンロード」。まあ何より「成功した自分並に稼げる方法が簡単に分かる」方法をタダで教える意味がまったくわからんからね。このあたり、会社のヒット商品があったとして、それを他の会社に「勝手に売っていいですよ、マージンも要らない」と教えるかどうかで考えるといかに謎な行動かと。

もちろんこの中では1番が一番まともだしヒット本も多く出ていると思うが、意外と社長とかが自分で出すものではなかったりする。「●●歴20年のベテラン」とか「大ヒット商品●●の仕掛人」とかが出していると思うが、これはやはり「読者に近いこと」が要因であろう。いきなり大会社社長に語られても遠い話としか思えないし、雇われ社長のパターンも多いし。
任天堂をファミコンで大成長させた山内傳氏などは「運が良かっただけ」と言ってたので本を書いてないだろう、と思って調べたら、やっぱり他の人が書いた本しかなかった。任天堂の名前も「天に任せる」から来ているしな。

まあそもそも「何が自分にとっての成功か」と考えていくと必ずしもビジネス的なものじゃなかったりするかもだな、特に今の時代。
サクセース!


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