見出し画像

ハラスメントの境目と感情の問題

某アイドルグループのライブ演出家がパワハラだとアイドルがラジオで告白したことにより、演出家が辞任するという事態になっていた。
…まぁ全部事実ベースなので隠すこともないか。乃木坂46のことである。ただこの演出家(S氏)はAKBグループの公演に深くかかわっており、いわば「厳しいけど信頼のある人物」だったという声も出ている。実際、若い女の子を何十人も束ねようと思えばある程度規律を正していかないとまとまらないと言われればそうだろう。

となるとまぁ結局この「厳しさ」がどの程度だったのかということになる。
「殺すぞ」「やる気のない奴いなくていいよ、どうせわかんないから」といった発言があったと言われているが、まあ字面だけで見ればアウトっぽい。ただこの「殺す」は「コロス」だったり「殺す(笑)」だったり「殺す(怒)」だったりするので非常に言葉の温度が測りづらいセリフではある。

これに関して、S氏を擁護する声がアイドルOBから出たりもしたようだ。実際、後ろの方にいればやる気のない子もいるだろうし、ダラダラとしてしまう時もあるだろうから、それは演出家ならずとも「厳しくせねば」と思っていた人もいるということであろう。
ただあくまでハラスメントというのは「受けた側」の問題でもある。怒鳴られて奮起する人もいれば深く傷つく人もいるわけで、傷ついた人に対して「そんなに傷つくな」と言われてもどうにもならない。
極端に言うと、厳しく指導して公演が上手くいって「みんな、厳しくして悪かったな」「Sさーん!(群がる)」みたいなシーンを経たとしても「それはそれとしてあの時私は傷ついた」と言われればそれまでなんである。

言ったもん勝ちになるから告発したほうが悪いとか、真剣指導だとしても言葉が悪いから演出家側が悪いとか、どちらとも取れる問題ではある。だからどっちがどうだというより、これはいつでも起こりうる話として、公正な処理をするにはどうしたらよいのか、と考える必要があるのではなかろうか。

というかこの件に関しては前述したように既に演出家側が辞任するという結果になっているのだが、それでよかったのかどうか。といっても「反省したので今後は優しい言葉ダヨ♡」と言われてもまぁそれはそれでうさん臭いので、離れる以外の選択肢はなかったかもしれないが。
真贋定かでないが、このS氏は以前も厳しい指導(というか暴言)がもとで一回離れたが、結局他に適した人材がいないということで戻ってきたことがあるらしい。今回も似たような感じになるのか、ずっと離れるのかわからないが。まあ乃木坂46ファンを敵に回したらと考えると怖いから、もし自分が同じ立場なら絶対消えるだろうなぁ。

サポートいただけた場合、新しい刺激を得るため、様々なインプットに使用させていただきます。その後アウトプットに活かします、たぶん。